• ベストアンサー

帯構造について教えてください。

導体、半導体と絶縁体では帯構造がどのように違うのでしょうか。本を見てもよく分かりません。雰囲気だけでもいいですので、教えてください。また、参考になるサイトなどありましたら教えてください。

  • 3go
  • お礼率50% (1/2)

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • siegmund
  • ベストアンサー率64% (701/1090)
回答No.1

半導体と絶縁体のバンド構造は本質的に同じです. フェルミ準位が禁止帯にあって, 電子で満たされた充満帯と完全に空のエネルギー帯(伝導帯)がエネルギーギャップ (禁止帯の幅のことでバンドギャップともいう)によって隔てられている場合が 半導体あるいは絶縁体です. この場合,充満帯の電子が上の伝導帯に励起されないかぎり電流は流れません. で,半導体と絶縁体の違いはエネルギーギャップΔの大きさです. 絶対温度Tの熱エネルギーでエネルギーギャップΔを乗り越える確率は ボルツマン因子 exp(-Δ/kT) に比例します.k はボルツマン定数. したがって,Δが小さければかなりの確率で電子が上の伝導体に励起されて 電流が流れますが(半導体), Δが大きければ励起される電子の数は少なくほとんど電流は流れません(絶縁体). exp(-Δ/kT) というボルツマン因子の関数形が重要で, Δが10倍になると,この因子は同じ T に対して exp(-10)~ 4.5×10^(-5) 倍になります. 20 倍なら exp(-10)~2.1×10^(-9) 倍. というわけで,励起される電子の割合はΔに非常に敏感なのです. じゃあ,Δが20倍なら温度も20倍にすれば絶縁体も半導体のように見えるか? 理屈はそうですが,T は絶対温度ですから室温で 300K 程度, 20 倍にすると 6000K で太陽表面の温度程度になってしまって結晶が融けちゃいます.

その他の回答 (1)

  • siegmund
  • ベストアンサー率64% (701/1090)
回答No.2

導体の話を書き忘れました. 導体の場合は,フェルミ準位がバンドの内部にあって, フェルミ面付近の電子はいくらでも小さいエネルギーで励起が可能です. E(エネルギー) ↑ │  │   │ │A │許容帯│ │  │   │ │  ├───┤    │  │   │ ↑ │B │禁止帯│ Δ │  │   │ ↓ │  ├───┤ │  │   │ │C │許容帯│ │  │   │ │  │   │ 許容帯と書いているのは電子が存在できる部分. AやCの位置にフェルミ面があれば金属, Bの位置なら半導体あるいは絶縁体です. フェルミ面がBの位置の時は, 上のバンドは伝導帯,下のバンドは充満帯,と呼ばれます. 分類図式を書きますと ┌ フェルミ面がバンド内部 ⇒ 金属 │ │                ┌ バンドギャップ小 ⇒ 半導体 └ フェルミ面がバンド間(禁止帯)┤                  └ バンドギャップ大 ⇒ 絶縁体 ということです. なお,半導体に他のものをドープすると不純物バンドができたりして 様相が変わりますが,今はそういうことは考えていません. また,半金属というのがあります. これはバンド構造がちょっと変わった形を持っていて, 本質的に金属ですが自由に動ける電子の密度が非常に小さい (普通の金属の1万分の1など)ものを言います. ビスマスが有名. バンドの話は本質的に電子間相互作用が弱いときの話です. バンド構造からみると金属のはずなのに, 強い電子間相互作用で絶縁体になる場合もあります. こういうものをモット・ハバード型絶縁体と呼んでいます.

3go
質問者

お礼

丁寧な回答ありがとうございました。とても参考になりました。

関連するQ&A

  • 0kでのバンド構造について

    バンド構造について勉強しているのですがよくわからなくて困っています。 銅、マグネシウム、絶縁体、半導体のバンド構造はかけるのですがその特徴がわからなくて困っています。 銅の場合は満たされた準位のうえに空の準位があることをしめせばいいのですか?それともなにかちがうことなのですか? わかるかたがおられましたらお願いします

  • いろんな結晶の様々な物性値が分かる本

    いろんな結晶の様々な物性値が分かる本を探しています。 英語・日本語は問いません 結晶の種類は、絶縁体から半導体まで 物性値は熱膨張係数・バンドギャップ・結晶構造・有効質量・熱膨張係数・格子定数等についてを知りたいです。 もし、このような情報が一覧表の形で載っている本をご存じの方は、 その本の題名をお教えください。 宜しくお願いします。 SiO2やAl2O3などの絶縁体などの情報が特に不足してます。 半導体だけでなく、半導体から絶縁体まで詳しく物性値を知ることができる本でお願いします。

  • 半導体テスタの構造について

    電子部品メーカーに勤務する社会人です。 半導体の検査装置の製造メーカーの営業担当になり コネクタなどの電子部品を販売する事になりました。 しかし、数ある部品の中から適した部品を提案するために 半導体検査装置の構造を勉強したいと思っていますが、 書店でも良い本を見つけられず困っています。 半導体検査装置の構造を勉強するのに良い本や サイトをご存知の方いましたら是非教えて下さい。 宜しくお願い致します。

  • 電気工学の質問です。

    mos構造のゲート電圧による絶縁体と半導体界面の変化の説明をわかりやすくしもらえないでしょうか? よろしくお願いします。

  • 誘電率について

    「高い誘電率を有するが電気的には絶縁体(プラスチック・セラミック・油)」とある本に書かれていたのですが、高い誘電率の意味がまったくわかりません。 誘電率とはどういうものなのでしょうか?是非教えてください。 導体、半導体、絶縁体についてもあまりくわしくないようなレベルです。よろしくお願いします。

  • モット絶縁体について

    “モット絶縁体”って半導体ですか?絶縁体ですか? もしくは半導体や絶縁体の性質に関係はないのですか? 僕が調べたデータによると Cu2Oはバンドギャップ 2.2 eV で半導体 CuOはバンドギャップ 1.4 eV で半導体 CuOはモット絶縁体 でした。 CuOのほうがバンドギャップが小さいのに、モット絶縁体ということになってしまいました。 バンドギャップとモット絶縁体は関係あるのか、それともないのか、教えてください。

  • 静電ポテンシャルと真性フェルミ準位の関係

    pn接合やMIS構造を議論する時にポアソンの方程式を立ててバンドの曲がりなどを解析しますが、何故静電ポテンシャルΦに-qをかけると真性フェルミ準位E_iになるのですか?  MIS構造でバンド構造を考えると、-qΦは半導体と絶縁体の境界で連続ですが、絶縁体の伝導帯と半導体の伝導帯が不連続であったのでふと疑問に思いました。  まとめると電磁気学で定義される電位Φと別に半導体の議論の途中で出てきたE_iが           E_i=-qΦ の関係式で結びつける事ができるのは何故か? という質問内容です。

  • 電気伝導性

    金属、半導体、絶縁体の電気伝導性の違いがよく分かりません。自分でも調べてみたのですが、簡潔にまとめてある本やサイトは見つけられませんでした。なんとなくは分かるのですが化学的な側面から見た場合には説明不足に感じられます。どなたか詳しく説明してもらえないでしょうか?

  • ゲルマニウム結晶が半導体である理由。

    ちょっと本を読んでて気になったところがあったので質問します。 「ゲルマニウム結晶は結晶内の電子がしっかりと結び合っているのに絶縁体ではなく半導体である」そうです。 理由を教えてください。 ヨロシクお願いします。

  • コンデンサの構造について

    電解コンデンサは酸化アルミ拍?と電解紙?という主に2つのもので構成されてるらしいです、(間違っているかもしれません。)、通常、コンデンサに端子を接続してる時ってのは、酸化アルミにプラス端子を、電解紙にマイナス端子を接続してるんでしょうか? コンデンサは、導体と絶縁体を交互に重ねていったものだと習ったことがあるのですが、電解紙というと電解液を思い浮かべるので、電気を通すもの?って思ってしまいます。 電解液に紙をつけたものなのかな?って思ってしまいます。 そうすると、導体ー導体ー導体って感じで絶縁体がなくなってしまう感じがするのですが、いったい電解紙って何の役割があるのでしょうか? それと、今日初めてコンデンサ2つを直列に極性を逆向きに、例えばマイナス端子とマイナス端子が向かい合うように接続すると、無極性になると聞いたのですが、それってなぜですか? 無極性になった場合、直流でも電流が流れるようになるってことはないですよね?