太陽の放射についての疑問点と解説

このQ&Aのポイント
  • 太陽の放射についての疑問点と解説をまとめました。
  • 磁力線の形や荷電粒子が流出しやすい理由について解説します。
  • 磁界が押し曲げられる仕組みやバンアレン帯の成り立ちについて解説します。
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太陽の放射

太陽の放射について、いくつか疑問点があります。 テキスト文字だけだとなかなかしんどい面がありますが、よろしければ教えていただけないでしょうか。 (1)コロナホールの部分が地球に向くと、太陽風が強くなる。このことから、コロナホールは、磁力線が外に開いた形になっている部分で、荷電粒子の流出しやすい部分であると考えられている。 この解説についてなんですが、どうして磁力線の形や荷電粒子が流出しやすいことまでわかるんでしょうか? (2)太陽風の粒子は、太陽のコロナの部分の物質が200万Kの高温で、高速の熱運動をしていることにより、太陽の重力を振り切って流れ出してきたものである。この帯電粒子の流れは、太陽の強い磁気を包み込むようにして地球へもたらされるので、地球磁界は押し曲げられるが、地表6万km以内では強い地磁気の作用で、荷電粒子の流れが変えられ、地表への直接の影響はない。 磁界が押し曲げられる仕組みがどうも理解できないです。どうしてなんでしょうか? http://www.stp.isas.ac.jp/geotail/science/chap4.html 磁界の図はこのサイトの上から3番目の図です。 (3)バンアレン帯についてです。地上約4000kmの高さにある内帯には高速の陽子と電子が多く、地上約2万kmの高さにある外帯には高速の電子が目立つ。陽子や電子は帯電しているので、地球の磁力線に巻きついて南北両半球の間を往復すると同時に、陽子は地球のまわりを西向きに、陽子は東向きに移動していくので、地球を囲む帯ができるのである。 この「西向き」とか「東向き」って、どういう仕組みで決まるのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

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  • shkwta
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回答No.1

(1)ローレンツ力  磁界の中を、荷電粒子が運動すると、力を受ける現象です。この力は、粒子の運動方向と、磁界の双方に対して垂直です。力の向きは、フレミングの左手の法則で表わされます。(左手の親指が力、人差し指が磁界、中指が電流[正電荷の場合は運動方向に一致、負電荷の場合は運動方向の正反対])  力の大きさは、磁束密度と粒子の速度に比例します。また、粒子の運動方向と磁界の方向とがなす角θの正弦(sin θ)に比例します。  F = qv×B F:力, q:電荷, v:速度, B:磁束密度 F,v,Bはベクトル、×はベクトルの外積 (2)アンペールの法則  電流の周りには磁界が生じるという法則です。電流の方向にむかって見たとき、電流の周りに時計回りの磁界が生じます。磁界の強さは、電流に比例し、電流からの距離に反比例します。 (3)コロナホール (参考) http://www8.ocn.ne.jp/~yohsuke/mag_storm_1.htm http://swdcft49.kugi.kyoto-u.ac.jp/sgeweb/kyoiku/II-01/corohole.html コロナホールは、太陽表面に存在する磁極で、ここから磁力線が出ている(またはここに磁力線が入る)場所です。荷電粒子の運動方向と、磁界の方向が一致するときは、(1)のsinθが0になるため、荷電粒子は磁界から力を受けません。したがって、荷電粒子はまっすぐ進めます。一方、荷電粒子が磁界を横切るときは、力を受けて《磁力線に巻きつくような》らせん運動をします。いずれにしても、荷電粒子は全体として磁力線に沿って進みます。コロナホールでは磁力線が太陽から遠方に向かっているため、荷電粒子が飛び出しやすい場所になります。 (4)地球周辺の磁界  地球は、北極付近がS極、南極付近がN極となる磁石です。磁界は、N極から出発してS極に向かう磁力線で表わされます。  太陽風が無ければ、南極から北極に向かう磁力線が地球のまわりを取り巻いているだけです。ここに太陽からの荷電粒子がやってくると、地球周辺の磁界によって運動方向が曲げられます。  いま、太陽から地球を見ているとします。また、地球は北極が上になるように見るとします。  太陽風中の荷電粒子には正電荷のものと負電荷のものがあります。正電荷の粒子は、地球付近を通ると、磁界により右向きのローレンツ力を受け、右に曲がります(磁界は下から上、電流は手前から前方への方向。よって、フレミングの左手の法則により、力は右向き。)。負電荷の粒子は、地球付近を通ると、磁界により左向きのローレンツ力を受け、左に曲がります。  したがって、地球の後方では、正電荷が右、負電荷が左にかたよって進むため、左から右への電流が流れていることになります。この電流は、磁界を生みます。このときできる磁界は、北極側では向こうから手前、南極側では手前から向こうに向かう磁力線になります。この、新しくできた磁界を元の地球の磁界に重ねると、《磁力線が、太陽と反対側に尾のように長く引き延ばされた形》になります。  このように、元の磁界を荷電粒子の流れが横切ると電流が発生し、磁力線を《吹き流すかのような》作用が現れます。 (参考) http://www8.ocn.ne.jp/~yohsuke/mag_storm_6.htm (5)荷電粒子の東向きと西向き  これもローレンツ力で理解できます。荷電粒子が地球を周回するためには、ローレンツ力が地球の方向を向いて、遠心力とつりあわなければなりません。  正電荷を持つ粒子では、西回り(北極から見て時計回り)に周回するときに、ローレンツ力が地球の方向を向きます。負電荷を持つ粒子では、東回りに周回するときに、ローレンツ力が地球の方向を向きます。  以上、初歩的な電磁気学で説明してみました。以前、NICTで観測の様子を見学しましたが、実際の地球周辺の磁界や荷電粒子の流れは常に複雑な変化をしているそうです。そうした話になると、太陽観測の専門家をお待ちしなければならないでしょう。

msndance
質問者

お礼

ものすごいわかりやすい説明でした!shkwtaさんの回答を読むと同時に3次元の磁場がムクムクと沸いてくる感じがしました! ありがとうございます!

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