nyanyakoroさん こんばんは
高度経済成長は、1973年の第一次オイルショックによって終焉を迎える事になります。
太平洋戦争に惨敗した日本は、1945年8月15日以降0からの再出発となります。
1950年に勃発した朝鮮戦争の軍事景気で少しずつ景気も良くなって来る事になります。1945年以前のエネルギーはほぼ石炭でしたが、この頃より石油がエネルギーの主力になります。元財閥系の大企業が石油コンビナートを建設し、徐々に大企業が立ち直り出してきます。
今でもそうなのですが、ほぼ資源の大半を外国からの輸入に頼っている日本の場合、石油は東南アジアやサラブ等の石油産出国からの輸入に頼っている事になります。そう言う日本円の出費に対して輸出が多い事で外貨獲得率が多くなり、国の経済が潤う事になります。当時は勤勉で手先の器用な日本人の性質と安い労働力で高品質な製品・円安(固定相場制 当時は1$=360円)と言う諸々の事情で、諸外国が日本製品を沢山購入して頂く事になります。そして外貨獲得率が多くなり国の経済が潤いを見せる事になります。こうした背景で、1960年代は日本の経済が右肩上がりで急成長をする事になります。この時代を「高度経済成長」と言います。
前記した通り石油を輸入に頼っていた日本は、何らかの理由で輸出国側が石油を値上げすれば、当然輸出製品の原価が上がり、輸出量も減る事になります。
1973年10月16日に第四次中東戦争が勃発する。同日OPEC加盟のペルシャ湾の6カ国で原油価格21%の値上げと原油減産・イスラエル支援国への輸出禁止を決定。そして1974年1月より原油価格を2倍にすると決定する。(この事を「オイルショック」と言います)この事により、当時の日本の主力製品の重工業製品の原価も跳ね上がり、日本の輸出相手国の輸入量も激減する事になります。
日本の場合は、石油が値上げすれば多くの製品が値上げされる事になります。それと便乗値上げ等もあり、様々な理由で国内の消費者物価指数で1974年は23%上昇。政府はインフレ回避の為に公定歩合を上昇させ、結果企業の設備投資などが抑制される事になります。従って1974年は、戦後初のマイナス成長を経験する事になります。これで高度経済成長が終焉を迎える事になります。
このオイルショックのお陰で、盛り場からネオンサインが消え、TVの深夜放送の中止等マイナスの経済成長率以外にも市民生活に打撃を与え、暗い時代となっていました。
あるスーパーの宣伝用の広告用紙に(激安の販売によって)「紙がなくなる!」と書いたところから噂が噂を呼び、トイレットペーパー騒動が起こっています。店頭にトイレットペーパーが陳列されるだけで飛ぶように売れていました。このような現象により、最初の内は楽観視していた人までもが実際に店頭からトイレットペーパーが消えたため確保に走り、小売店では店頭にトイレットペーパーが並ぶや否や客が押し掛け、商品を奪い合って殴る蹴るの喧嘩を始める人すら見られた。デパートでは余りの混雑振りにトイレットペーパー販売のたびに迷子も多数発生したらしい。このような社会現象まで引き起こして高度経済成長は幕を下ろす事になります。