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核エネルギーの起源

guiterの回答

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  • guiter
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回答No.3

素粒子物理が専門ですが、扱っているものはクォーク3つまでの粒子ですので、 重い原子核についてはあまり詳しいとはいえません。 次の式は原子核(質量数A、原子番号Z)の半実験的質量公式です。  M(A,Z) = Z*Mp + (A-Z)*Mn - a*A + b*A^(2/3) + c*Z(Z-1)/A^(1/3) + d*(A-2Z)^2/A + Δ すると、結合エネルギーは  ΔE = Z*Mp + (A-Z)*Mn - M(A,Z) なので、質量の式の第3項以下の符号を入れ換えたものになります。 ・第1、2項:それぞれ陽子中性子の質量です。 ・第3項:強い相互作用によるもので、   相互作用が短距離力であるためそれぞれの核子は自分の周りの核子としか   相互作用しないので核子数(体積)に比例しています。 ・第4項:表面付近の核子は内部より相互作用する核子数が少ないので、   表面積( A^(2/3) )に比例した結合を弱くする方向に働くものとなっています。 ・第5項:クーロン力の項です。e^2/r の形になっていますね。 ・第6項:パウリ排他律に関する項です。   陽子と中性子の数が同じであればフェルミ準位もほぼ同じですが、   どちらかが多いとき、より高い準位に核子が入るので結合が弱くなります。 ・第7項:少し自信なしですが、原子核では陽子、中性子がそれぞれ偶数か奇数かで   結合の様子が変わります。そのことに関する補正項だと思います。 さて、ご質問はどの項が一番効くのかということでしたが、 残念ながら私はきちんとした答えは持っていません。 ただ、大きな原子核はかなり複雑なので一概には言えないのかもしれません。 原子核の形も様々で、球形からは程遠いものもありますね。 昔聞いて印象に残っている話です。 原子番号100程度の原子核の崩壊の話ですが、 ある同位体と別の同位体では寿命のオーダーが10桁も違うということでした。 かなり内部で起こっている出来事が異なることがわかります。 また、ある質量数で安定な核が出来るという話(魔法数)などもあります。 >生成粒子の質量+運動エネルギー+ガンマ線で、 >全てきっちり説明できるのでしょうか? 当然そうなるはずです。 だたし、生成粒子の中で大きなものについては、 運動エネルギーは重心の並進運動以外に回転や振動なども入っています。

spinflip
質問者

お礼

ありがとうございます。 >>半実験的質量公式です。 >> d*(A-2Z)^2/A >>パウリ排他律に関する項です。 少なくとも、そういう項が存在している、ということが わかって大変安心しました (少なくともそれほど的外れな質問ではなかったようなので、、、) >>陽子と中性子の数が同じであればフェルミ準位もほぼ同じですが、 あ、そうですね。pとnとで別々の準位なわけですね。 数が違う場合は、一方がどんどん準位が上がるので結合が弱く なるわけですね。固体物理のE_Fのように「何かの距離の-2乗」という 表式になっていないのが少しわからないのですが、きっと、核小間距離 は殆ど一定で、定数となってしまい、どこか(d?)に繰り込まれている のでしょうね。 >>魔法数、、、 >>大きな原子核はかなり複雑なので 「核の問題は、複雑で泥臭い計算が沢山必要で難しい」 という専門家の方の話を伺ったことがありますが、 本当にそうなのですね。ありがとうございました。 今後ともよろしくお願いいたします。

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