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搬送波に正弦波が用いられる理由
最近通信について勉強を始めたものです。 通信や放送には搬送波に正弦波が用いられますが、そもそもなぜ正弦波が利用されるのでしょうか? 方形波などのほかの波ではいけない理由でもあるのでしょうか? よろしくおねがいします。
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(1)周波数による分離の容易さ。 異なる周波数の正弦波を混合した電気信号は、同調回路(たとえば、コイルとコンデンサを並列に接続した回路)によって容易に各周波数に分離できます。膨大な数の無線通信・放送が行われていても混乱が起こらないのはこのためです。方形波等でも、ディジタル通信のように何らかの約束(先頭にID番号を入れるなど)を決めて複数の信号を同時に送ることができますが、それは別種の技術であり、はるかに複雑なことになります。 (2)伝送路と波形の問題。 電波やケーブルでの電気信号の送信では必ず信号の減衰を伴いますが、単一の正弦波であれば、受信時の振幅が送信時の振幅に比例するという線形性があります。また、単一の正弦波であれば、伝播速度が一定になります。ところが、周波数の異なる正弦波は、一般に損失や伝播速度、位相特性が異なります。 方形波など任意の周期波形は、多数の正弦波の重ねあわせとして数学的に表わされます(フーリエ変換といいます)。これら多数の正弦波が、それぞれ異なった損失、速度、位相で伝わるため、方形波は進むにつれて波形が崩れていきます。 (3)アンテナ、増幅器の問題 アンテナや増幅器の利得や位相も、伝送路と同様に、単一の正弦波に対しては一定となりますが、周波数の異なる正弦波の利得・位相は一般に異なります。上記のように方形波等は多数の正弦波の重ねあわせであるため、その波形を正確に再現するには広帯域で一定の特性にしなければならず、至難の技となります。 (4)混信の問題。 上記のように方形波等は多数の正弦波の重ねあわせであるため、仮に方形波による無線送信が行われたとすると広い周波数範囲にわたって混信を生じます。このような行為はもちろん許されません。
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- ymmasayan
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方形波が一番綺麗な波だと思われがちですが、電気的(数学的)に言うと非常に汚い波です。 実は電気的(数学的)には正弦波が一番綺麗な基本的な波なのです。 方形波を搬送波にすると沢山の高調波が発射されてしまい、 放送局が1つしか作れなくなります。 分りやすい図があるのですがpdfファイルです。 Googleで「方形波 複素スペクトル EXCEL」で検索してご覧下さい。図1です。 基本の正弦波に3,5,7次高調波を合成すると方形波に近づく様子が良くわかります。 このように方形波は無限の高調波を含んでいます。
方形波も所詮は基本周波の正弦波に高調波の正弦波を重畳させたものと言えます。 高調波は他の周波数帯に影響を及ぼすので好ましくありません。 それに、発振回路で生ずる高周波は正弦波ですから、わざわざ方形波を作る必要がないと思いますね。
- SCNK
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スペクトラムが狭く、エネルギー上効率良く、なおかつ帯域幅が狭くてすむからです。 方形波などは、多くの高調波を含んでいますし、実際、信号が歪んだりして都合が悪いものです。 ただし色々な信号で変調をしますので、変調後の波は、どうしても崩れますし、スペクトラムも広がります。
お礼
皆さん具体的でわかりやすい回答本当にありがとうございました! これからこの分野について色々勉強していきたいと思います。