蒸気による火傷の被害はなぜ沸騰する湯よりも大きいのか?

このQ&Aのポイント
  • 蒸気による火傷の被害が沸騰する湯による火傷よりも大きい理由は、蒸気が液化する際に放出される熱エネルギーが多いためです。1gの蒸気が液化する際に放出される熱エネルギーは540calであり、同じ温度の沸騰する湯の場合は100calです。
  • 蒸気と湯は分子の運動エネルギーが同じですが、蒸気は水分子の振動および回転状態により多くのポテンシャルエネルギーを持っています。そのため、蒸気の方が火傷の被害が大きいのです。
  • 具体的な理論的な解説を学ぶためには物理の知識が必要ですが、初めて学ぶ方には『物理の基礎』『熱と力学』などの教科書や、物理の基礎をわかりやすく解説しているウェブサイトを参考にすると良いでしょう。また、医学書や医療情報サイトでも火傷や蒸気の影響についての情報が得られます。
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蒸気による火傷について

「蒸気による火傷は同じ温度の沸騰する湯によるものより被害が大きいのはなぜか?」ということについて考えています。 調べてみたら、 「蒸気1gにつき液化の時に放出される熱エネルギーは540calになるが、沸騰する湯の場合は100calなので、火傷の被害としては蒸気の方が大きくなる。」 ということに落ち着きそうです。 ところが私にはなぜそれが言えるのかがよくわかりません。 「分子の運動エネルギーの点では100度の蒸気も湯も変わりないが、蒸気の方が水分子の振動および回転状態としてより多くのポテンシャルエネルギーを持っているから。」ということが説明にあったのですが、これもどうしても理解できません。 できれば自分で調べたいのですが、どんな本やHPを見ていいかも分からないのでそれも合わせてアドバイスしていただけるととても嬉しいです。 ちなみに物理の知識はほとんどないといっていい状態になってしまっています。 どうぞよろしくお願いいたします。

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  • siegmund
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回答No.1

物理屋の siegmund です. > 蒸気1gにつき液化の時に放出される熱エネルギーは540calになるが、 > 沸騰する湯の場合は100calなので がちょっと変です. 100℃の沸騰水 1g と 100℃の水蒸気 1g のエネルギー差が 540 cal です. 100 cal は,沸騰水と 0℃の水とのエネルギー差です. 細かいことは別にして,水 1g を 1℃ 上げるのに必要な熱が 1 cal です. 同じ水でも,液体と気体とでは水分子の結合状態が違います. 液体では結合していますし,気体ではほとんどバラバラです. 結合状態が違えば結合に関するエネルギーも違います. そのエネルギーの違いの分が上の 1g あたり 540 cal です. こういうエネルギーを潜熱と呼んでいます. 100℃の水蒸気が 100℃の水になるためには 1g あたり 540 cal を放出しないといけません. この熱エネルギーで火傷がひどくなるという話なのでしょう. 冬のボイラー暖房もこの熱を利用しています. 逆に,100℃の水が 100℃の水蒸気になるためには 1g あたり 540 cal を受け取らないといけません. ガスにかけたやかんの話ですと,ガスの炎から熱を受け取っていることになります. 潜熱は 0℃の氷と 0℃の水の間にもあります. こちらは 1g あたり 80 cal. 0℃の氷が融けるには周囲から 1g あたり 80 cal の熱を吸収する必要があります. したがって,氷を浮かべたジュースは熱を吸収されて冷えるわけです. 火傷関係は素人ですが,潜熱の他に以下のようなことを考慮する必要があるように思います. ○ ボイラーの蒸気などは高圧になっていますので,温度は 100℃より上です. ○ 蒸気と沸騰水では密度が違います. ○ 蒸気は見えにくいので,うっかり火傷しやすい(ひどさには関係ないですか). ○ 皮膚と蒸気あるいは沸騰水との間の熱伝達の割合も考慮に入れる必要がありそうです.

aspirin
質問者

お礼

早速お答えくださってありがとうございました。 「潜熱」についてよくわかりました。沸騰する湯の(が液化する時に放出する)熱エネルギーが100calというのはおかしな話なのですね。 「熱伝達の割合」というヒントをいただいたので次にそちらの方から攻めてみたいと思います。いいヒントをありがとうございました。

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