• ベストアンサー

鉄・磁性について

磁石にくっつく金属は、鉄・ニッケル・マンガン(不確かな記憶です)だけなことをずっと不思議に思ってました。 最近、それらの最も外側を回っている電子のスピンが同じ方向のため、磁性が発生することをしりました。 でも、何故それらの金属だけの電子スピンが同じ方向なのか、わかりまん。 調和のためには、逆スピンが適しているし?(←素人の表現なので適切ではないかもしれませんが) また、電子のスピンの方向は、どのような方法で分かるのですか? 誰か教えてください。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.5

補足いたします。 > 周りの電子の特殊な条件で、内殻の電子スピンの向きがそろう特殊な金属 > が鉄などであると理解してよいのですか? 原子にスピンが残ること自体はそれほど特殊でありません。原子中の電子にエネルギー順位があることはご存知と思います。このエネルギー順位が、内側の軌道から外側の軌道に向かって順に高くなるなら簡単なのですが、ある段階で、最外殻よりも内殻のエネルギー順位が低くなる状態が現われてきます。そのため、原子番号で区分したときのあるグループの原子は、原子核の正電荷を中和させるための電子の個数の調整が、内殻の方で起こることになります。このときは、スピンの半端が、結合にあずかる外殻電子とは別の所に生じるため、結合によってもスピンの半端が解消されず、原子固有のスピンが残る可能性が出てくるのです。こういうタイプの元素を遷移元素(金属)といいます。(金属にはそれ以外に、ナトリウムなどの典型金属もあります) ただ、ある大きさの原子固有のスピンが本当に現われ、さらに、これが磁石に引かれるほど強い磁性を引き起こすためには、まだまだ、何段階もの条件をクリヤーする必要があります。例えば、スピンの向きを揃える原因は交換相互作用と呼ばれる量子力学的効果ですが、これ一つにしても、物質の構造によって、同じ向きに揃える効果にも、反対向きにひっくり返す効果にも、容易に変わります。構成元素と、その結合機構と、物質の結晶構造、この全てがある非常にうまい条件を満たしたときだけ、強磁性体と呼ばれる磁石に引かれる強い磁性をもつ物質が実現するのです。(-としか私には言えません-) 量子力学から出発して物質の磁性にまで行き着くのは長大な道のりです。原子構造の入門的教科書、物理化学の本、磁性物理のテキスト、磁気工学の本等を併用して読まれるのがいいのではないでしょうか。

iwatekanegon
質問者

お礼

ミクロなお部屋 http://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/~hosoyama/chemical/index.html にて量子化学をあつかっていましたので、そちらで勉強し直すことにいたしました。 ご指導ありがとうございました。 また、何か解らない事があったときご回答お願いいたします。

その他の回答 (4)

回答No.4

私の元々の専門は磁性ですが、このご質問が非常に根本的なものだけに、お答えは非常に難しいです。補足コメントだけでお許し下さい。 常温・常圧で、磁石に引かれる力を体感できる単体物質は、鉄、ニッケル、コバルト、そして(温度条件がぎりぎりですが)ガドリニウムです。 これらの元素で、電子のスピンが逆向きペアによって打消されずに残っているのは、最外殻ではなく、十分内殻にあるものです。最外殻の電子は、普通は物質中でとなりの原子と結合するときに逆向きペアをつくってしまいます。 打消されずに残った各原子のスピンの方向が、さらに、物質全体に渡って揃ったときに、はじめて磁石にくっつくような強い磁性を示します。この物質全体に渡ってスピンが揃う原因が、motsuanさんらがおっしゃる原子スピン間の交換相互作用、およびその協力現象として起こる相転移です。 ただ、これらの金属物質では、内殻電子といえども、ある一つの原子核の近くに捕らえられているとは限りません。結晶中を動く粒子として(量子力学的に)扱わねばならない側面があります。 何故限られた4元素だけが常温で永久磁石になるのか、のお答えにはなっていませんね。磁性の基礎には、まだ分かっていないところがある、、ということで、今回はお許し下さい。(^_^;

iwatekanegon
質問者

お礼

ご返事ありがとうございます。 (電子のスピンが逆向きペアによって打消されずに残っているのは、最外殻ではなく、十分内殻にあるものです。最外殻の電子は、普通は物質中でとなりの原子と結合するときに逆向きペアをつくってしまいます。) 周りの電子の特殊な条件で、内殻の電子スピンの向きがそろう特殊な金属が鉄などであると理解してよいのですか? 量子力学を、勉強すればよいのですか? よろしければ教えてください。 磁性の専門家の先生に教えをいただいて、大変うれしいです。

  • motsuan
  • ベストアンサー率40% (54/135)
回答No.3

原子内において磁化が発生する原因は 原子内での電子間の電磁気力とパウリの排他原理により発生する交換相互作用が主な原因です。 パウリの排他原理によりスピンが異なると同じ軌道を回って電子間のクーロン斥力が大きくなるため、スピンの向きを揃える方向にしようとする力が交換相互作用です。原子によって違うのは、sやp軌道の場合には軌道角運動量が小さく(同じエネルギーでも原子核のまわりをゆっくり回って運動エネルギー小、原子核からのポテンシャルエネルギー大=原子核から遠くにある)原子核から離れて電子同士があまり近づきません。一方、d軌道やf軌道の場合は角運動量が大きく原子核の周りを速くくるくる回って、その分位置エネルギーの低い原子核に近い位置にいるために電子間の距離が近づいて、電子間のクーロン斥力が大きくなり、交換相互作用が大きくなります。したがって、遷移金属やランタノイドでは磁性がよく見られます。しかしながら、軌道が全部埋まっちゃった場合はスピンが違う向きにも電子を詰めていかなくてはいけないわけで、例えば、遷移金属でも銅は全部軌道が埋まっちゃっていて非磁性になっています(磁化の測定をするときに、ノイズにならないように銅線で固定したりします)。

iwatekanegon
質問者

お礼

ご返事ありがとうございます。 やっぱりパウリの排他原理が、理解できません。 素人の自分に解る言葉で、説明があればうれしいです。 磁性とは、なかなか難しい問題なのですね~

  • 11yuji
  • ベストアンサー率0% (0/2)
回答No.2

まず、遷移金属元素(鉄、ニッケルなど)の電子のスピンの向きがそろっている理由は、パウリの排他原理とフント則により、スピンの向きがそろっている方がエネルギー的に安定しているのです。 これにより磁気モーメントを持つようになります。 この磁気モーメントが外部磁場がない状態でそろっている(磁区がそろっている)ものを強磁性体と呼びます。磁石がそうですね。 これに対して外部磁場がない状態では磁区がばらばらなもので、磁場を与えるとそろう(磁石にくっつく)ものを常磁性体と呼びます。遷移金属がそうです。 電子のスピンの向きの測定方法は、スピン分解光電子分光法、スピン分解逆光電子分光法、MCD、PEEMなどがあります。 これはスピンの向きによって電子数が違うことを、円偏光を用いたりスピンの向きをそろえた電子線を用いたりして調べる分光法です。 こんな説明でどうでしょうか?

iwatekanegon
質問者

お礼

パウリの排他原理 一つの軌道には,スピンを異にして,電子は2つまで入ることができる. 原理とは,絶対的な規則である.一つの軌道に電子が3つ入ることはありえない. フントの規則 縮退している複数の軌道に電子が入るときは,まず,異なる軌道に分散する.フントの規則は,絶対的ではない. パウリとかフントとか知らないので調べてみました。 フントの規則は、なにを言ってるのか文章が理解できません。 これが理解できたら、もう少しボクにも磁性が理解できるのにな~ ご返事ありがとうございました。   

  • hatobou
  • ベストアンサー率0% (0/4)
回答No.1

磁石にするときに強力な電場をかけて粒子の 向きを同じにするからだそうです。 だから、磁場が重ね合わさって強力になるそ うです。 スピンの向きの調べ方は私はシュテラン=ゲ ルラッハの実験しか知りません。 不均一磁場に銀イオンを通過させてやると2 方向に分かれるのは、電子が下向きと上向き の2つを持っているからだそうです。 分かれる数をuでスピンをlとすると、 2l+1=u で、スピンは決定されるそうです。

iwatekanegon
質問者

お礼

ご返事ありがとうございます。 (磁石にするときに強力な電場をかけて粒子の 向きを同じにするからだそうです。) 金属なら、強力な磁場をかけたらみんな、電子のスピンの向きが同じに成るような気がして、そこが分からないのです。

関連するQ&A

  • 鉄は、なぜ磁石にくっつくの

    素朴な疑問です。 鉄、コバルト、ニッケル、ガドリニウムだけが磁石にくっつくと教わりました。 なぜ、これらの金属は磁石にくっつくのですか。 また、他の金属が磁石にくっつかないのはなぜですか。教えてください。 素粒子のスピンなど専門語や数式が入ってもよいですので、できるだけ詳しい解説をお願いします。

  • 磁性化しますか?

    Au、Ag、Cu、Pd、Gaが、単体または含まれる金属を、磁石の間に挟んで固定しようと考えています。 上記金属が磁石に対してどうなのか(くっつくのか) また、長期間磁性体に触れている場合に、上記金属は磁性化するのかどうかを教えてください。全くのド素人なのでわかりやすく説明していただけると幸いです。よろしくお願いします。

  • 機械・電子部品の磁性、否磁性について

    ある電気製品に使われている機械・電子部品に、磁性があるかどうか調べる必要があります。 使用部品は一般的なチップコンデンサ、チップ抵抗、フェライトコア、トランジスタ、ネジ、Niメッキされたコネクタ、アルミケース、Pbフリーハンダなどです。 フェライトコアは文字通り磁性体、ネジも鉄ビスであれば磁性体であることはわかるのですが、その他部品が磁性体なのかどうかを調べる方法がわかりません。 削って粉末にして磁石で調べればよいのでしょうか? その場合、試験用磁石の定義などあるのでしょうか? それとも成分から磁性体かどうか調べる方法があるのでしょうか? ※蛍光X線分析装置はあるので、金属素材に何が含まれているかを判別することは可能です。 過去質問投稿・回答も調べましたが、磁性にも強磁性、常磁性、反磁性等々あり、又、金属素材(元素レベル)に一般的に磁性体とされているものが含まれていても、素材状態では磁性体とはならない場合(オーステナイト系ステンレス?)もあるようなので、よくわからなくなってしまいました。 当方電気・電子・機械の知識は多少ありますが、磁性・素材に関しては素人です。 質問ばかりで申し訳ありませんが、どなたか詳しい方がいらっしゃったら御教示お願いします。

  • ニッケルとクロム合金(非磁性)の電子配置について

     ニッケル○%とクロム△%の合金が非磁性になると載っていました。ニッケル単体及びクロム単体の電子配置;1S^2 2S^~は、理解しているつもりです。スピンの入る順番、それぞれに入る数などは理解しています。強磁性になる意味も理解しています。しかし、なぜニッケル○%とクロム△%の合金が非磁性になるのか、わかりません。どんな電子配置になるか教えてください。

  • ニッケル○%とクロム△%の合金が非磁性になるのはニッケルークロム合金の電子配置はどういうふうになっているからですか?

    ニッケル○%とクロム△%の合金が非磁性になると載っていました。ニッケル単体及びクロム単体の電子配置;1S^2 2S^~は、理解しているつもりです。スピンの入る順番、それぞれに入る数などは理解しています。強磁性になる意味も理解しています。しかし、なぜニッケル○%とクロム△%の合金が非磁性になるのか、わかりません。どんな電子配置になるか教えてください。

  • オーステナイト系ステンレスを窒化したときの磁性に…

    オーステナイト系ステンレスを窒化したときの磁性について オーステナイト系ステンレスを窒化すると 磁化すると聞いたことがあります。 これは本当でしょうか? オーステナイト系ステンレスを窒化すると クロム窒化物を生成するため、 マトリックス中の固溶クロム濃度は低下します。 そうするとマトリックスは相対的に ニッケル濃度の高い鉄-ニッケル合金が 出来上がります。 鉄-ニッケル合金はオーステナイト組織で 強磁性体ではありません。 残念ながらCrN、Cr2Nの磁性については調べがついていませんが、 これらが強磁性体でないと仮定した場合、 窒化クロムを析出させればさせるほど、 マトリックスは安定なオーステナイトになり 強磁性ではありえません。 ところが冒頭のような話を聞いたため、 混乱しております。 SUS316のようなγが安定なSUSを窒化して 磁石にくっつけてみたことのある方いませんか? 実際にくっつきましたか?

  • 等核2原子分子の磁性について

    大学の問題で判らないものがあって困っています 酸素分子は磁石にひきつけられるが、窒素分子は磁石にひきつけられない。 この理由を分子軌道や電子配置などを使って説明せよ。 というものです 教科書を読むと、窒素では使わなかった電子軌道を酸素では使い、2つの電子スピンが平行になり磁性を示す、というようなことが書いてあるんですが、説明が短すぎて理解できません。 誰かわかりやすく説明してください。お願いいたします

  • 磁性とキュリー温度

    宿題で磁石や鉄について調べています。 調べていたら、「常温で強磁性をしめすものはFe,Co,Ni,ガドミウムである」と出てきましたが、つまり、他の不対電子がある原子はキュリー温度が低いので常温では常磁性だが、温度を下げれば強磁性をしめす、ということでしょうか...? 細かく学習したワケではなく、1から調べているので文章が変かも知れません...

  • 強磁性に外部磁場

    以前以下のような質問をしました。 >強磁性に外部磁場をかけると、スピンは外部磁場の逆向きになるという、記述があったのですが、>イメージできません。スピンは磁場方向を向くのではないのでしょうか?解説お願いします。 >もしかしたら情報がこれだけでは足りない、かもしれませんが、一般的な話で構いません。 この時以下のような回答を返していただきました。 >方位磁石で言えば外部から磁場を加えると反対向きますよね? >北側からN極を近づけるとクルって。 >そういうことです。(厳密には違うでしょうが) >ちなみに方位磁石のNが北を向くのは北極にS極、南極にN極に相当する磁極があるからです。 しかし、よく考えてみるとスピンは外部磁場の方向を向いたほうがエネルギー的に低いという E=-μH があるので、スピンは外部磁場方向を向くのが正しい気がするのですが、これはどう理解すればいいのでしょうか?

  • 鉄やニッケルのエネルギーバンドについて

    鉄やニッケルは金属状態では3d軌道がエネルギーバンドを形成しているという 記述が本に載っていたのですが,これは自由電子が金属中を動き回ることによって できるものなのでしょうか?