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無権代理行為の追認

無権代理の効果を確定的に本人に帰属させる本人の追認権ですが、これは教科書などによれば単独行為であって、条件はつけられないとのことです。 勝手に代理人だと称して土地を売却した無権代理人がいたとします。相手方は善意であったが取消権は行使せず、本人が追認・追認拒絶をしないので、催告した。そうしたら、「土地の売買については問題ないが、価格が不満である。交渉したい。」との回答が返ってきた。 この場合、本人は追認したことになるのでしょうか。 法律用語にいう「条件」にも該当しないため、わからなくなりました。 本人は無権代理によって生じた効果を呑むか呑まないかの選択肢しかないということでしょうか? 私の疑問のように、売却価格だけ納得いかないといった場合はどうなるのでしょう。追認拒絶しても無過失だった場合は表見代理を主張されてはどうしようもないですし。 教えてください!

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  • air0001
  • ベストアンサー率88% (8/9)
回答No.3

まず一般論 確かに、単独行為には原則として条件はつけれません。 取引の相手方を不安定な立場に置いてしまうからです。 このような趣旨から、判例は、解除の意思表示において、相手方を特に不利益にするものでなければ条件をつけることも許されるとしています。 例えば、解除の条件が整っている場合に、「何月何日までに支払わなかったらそのまま解除する」といった相手方の行為を停止条件とする意思表示がこれにあたります。 これが、そのまま無権代理の追認にも該当するかどうかは忘れました。 さて本題 本事例においてですが、やはりこれも条件付だと思います。ただ、上に書いた一般論とは直接に関係がないので、あなたが違和感を感じてるのだと思います。 難しく考えずに、契約成立の一般原則にもどればいいのです。 無権代理の無効は、他の無効と違い、不確定的無効です。それゆえ、本人の追認があると遡及的に有効となるのです。 これがポイントで、不確定的ながら相手方の意思表示の効力が本人に及びますから、それに対して本人が土地の値段だけ交渉しようと返事することは、本人が追認の拒絶(申し込みの拒絶)をしたと同時に新たに相手方に対して契約の申し込みをしたということになります。(民法第528条) つまり相手方は、追認を拒絶されたうえで、本人との直接売買という新たな申し込みを受けたことになるのです。 民法第528条(申込みに変更を加えた承諾) 承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。

souhou
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 なるほど!新たな申し込みととらえるとスッキリします。相手方にとっては法的対応手段が一つ増えることになり、一部追認ととらえることによる不自然さが残りませんね。 一般原則にもどる大切さを感じました。ありがとうございました。

その他の回答 (3)

  • takkan39
  • ベストアンサー率40% (34/83)
回答No.4

>判例昭54.12.14では取り消しに関する民法125条の類推適用は不可とありますが、この点はいかがでしょうか。 その通りですね。 私の知識不足です。重要な判例と思います。 逆に教えられてしまいました・・・ 改めて考えてみましたが、わたしも 不確定無効のair0001さんに一票です。

souhou
質問者

お礼

再度の回答、大変恐れ入ります。 おかげさまで疑問を解決することができました。 ありがとうございました!

回答No.2

疑問を解消できる回答になるかどうかわかりませんが、答えてみます。 >この場合、本人は追認したことになるのでしょうか。 ならないと思います。 質問文の、「土地の売買については問題ないが、価格が不満である。交渉したい。」という本人の回答は、条件をつけたものではありません。そうすると、追認として有効だと思ってしまいそうです。 でもこれは、代理行為の一部のみを追認するものだと思います。すなわち、売買する点については追認するが、価格については追認拒絶するというものだと思うのです。 この点、代理行為の一部のみ追認することができるかどうか、明示してある教科書が見当たりませんでしたが、一部のみの追認はできないと思います。 質問文では、売買契約は代金と目的物がセットで有効性が問題となるはずです(555条参照)。売主は、土地を引き渡さなければならないが、価格は交渉によるというのは不自然です。 >本人は無権代理によって生じた効果を呑むか呑まないかの選択肢しかないということでしょうか そう思います。質問文のように価格を交渉したいなら、追認拒絶後、再度交渉すべきです。 >追認拒絶しても無過失だった場合は表見代理を主張されてはどうしようもないですし。 このことと今回の問題のつながりが不明です。 本人がどれだけ納得していなくとも、相手方が善意無過失なら表見代理が成立するのではないですか。本人の保護より取引の安全が優ったにすぎません。

souhou
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 私も一部追認の記述は教科書を見ても確認がとれませんでした。おっしゃるとおり、これを認めると不自然な状態となってしまいますね。 表見代理の話を持ち出したのは、もし、呑むか呑まないかしか催告に対する回答の選択肢がないのなら、価格交渉するために追認拒絶する必要があり、表見代理を主張されては交渉の余地もなくなると考えたからでした。 確かに本人がどんなに納得していなくとも、取引の安全の保護が優先されるにすぎませんね。本人の立場を重点的にとらえすぎていました。私の勉強不足です。

  • takkan39
  • ベストアンサー率40% (34/83)
回答No.1

ご質問の本人の回答は、異議を留めた承認になり この異議のない部分について法律効果を帰属させる意思の表れと取ることができるかと思います。(民法125条但書き) 単独行為で条件がつけれないとしているのは 停止条件などのことではないでしょうか? 例えば、半年後に追認する停止条件とか。

souhou
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 判例昭54.12.14では取り消しに関する民法125条の類推適用は不可とありますが、この点はいかがでしょうか。 私が申し上げた「条件」というのは、停止条件などのことです。

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