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耐震構造が施されていない建築物は?

今話題の姉歯建築士による耐震データ偽造問題ですが、疑問にお答え下さい。 建築法によって震度5強に耐えなければならないとなったのはいつなんでしょうか? また、その法律施行以前に建築されたマンションやビル、戸建て住宅は大きな地震ではどうなるんでしょう? また、そういった耐震構造がなされてない建造物について全くマスコミは取り上げませんが、なぜでしょう? 詳しい方よろしくお願いします。

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noname#107878
noname#107878
回答No.3

 マンションやビルなどの耐震基準が明確に法制化された年月については記憶がありませんが、一般戸建住宅の場合はたしか昭和53年の基準法の改正あたりからだったと思いますから、マンションについてもこのあたりではないかと思います。ただし、これについては不確かです。  その頃のマンションなどについての耐震基準はゼネコンなどの社内規定に基づいてそれぞれ設定されて来ましたし、大手や良心的なゼネコンなどではそれなりにかなり高いバーを設定して来たものでした。その頃のバーとは地域などにもよりますが震度に換算して当時の6~7程度だったと記憶しています。  ただ、それでもなお、耐震強度というものはあくまで計算上のものであり、また、地震というものはそれぞれ揺れ方が異なりますので、実際に大きな地震に遭遇してみなければ実のところは分らないといった不確定要素が残っていたことも事実です。  さらに問題なのは、設計図上の耐震強度が十分に盛り込まれた建物であっても、実際の施工に際しての不備や手抜きといったこともないわけでもなく、多くはよほど精密に非破壊検査でもしなくてはその手抜きを見抜けないものです。  そうしたことから、神戸の阪神淡路の震災で、設計上崩落するはずのない山陽新幹線の高架橋が崩落したといった実例もありますし、その破断面にあるべくもない木材が露出していたといった報道もご記憶のことと思います。  つまり、法改正の前後を問わず、「どうなるか....」と問われたら、その建物の施工会社の設計や施工の状況や、経年変化、予想外の劣化といった諸条件によって、その結果はかなり違ったものになるのではないかと思います。ことに、かのオイルショックの頃、外国製のセメントや塩分を含んだ海砂、こうしたものを平気で使った施工も見られたことから、中には不安のある物件もあるのではないかと思っています。  とにかくマンションといえば安いということが最大のセールスポイントですから、中には材料を盗みながら施工した物件もないとは言いきれません。むしろ、今回の事件は氷山の一角ではないかと、わたし自身は危惧しています。  たとえば100mmの壁厚と図面に指示されていても、これを99mmとわずか1mm材料を盗んでも、まず目視検査でバレることはありませんが、全館に使用する全資材のわずか1%をケチるなら、そこから「還元」されるコストは大変大きな「利益」となるはずですから。  さらに付け足しますと、たとえ倒壊しないまでも、建物に歪が生じた際には、これもまた居住できなくなります。基準法では120分の1までの横ズレが規定されていますが、これは床から天井までの高さが2m40cmの場合に2cmのズレということです。しかし2cmもズレたら玄関のスチールドアは人の力では開かなくなってしまいます。わたし個人としてはこちらの方もまた心配しています。  マスコミ、むしろこちらがわたしの分野ですが、マスコミとは至極勝手なものです。視聴者に迎合して、単に表面に現れた、この場合のマンション業者などといった「悪人」を徹底的に糾弾することでニュース性を高め、ひいては視聴率を高める、それが彼らの商売のあり方です。  そこには、もっと奥深く存在する諸問題や社会性、さらに広く隠された実態、それらに関係するもっと広範囲な責任の所在と糾弾、今後の対策のあり方などといったことを、本来のマスコミならではの立場から冷静に受け止め、論理的に判断して正しく報道すべきでしょうが、そんな真面目な内容では、すべて付け焼刃の彼らにはあまりにも専門的過ぎて、彼ら自身、知識が欠けていて理解できない上に、取材から編集、そして即放映といった制作のあり方では手に余るし、第一そんな番組企画では一部の知的な層には受けるものの、大多数の一般大衆を相手のメディアとしては視聴率が高まらない、それが彼らの報道姿勢なのです。  このような傾向は今に始まったわけでもなく、かのピッキング事件をはじめ、彼らの単に興味本位な報道姿勢には眉をしかめるものがあります。

japsgaps
質問者

お礼

大変詳しく解説いただきありがとうございました。かなり理解が深まりました。また、マスコミの姿勢に対する考え方にも共鳴します。重ねて御礼申し上げます。

その他の回答 (4)

noname#65504
noname#65504
回答No.5

耐震基準はその法制化時点での技術力により、最も妥当でかつ、高度でなくできる限り簡便な手法を規定します。 具体的には建築基準法で大枠を決め、政令などで詳細を決め、構造種別ごとの設計基準などより詳細な設計方法については建築学会の基準により決めています。 一般には建築士=耐震の専門家と思われていますが、それは違います。大学の研究者レベルで、法律の根拠まで理解している人もいれば、構造計算手法を理解し使いこなしている技術者もいますし、耐震(構造)設計についてはほとんど技術を持たないで、他社にゆだねている人もいます。 これは今回事件で明らかになったように、建築士といえども構造計算を得意としていない人は多く、構造を専門にする部署や事務所に回しています。 これは特に建築も大型になり新耐震以降は計算が複雑になってきたため、意匠・構造・設備設計の専門分化が進んだためと思います。 話を戻しますが、耐震基準が設けられたのは、戦後のすぐのかなり古い時代のことです(昭和25年、それ以前にも東京には耐震に関する条例があった)。耐久性を考えると、木造30年、鉄筋コンクリート60年程度ですので、耐震基準が適用されていない建物で現存する建物のほとんどは、既に文化財的価値のあるような建物ぐらいです。 阪神淡路大震災では、新耐震以降の物件で設計された建物で大被害を受けたものはまれと言われています(新耐震基準で被害を受けたものは施工に問題があったか、特殊な形状をしていたものが多い)。 倒壊した建物のほとんどは1981年に改正された耐震基準以前の基準(旧耐震基準)で設計されたものです。 昭和25年の耐震基準は関東大地震などの所見を元に制定され(震度5というものではなく、関東大震災クラスに対して、持つと言うことを考えて制定した。但し関東大震災の時期では科学的な記録は少ないため、かなり精度の悪い調査記録を元に想定)、1981年に耐震基準が改正されたのは、1978年にあった宮城沖地震の被害状況からそれまでの耐震基準ではまだ耐震性が不足していることが明らかとなったからです(新耐震は近代の技術による調査研究による本格的な耐震基準。なお、新耐震基準はおおむね大丈夫だったものの、被害が皆無だったわけではないので、阪神淡路大震災を受けて新耐震基準自体も改正されている)。 阪神淡路大震災は新耐震基準が作られて初めて受けた大被害です(それまでに日本海中部地震などはありましたが被害は少なかった)。 その被害調査の結果、新耐震のものはおおむねOK、旧耐震のものは被害が多かったというのが顕著になり、それを受けて旧耐震設計時代の建築の耐震回収を促進する法律が既に制定されています。 http://www.houko.com/00/01/H07/123.HTM 自治体なども補助制度などを作っています。 また、宮城県沖地震で旧耐震基準のものには耐震性能が不足することがわかっていますので、それらの耐震性能をチェックする耐震診断基準も作られています。 マスコミが全く取り上げないのは、耐震設計がなされていない建物は少ないからだと思います。阪神淡路大震災で被害が多かった旧耐震基準のものについては、毎年防災の日や阪神淡路大震災のことになると取り上げていますし、国としては法律を整備していますし、毎年国土交通白書などで公表しています。 最近あまり目立たないのは、やはり阪神淡路大震災の記憶が薄れてきたからではないかと思います。

参考URL:
http://www.anhouse.co.jp/law-taisin.html
japsgaps
質問者

お礼

歴史的な考察をふまえた解説大変勉強になりました。我が家も鉄筋3階で築40年を迎え心配でしたが、少し不安が薄らぎました。丁重なご解答本当にありがとうございました。

  • hskwpan
  • ベストアンサー率20% (25/124)
回答No.4

専門家でないので参考程度に、間違っていたら誰か訂正をお願います。 1981年から新耐震基準になりました。これはANo.2の方のwebにも書いてあります。 0.2Gの横力を掛けても許容応力以下になるように設計していると思います。許容応力は、例えば一般的なSS400(引張強度400N/mm2)ですと140位だと思います。降伏点が240位だったと思うので、0.2Gの1.7倍の力が掛かっても地震が収まれば、(計算上は)変形は元に戻ります。 応力集中を考慮しても0.2Gの地震なら躯体は無傷だろうと理解しています。 では、応力400で破壊と仮定すると、0.55Gで破壊することになりますが、現実には400で破壊することはないと思います。 旧耐震基準のビルは阪神大震災級(0.8G~1G以上)の地震がくれば、倒壊の可能性があります。新耐震基準でもたしか倒壊した建物があったと思います。 戸建て住宅の場合、新耐震基準でも10年位前の工務店等の家は、弱そうな間取り、すぐ抜けそうな筋交いの止め方等いい加減な家があちこちにありました。

japsgaps
質問者

お礼

専門的な見地からの解説ありがとうございました。

  • houng
  • ベストアンサー率25% (103/397)
回答No.2

現行の建築基準法になったのは昭和56年です。が、建築基準法には震度5強に耐えなければならないなんて一言もかいてはありません。今回の件で、マスコミの報道には大きな誤解や間違いがかなり多く含んだ報道となっていると思います。 (年配の構造の専門家がよくテレビに出ていますが、彼らは自分の手で電算プログラムを使って構造計算書を作ったことなどなく、かなり的外れなことを言っている人も見かけます。) 現行の建築基準法の施行前でも耐震規定はありますが、一般に現行法規以前は耐震改修促進法に因ることになっています。現行法規以前だからといって大地震に耐えられないというわけではなく、その建物がどの程度の耐震性能を有しているかは個別に耐震診断を行って判定します。 別にマスコミが取り上げていないわけではなくて、地震が起こると随時、現行法規以前の建物は危ないとマスコミは言っていますよ。単に1面トップ記事を飾っていないだけで、定期的に新聞では記事が載っていたりします。 某ゼネコンのHPに耐震規定の説明があったので参考にしてください。(そのHPの前後の記事もわかりやすいですよ)

参考URL:
http://www.kajima.co.jp/tech/seismic/higai/030607.html
japsgaps
質問者

お礼

よくわかりました。ありがとうございました。

noname#14229
noname#14229
回答No.1

>その法律施行以前に建築されたマンションやビル、戸建て住宅は大きな地震ではどうなるんでしょう? 施行以前のものは、無関係です、個人の財産は個人の責任で調査および検討してください >また、そういった耐震構造がなされてない建造物について全くマスコミは取り上げませんが、なぜでしょう? 常識的すぎて取り上げる必要がないからです 下手にあおると、リホーム詐欺の片棒を担ぎかねないですし >建築法によって震度5強に耐えなければならないとなったのはいつなんでしょうか? 下記のHPに割とよくまとめられてます http://www.mmjp.or.jp/honki/ie/anou4/s101.htm

japsgaps
質問者

お礼

ありがとうございました。

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