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鉄・磁性について

hagiwara_mの回答

回答No.4

私の元々の専門は磁性ですが、このご質問が非常に根本的なものだけに、お答えは非常に難しいです。補足コメントだけでお許し下さい。 常温・常圧で、磁石に引かれる力を体感できる単体物質は、鉄、ニッケル、コバルト、そして(温度条件がぎりぎりですが)ガドリニウムです。 これらの元素で、電子のスピンが逆向きペアによって打消されずに残っているのは、最外殻ではなく、十分内殻にあるものです。最外殻の電子は、普通は物質中でとなりの原子と結合するときに逆向きペアをつくってしまいます。 打消されずに残った各原子のスピンの方向が、さらに、物質全体に渡って揃ったときに、はじめて磁石にくっつくような強い磁性を示します。この物質全体に渡ってスピンが揃う原因が、motsuanさんらがおっしゃる原子スピン間の交換相互作用、およびその協力現象として起こる相転移です。 ただ、これらの金属物質では、内殻電子といえども、ある一つの原子核の近くに捕らえられているとは限りません。結晶中を動く粒子として(量子力学的に)扱わねばならない側面があります。 何故限られた4元素だけが常温で永久磁石になるのか、のお答えにはなっていませんね。磁性の基礎には、まだ分かっていないところがある、、ということで、今回はお許し下さい。(^_^;

iwatekanegon
質問者

お礼

ご返事ありがとうございます。 (電子のスピンが逆向きペアによって打消されずに残っているのは、最外殻ではなく、十分内殻にあるものです。最外殻の電子は、普通は物質中でとなりの原子と結合するときに逆向きペアをつくってしまいます。) 周りの電子の特殊な条件で、内殻の電子スピンの向きがそろう特殊な金属が鉄などであると理解してよいのですか? 量子力学を、勉強すればよいのですか? よろしければ教えてください。 磁性の専門家の先生に教えをいただいて、大変うれしいです。

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