• ベストアンサー

簡単な質問で申し訳ないのですが・・・。

hagiwara_mの回答

回答No.4

大学で磁性についての基礎研究をしている者から、補足コメントいたします。 永久磁石であるか否かということと、磁石に引かれるか反発するかという性質は、区別して考えて下さい。 永久磁石になっている物体は、外部から磁場をかけなくても、それ自身が外部に(巨視的な)磁場をつくります。この状態は、強磁性体という種類に分類される物質が、キュリー点と呼ばれる各物質固有の温度点より低い温度におかれ、かつ物体内の微小な永久磁石領域(磁区)の方向が揃うような処理を受けた場合にだけ実現します。 一方、全ての物質は、その強さを別にすれば、必ず、外部から印加した磁場の勾配の正の方向または負の方向の何れかに向かう力を受けます。前者が「磁石に引かれる」タイプの磁性体で、全ての温度領域での、強磁性体、反強磁性体などが含まれます。後者の「磁石に反発する」タイプの磁性は反磁性と呼ばれます。反磁性体の中で圧倒的に強いのが超伝導体、そして、水やほとんどの有機物を含む大多数の物質は弱い反磁性体に分類されます。 「磁石に引かれる」タイプの磁性は、物質中の対をつくっていない電子個々のスピンという性質に由来します。このときは、物質中に、原子レベルの永久磁石が存在すると考えればいいでしょう。また、反磁性は、物質中の電子の運動状態が、(電磁気学の)ローレンツ力によって変化することにより生じます。運動する電子を含まない物質はありませんから、弱い反磁性は本来全ての物質に備わっています。しかし、スピンの効果はこの反磁性の効果に勝るので、その差額が「磁石に引かれる」タイプの磁性として現われてくるのです。 常磁性という言葉は、たいていの場合は、強磁性体や反強磁性体が十分高い温度におかれ、原子レベルの永久磁石の方向がばらばらの方向に乱れて運いている状態を指します。このような状態でも、外部から磁場をかければ、原子レベルの永久磁石はある程度揃うので、磁石に引かれるのです。(その他、「パウリの常磁性」など別の常磁性機構があるのですが、長くなりますので割愛します。) ただし、一般の方が普通に入手できる磁石の磁場はあまり強くありません。これを使って、引かれるか反発されるかが体感できるのは、キュリー点近傍ないしそれ以下の温度にある強磁性体(あるいは液体窒素が使えれば超伝導体も使えるが)の場合に限られます。ただし、このとき、その強磁性体は永久磁石になっている必要はありません。強磁性体の磁区構造は弱い磁場でも容易に動き、磁化されるからです。

ko-masa
質問者

補足

すごくよくわかりました。日常の現象がわかったような気がします。けれども磁性がない物質ってあるのですか?No1で磁性体じゃないと言われましたが。電子を持っているのだからどの物質も磁性はあると言ってはだめなのでしょうか?わかりやすい説明だったのでまた暇であれば教えてください。

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