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ゲノム地図とマーカーとは?
- ゲノム地図とは、疾患遺伝子を同定する際に使用されるマーカーをたどって領域の配列を決定する方法です。
- マーカーとしては、VNTRやマイクロサテライト、SNPsなどが使用されます。
- マーカーはゲノムライブラリーによってゲノムの配列が分かった後でマッピングされ、使用されるようになります。
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質問者が選んだベストアンサー
もちろん、ヒトゲノム情報は、飛躍的・加速度的に増えてきましたから、いまでは、物理マップのされていない多型マーカーを使うことはまず考えられないです。ただ、質問者の方は、歴史的なことを尋ねていらっしゃるようでしたので、genome age以前から行われていたことを指摘したまでです。 補足すると、SNPsマッピングなんかは、完全にゲノム配列ベースの技術なので、genome age以降です。RFLPやマイクロサテライトのタイピングはサザンハイブリダイゼーションでやっていたのもですが、そういう多型マーカーの物理マップをする方法としては、そのプローブでFISHをしたり、ゲノムの各領域を代表するBACやCosmidクローンのコレクション(contig clones)にたいしてハイブリをしてみるなどがあります。 >ヒトの場合困難ですよね 個人や小さい研究室でやるのは、そりゃ、困難でしょう。 でも、現実そういうことをやっているのは、お金も人材もある大きな組織ですから。検体を集めるのも、調査・解析するのもおおがかりですから。 > そこで、連鎖不平衡解析といった手法が行われているようですが 連鎖不平衡解析という決まったフォーマットがあるというのは知りません。ひょっとして、QTL解析のことでしょうか。いずれにしても、目指すところが微妙にちがっているようにおもいますが(多遺伝子の相互作用で現れる現象について、それらの因子がそれぞれどこにあるかというような)。
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- plantseed
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うーん、どちらも正解なのでは?と思いますが。 もちろん連鎖解析で遺伝地図上にマップするというのが従来のやり方でしょうけど、ゲノム解読が終わった現在なら物理地図ベースのほうがより正確だと思いますよ。 私は植物相手なもので連鎖解析は割合簡単なのですが、ヒトの場合困難ですよね。 そこで、連鎖不平衡解析といった手法が行われているようですが、実際この解析手法はどう行うのでしょうか? 植物でも集団作出および維持管理が困難なものでの解析を考えております。 なにかわかりやすい参考図書などあればおしえていただけないでしょうか。 便乗質問になって申しわけありませんが、せっかく専門家の方が回答されていらっしゃるようなので。
お礼
お答えいただきありがとうございます。 おっしゃるとおり、ゲノム配列がほぼ明らかになった生物種については配列にもとづいて正確にマーカをマッピングをしなければゲノムシーケンスの意味がありません。ただ、それらの配列がわからない時代の手法について知りたかったのですが・・。とにかくご回答ありがとうございました。
- plantseed
- ベストアンサー率0% (0/2)
うーん、どちらも正解なのでは?と思いますが。 もちろん連鎖解析で遺伝地図上にマップするというのが従来のやり方でしょうけど、ゲノム解読が終わった現在なら物理地図ベースのほうがより正確だと思いますよ。 私は植物相手なもので連鎖解析は割合簡単なのですが、ヒトの場合困難ですよね。 で、連鎖不平衡解析なんてものが行われているとおもうのですが、実際この解析手法はうまくいくものなのでしょうか? ちょっと植物で解析することを最近考えておりまして。集団作出が困難なものとかで。 なにかわかりやすい参考図書などあればおしえていただきたいのですが。便乗質問になって申しわけありませんが、専門家の方が回答されていらっしゃるようなので。
- geneticist12
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>これらのマーカーはゲノムライブラリーによってゲノムの配列がある程度分かった後でマッピングされ、用いられるようになったと考えて良いのでしょうか? 結論から言うと、それは正しくありません。 家系調査、連鎖解析などから、原因遺伝子と連鎖度の高いマーカーを見つけ、診断に利用するという方法は、ゲノム配列情報や、クローニングされ同定された遺伝子があまりない時代から行われていました。 それは、 とにかく多型マーカをできるだけたくさん見つけておきます。 その上で、多くの患者や、家系について、各マーカのタイピングを行います。そして、問題の表現型(病気)と各マーカとの連鎖度を統計的に調べます(連鎖解析)。とにかく、連鎖度の高いマーカをみつければ染色体のどの位置にあるかとか、どの遺伝子由来だとかは、とりあえず置いておいても良いわけです。逆に、さらに連鎖度の高いマーカを探すとか、原因遺伝子をマッピング、クローニングするとかは、そういう解析の結果を踏まえて、追い詰めていったのです。 ひところ(1980年代)、NIHのポスドク仕事として、いかにたくさん多型マーカをみつけ、またためしてみて、特定の遺伝病と連鎖度の高いものを見つけるという、「犬も歩けば棒にあたる」的な仕事が、ずいぶんはやってたみたいですよ(運の悪い人は、いくらがんばっても成果があげられない、、、、)。
お礼
親切なご回答ありがとうございました。 geneticist12さんのような博識な方がいらっしゃると大変助かります。歴史的にゲノム地図よりマーカーが先行していることが分かりました。現在利用できる技術や情報は多くありますが、それらを理解した上で背景まで知りたいという素人の私に答えてくれる方はなかなかいません。本当にありがとうございます。 私の理解力不足なのかもしれませんが、初期の多型マーカーはやはり制限酵素によるRFLPパターンで見つけ、タイピングしてきたのでしょうか?基本事項で申し訳ありませんが、お時間ありましたら教えて下さい。
お礼
haru84です。 ゲノムとマーカーの関係や利用の経緯、新規遺伝子の同定に関して詳しく説明していただいたおかげで、これらの用語についての理解を深めることができました。正にこれこそ私が求めていた回答です!親切にお答えいただきありがとうございました。 分子生物学分野の実験はキット化されたものもあり、操作も比較的簡便な場合が見受けられますが、その背景にある理論や歴史が大切と考えています。そういった意味で大変参考になる回答を頂きました。ありがとうございました。