• ベストアンサー
※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:複素数の超伝導ギャップ?)

超伝導ギャップの複素数性についての直感的な意味とは?

siegmundの回答

  • ベストアンサー
  • siegmund
  • ベストアンサー率64% (701/1090)
回答No.1

> 以前、グリーン関数の虚部が状態密度になるという他の人の > 質問で、1/x=P(1/x)-iπδ(x) > という明快な解答があり、ものすごく感動しました こりゃ私の回答のことらしい. 他の方にもお役に立ったようで,よかった. さて,どういう話をすればよいのか,ちょっと迷うところです. ○ ギャップΔは,例えば励起スペクトルに √(ε(k)^2 + |Δ|^2) の形で 現れますから,単に位相因子 exp(iθ) をつける(虚部が出ますね) こと自体は問題がありません. 測定できる物理量は励起スペクトルなどから計算されますので, 結果に出てくるのは生のΔではなくて|Δ|になり,位相部分は表面には現れません. > エネルギーとか振動数の虚部だと、エネルギー準位の寿命幅で、 >「準位のぼけ」かなあ、となんとなく納得できるのですが、 ○ エネルギーに虚部があれば,フーリエ変換して時間の関数にしたとき exp(iEt - λt) の形になって,準位の寿命になるというわけですね. 温度グリーン関数で言いますと,分母にエネルギーが入っていて, それに虚部がついた形になっています. 超伝導のギャップはちょっと話が違い, グリーン関数の分母に √(ε(k)^2 + |Δ|^2) が含まれる形になっています. そういうわけで,準位の寿命を与える形にはなりません. 南部表示の2行2列のグリーン関数 (G,F, F*, -G) で書きますと, 分母に生のΔが出るように見えるのですが, 逆行列の計算のときにちゃんと √(ε(k)^2 + |Δ|^2) になるようになっています. ○ ギャップは本質的に凝縮電子対の波動関数というのを多分ご存知でしょう. それなら,波動関数の位相は任意に選べることを考えれば納得が行くんじゃ ないでしょうか. 例えば,波動関数が ψ(n) の状態のエネルギーは ∫ψ(n)^* H ψ(n) dv ですから,位相因子は消えてしまいます. あれ,ψ(n)^* と ψ(m) だったら? ハミルトニアン自体だったら直交関係から積分値は残りませんが, 摂動でもかかっていたら ∫ψ(n)^* H' ψ(m) dv = <n|H'|m> なんてのがありますね. 位相因子が勝手でいいの? n とm が違うなら位相因子が消えないよ. 別に構いません. 遷移確率には絶対値 |<n|H'|m>| しか現れませんから! ○ 位相をどう選んでもいいのは普通の波動でも同じです. exp(ikx - iωt) などとよく書きますが,位相をつけて exp(ikx - iωt + iα) で構わないわけです. ○ 位相は全く意味がないかといいますと,そうではありません. 光の干渉のときは位相(正確には位相差)が大事でした. 超伝導体ではそういうことはないのか? バルクな超伝導体では位相をそろえようとする作用が強く(位相コヒーレンス), 簡単には位相が変化しません. 2つの超伝導体を弱く結合させた(細~いブリッジなど)ときはこの作用が弱く, 位相差が生じます. この位相差によっていろいろな効果が起きます. これがジョセフソン効果です. ○ 位相の問題は,磁束量子化とも深い関係があります. 次々話題を広げてゆくと,超伝導のテキストになっちゃいますので, ここらでおしまいにします. > どれも「温度グリーン関数をしっかり勉強してから出直して来い!」 > という説明で、 追い払われてしまいました、、、、。 そうですね~,温度グリーン関数は超伝導の計算に欠かせないようですから, 仕方がありませんかな. 大分古いですが,de Gennes のテキスト (Superconductivity of Metals and Alloys)はあからさまに温度グリーン関数を 使っていないテキストです. 日本語訳も出ています. この de Gennes は液晶の研究で1991年ノーベル物理学賞を受けた人です.

spinflip
質問者

お礼

もう一度、回答と状態密度の表式の由来を読み直して気が付きました。 すみません。 >>南部表示の2行2列のグリーン関数 (G,F, F*, -G) で書きますと, >>分母に生のΔが出るように見えるのですが, >>逆行列の計算のときにちゃんと √(ε(k)^2 + |Δ|^2) になる ということで、やはり位相というわけですね。入門書によっては、 虚部は、クーパー対がフォノンを吐いて消滅する時間、と書いて ある本もあったので、ちょっと気になったのですが、やはり位相という ことで納得いたしました。 ありがとうございました。 got

spinflip
質問者

補足

ありがとうございます。 ともかくde Gennesは読み直そうと思っております。 それから、全部|Δ|^2になるから問題ない、とのことですが、 状態密度D(ω)を計算しようとすると、とたんに、 D(ω)=πN(0)Re[|ω|/√(ω^2-Δ^2)] となって、Δそのものが入ってきます(N(0)は弱結合のDOS)。 これは位相干渉効果とは思えませんから、単に波動関数 の位相と同じ、と言い切れるのでしょうか。 (私が温度グリーン関数を知らないばっかりにご迷惑を おかけして申し訳ありません、、、。最近、川村先生の「統計物理」 を読んで、やっと、繰り込み群が何であるか少しわかったところです。 道は遠いですが、このようなwebをみつけて何とか前に進めそうな 気がしてきております。今後ともよろしくお願いいたします)。

関連するQ&A

  • 超伝導について

    間違って科学の方で質問してしまったんですが なぜ超伝導体と絶縁体は同じように エネルギーギャップのなかにフェルミ準位があるのに 一方は電気抵抗が0で他方は非常に高いのでしょうか? ぜひ教えてください よろしくおねがいします

  • 複素関数について

    1/(x-a)の値をi*sを導入してsを0にする極限をとると、      P{1/(x-a)}-iπδ(x-a) となります。計算過程はいいのですが、直感的になぜ元の関数は実関数でsも0にしているのに計算結果が虚部を持っているのかが理解できません。 定性的に理解したいのですが、どなたか教えてください。

  • 超伝導体と絶縁体の違いについて

    なぜ超伝導体と絶縁体は同じように エネルギーギャップのなかにフェルミ準位があるのに 一方は電気抵抗が0で他方は非常に高いのでしょうか? 実験のレポートでここだけが分かりません ぜひ教えてください よろしくおねがいします

  • 真性半導体のバンドギャップの求め方がわかりません

    真性半導体の電気伝導率の温度依存性がexp(-Ea/(kT))で、電子の状態密度有効質量が正孔の状態密度有効質量の2倍の時のエネルギーバンドギャップを求めるにはどうしたらよいでしょうか。

  • バンドギャップについて

    バンドギャップを持つ半導体(絶縁体)を考えたとき、そのバンドギャップが現れる基本的な理由は、次の中でどれが一番近いのでしょうか? ただし、磁性半導体(絶縁体)は考えないでください。 また、出発点としては自由電子近似は使わず、局在した電子状態を考えてください。 1.伝導バンドと価電子バンドを形成する軌道のエネルギーが元々異なるから(例えば3sと3pのように)。 2.隣接原子同士が接近することで互いの軌道が重なり、結合軌道と反結合軌道に分かれるから。 3.1と2のどちらもありうる。 4.その他。 初めは2だと思っており、結合軌道から価電子バンドが、反結合軌道から伝導バンドがそれぞれ作られるのではないかと思っていました。 しかし、参考URLの2章にもあるように、2つの水素原子を考えると結合軌道と反結合軌道にエネルギー2t(t:移動積分)だけ分かれますが、3つ、4つと原子数を増やしていくとこのエネルギーはどんどん小さくなり、十分大きなN原子にまでなると、連続的になってしまいます。 つまり、エネルギーギャップがなくなってしまうと思うのです。 それで2は違うのかなと思いつつ色々考えたのですが分からず、質問させていただいた次第です。 それではよろしくお願いいたします。 参考URL:http://www.f.waseda.jp/terra/pdf/ceramics.pdf

  • フェミニー準位などの用語の意味

    もうすぐ大学の後期試験があり、「この用語の意味を100字程度で説明せよ」という問題があるらしく、自分でいくつかピックアップして調べてまとめてみたのですが、説明が短すぎたり、分からない用語があったりします。チェック(補足・修正)してもらえませんか? ・フェミニー準位・・・低いエネルギーの順につまっていく電子の中で最も高エネルギーにある電子のエネルギー準位 ・仕事関数・・・真空準位(E=0)-フェミニー準位 ・トンネル効果・・・電子の波動性により、壁などを通過することができる ・移動度・・・単位電界あたりの電子の移動速度で、電子の動きやすさの指標 ・電気伝導率(導電率)・・・単位電界あたりの電流密度で、電流の流れやすさの指標 ・空乏層・・・キャリアの存在しない領域で、電子・正孔に対する障壁 ・電子波の群速度・・・分かりません ・交流の実効値・・・分かりません ・(伝導帯もしくは価電子帯の)有効状態密度・・・分かりません

  • バンドギャップについて質問です

    吸収スペクトルからバンドギャップ求める方法で, 吸収係数の2乗を縦軸に,フォトエネルギーを横軸にとると 2次関数のようなグラフになり,その2次関数の接線を取り, x軸との交点がバンドギャップエネルギ-ですが, なぜ接線をとるのでしょうか? ご回答の程,宜しくお願い致します。

  • 不純物半導体の真空準位について

    いまさらの質問なのですが、、 P型半導体とN型半導体を接合するとバンドが曲がりますよね? フェルミ準位を合わせるようにキャリアが移動するためなのは理解できます。 そうすると、外部電界が印加されていない状態では、真空準位からフェルミ準位までのエネルギーは変わらないと思いますので、P型とN型では真空準位から伝導帯端までのエネルギーが異なるということでしょうか? この理解は合っていますか?だとするとそれは何故なのでしょうか?同じSiの結晶構造なのに、ポテンシャルがずれるのでしょうか?

  • (有機)半導体中におけるFermi準位

    Fermi準位とは、電子のとっている最も浅い準位の目安のように捕らえています。(金属では仕事関数値、半導体などでは平均値) そこで質問なんですが、半導体では熱励起などによって、伝導体にも電子があるので禁制帯中にFermi準位があるのは分かるのですが、有機物などにおける十分に禁制帯幅が広い物質(ドープされていない有機物)などは、金属のように仕事関数とFermi準位は一致するのでしょうか??つまりHOMO準位がイオン化エネルギーとなるのでしょうか?? よろしくお願い致します。

  • 自発的対称性がある模型での真空期待値

    自己相互作用するスカラー場のラグランジアン密度   L = (1/2)∂φ∂φ - (λ/4)(φ^2 - v^2)^2 を考えます。ポテンシャルエネルギーはφ=v で最小になるので真空期待値は  <φ> = v になると通常説明されています。しかし私はこれに納得できません。ハミルトニアンが   H = (1/2m)p^2 - (λ/4)(x^2 - v^2)^2 のシュレーディンガー方程式を考えると基底状態での座標の期待値は <x> = v になどなりません。いうまでもなく<x> = 0 です( <x^2> ≒ v^2 は成り立つと思いますが)。障壁の透過を準古典的に考慮すると透過がない場合のエネルギー準位は分裂し、そのエネルギー差は(プランク定数を1として)   E1 - E2 = (ω/π)exp(- ∫ |p|dx) で与えられます。場の理論においても<φ> = v ではなく<φ> = 0, <φ^2> = v^2 そして基底状態のすぐ近くにパリティの異なる別の準位があるという前提から出発するべきではないでしょうか。またこのときGoldstoneの定理が変更を受けたりしないでしょうか