• ベストアンサー

イオン化傾向の実例について

高校の化学でイオン化傾向を習いますよね。 この時、コラムなどで書いてある話があります。 「タンカーの船底に、船の外壁の金属より、 イオン化傾向の多い金属の塊を付けておく。 すると、その金属の塊がまず海水と反応するので 海水による外壁の浸食を防ぐことが出来る」 こんな話を、読んだ覚えがあります。 実は、この話で疑問に思っていることがあるのです。 どうしてこのようなことが可能なのか? 例えばタンカーの端から、船底の金属の塊まで100mあるとします。 人間の目から見ると、100m先に鉄(外壁)よりイオン化傾向の大きい金属があるから そちらが先に反応する、と判ります。 しかし、当の鉄の分子(この言い方が妥当かは別として)の立場で考えるとどうでしょう。 海水が反応しようとしたとき、鉄の分子が 「100m先に自分よりイオン化傾向の大きい金属があるので、 まず、そちらに当たってくれ」 と主張することが、どうして可能なのでしょう。 分子レベルで考えると100mなんて、地の果てのような距離だと思うのですが。 金属内の自由電子が何らかの情報を与えているのでしょうか。 でも、電子に情報を持たせることが出来るのですか。 また、外壁を構成している莫大な量の鉄分子すべてに つねに情報を送り続けることがどうすれば可能なのでしょう。 高校、大学での科学の知識を完全に忘れている私にも解るように 説明していただけないでしょうか。 よろしくお願いします。

  • uribo
  • お礼率78% (113/144)
  • 化学
  • 回答数5
  • ありがとう数7

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • Zincer
  • ベストアンサー率44% (89/202)
回答No.4

uriboさんへ 高校の科学については全く触れないレベルの説明にはかなりの困難がありますが、電気めっきについては記憶がございますでしょうか? かなり乱暴な説明になりますが、イオン化傾向の多い(正確には高い?)金属の電子を利用して溶けだそう(イオンになること)としている鉄をめっきしていると考えてはどうでしょうか? ymmasayanさんの回答の重複になりますが、電気的につながっていることは重要な要因ですが、この場合電子に「向こうにもっと溶けやすい金属があるから、鉄を溶かさないようにしろ」という情報がのっているのではなく、「溶けやすい金属から出た電子は、鉄をめっきするために必要な充分のエネルギーを持っている」といえると思います。(ある種の情報と言えなくも無いですが) この効果をもっと顕著にした物がymmasayanさんと同じサイトになりますが「外部電源陰極防食装置」になります。 ymmasayanさんも多少疑問が残っているようですが、防食に必要なのは電子の持っているエネルギー(表面の電位)ですので形状が複雑な場合やあまりにも大きな場合、電子は内部の抵抗によってそのエネルギーを失いますので、部分的に腐食が進行するようなことは考慮しなければならないと思いますし、実際に考慮して設計しているはずです。 それともう1つ 海水のような中性領域では、実際に電子を受け取っているのは酸素と考えた方が良いですよ。

参考URL:
http://lib1.nippon-foundation.or.jp/1998/0139/contents/043.htm
uribo
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 「鉄をメッキしている」というのは、なるほどと思いました。 ただ、ymmasayanさんの話では、電子の移動スピードは非常に遅いとのこと。 ということは、ymmasayanさんが#1でおっしゃっている電位の平均化によるもの、 と考えて良いのでしょうか。 一回の反応で放出される電子は2個ですから、わずか2個の電子が亜鉛のイオンと結びつくのに 使っていたエネルギーが船体全体に平均化され その平均化されたエネルギーが鉄をメッキするのに十分な量だ、と考えて良いのですか? それともう一つ、今、疑問に思ったことがあります。 どうして、亜鉛が放出した電子は鉄を経由して海中に放出されるのでしょう。 電気的に一つであるなら、鉄を通さず直接、海中に電子を放出しても良いと思うのです。 ダニエル電池のように陰極と陽極で違う電解液を使っているのなら まだ、何となく納得できそうなのですが 局部電池のように同じ電解液に浸かっている場合は、疑問が出てきます。 これは、電子を金属中に放出するより、液体に放出する方がはるかに大きなエネルギーが必要だ、 と考えて良いのでしょうか。 もしそうだとすると、一つの金属を単独で電解液に入れたとき 溶けだした金属イオンの持っていた電子が液中に放出されるのでなく その電子は金属内に放出され、それに押し出された他の電子が液中に放出されるのでしょうか。 しかし、直接液中に放出する場合も、いったん金属内に放出する場合でも 最終的には液中に放出するのだから、必要なエネルギーは同じで 直接液中に放出しても良いように思うのですが...

その他の回答 (4)

  • Zincer
  • ベストアンサー率44% (89/202)
回答No.5

まだ、疑問点が御有りのようなので、再登場Zincerです。 前の回答でも申しましたが、解りやすくする為に乱暴な説明をしていますので、専門分野の方には、「嘘をつくな」と怒られそうですが目をつむってください。 とりあえず1つずつ >ymmasayanさんが#1でおっしゃっている電位の平均化によるもの、と考えて良いのでしょうか。 液体などは、その表面の圧力がどの場所でも一定ですよね(とりあえず重量は無視します)、同じように電流が流れていなければつながっている電導体表面での電位はすべて等しくなります。(実際に流れている電流もかなり微少です。) >一回の反応で放出される電子は2個ですから、わずか2個の電子が亜鉛のイオンと結びつくのに... どんなにがんばっても亜鉛原子1個で鉄原子1個が限界です。 エネルギー的には充分ですが数的にはこれが限界と言う事になります。 もしかしたら、中学生の時に見た塩酸中の鉄の反応を考えたいるかもしれませんが、所詮海水は中性ですのでそれほど溶けているわけではありません。ですから少量の亜鉛で充分な訳です。 >それともう一つ、今、疑問に思ったことがあります。... 説明不足でしたが、亜鉛の表面からも電子は放出されています。前述したように全表面で電位は等しいので、鉄の表面からも放出され、これが鉄の溶出を押さえているのです。

uribo
質問者

お礼

お礼が遅くなってすみません。 一番最後の疑問、どうも、もやもやしているのですが 専門的な話を避けるとこれが限界なのかも知れませんね。 元々の疑問については、だいたい納得がいきましたので、 これで終わりにしようと思います。 ありがとうございました。

  • ymmasayan
  • ベストアンサー率30% (2593/8599)
回答No.3

再質問にお答えします。 > 電気的に一つだから、ですか。 タンカーのような巨大な物を考えると、「電気的に一つ」ということが感覚的に納得できないから、今回のような疑問が出てきたのでしょうね。 あまり巨大な物だと、端っこの方では別の反応をしていても良いじゃないか、と感じてしまうのです。 私も感覚的にはしっくりこないのですよね(笑い)。まず電気の伝わるスピードですが条件による違いはあれ、光や電波のスピードと同じ毎秒30万kmですね。但し電子の移動スピードは亀の歩くくらいのスピードとか。実はこの違いが感覚的にぴんとこない理由でしょうね。 このトリックの答えを次の例で確認して下さい。電子が100mにわたってぎっしり並んでいます。これが全部一斉に1個分だけ右に動いたとします。すると見た目には、一番左の電子1個だけが一番右に一瞬で動いたように見えますね。 ということで、100mを電気(電波)が伝わる時間は実に300万分の1秒ということになります。 > ちょっと気になったのですが、どれだけ巨大な物でも、電気的に一つであるなら複数の場所で同時に反応が起こる事はないのですね? 上の話からそうだと思います。 > また、船底にくっつけた金属がイオン化したとき発生する電子は船体にため込まれるのでしょうか。 それとも、海水中のイオン化傾向の小さい金属が電子を受け取って船体に張り付くのでしょうか。 かりに、船体に電子がため込まれるとしたら、船体が帯電した状態になっていると考えて良いのでしょうか。 #2で掲げたURLの説明によりますと、鉄のところにたまった電子は水素イオンと反応して水素ガスを発生するのですね。水酸化イオンは亜鉛イオンとバランスの取れた形で海水中に存在するか、析出して沈殿するのでしょう。結局鉄は全く溶けないことになります。 こう説明していても私もまだ、感覚的にモヤモヤしています。失礼しました。

uribo
質問者

お礼

電子のスピードの話、聞いたことがあります。 金属には電子が詰まっているので、反応によって放出された最初の電子が 電子一個分動いただけでも電流が流れるわけですよね。 ymmasayanさんも、感覚的には納得できないのですね。 大きさやスピードが、われわれの生活からかけ離れているからかも知れませんね。 もともとの疑問とは違うのですが... この方法を使って船体を守るために海中に溶かしてきた亜鉛は 非常に膨大な量になるでしょう。 これが海水の成分を変えて、生態系に影響を及ぼしたりしないのか 少し、心配になりました。 特に大型タンカーの入港が多くて、海水がとどまりやすい地形(湾)になっている地域では。

  • ymmasayan
  • ベストアンサー率30% (2593/8599)
回答No.2

#1の続編です。 ご質問に直接お答えするものでは有りませんが、電気化学的作用(局部電池)による金属腐食のメカニズムを説明したHPを参考URLとして掲げておきます。

参考URL:
http://lib1.nippon-foundation.or.jp/1998/0139/contents/042.htm
  • ymmasayan
  • ベストアンサー率30% (2593/8599)
回答No.1

100メートルの船でも電気的にはつながっています。 金属が溶ける(イオン化)時には船体との間で電子のやり取りがありますね。船体はイオン化しやすい金属を優先的に扱うわけです。船体が受け取れる電子には限りがあるとすると、イオン化傾向の高い金属からばかり電子を受け取ってしまいます。これが電気化学的作用による腐食と言われるものです。 トタン板(亜鉛めっき)、ブリキ板(スズめっき)などもこの原理の応用で小さな傷がついて鉄が露出しても、雨水やジュースの酸性によって先に腐食されるのはメッキ層なのですね。 電子が情報を持つのでなく、電子を押し付ける力が強いものが優先なのですね。電子を押し付けられた情報は瞬時に船体全体に伝わります。(電位の変化と言うか電位の平均化です)

uribo
質問者

お礼

お礼が遅くなってすみません。 電気的に一つだから、ですか。 タンカーのような巨大な物を考えると、「電気的に一つ」ということが 感覚的に納得できないから、今回のような疑問が出てきたのでしょうね。 あまり巨大な物だと、端っこの方では別の反応をしていても良いじゃないか、 と感じてしまうのです。 ちょっと気になったのですが、どれだけ巨大な物でも、電気的に一つであるなら 複数の場所で同時に反応が起こる事はないのですね? また、船底にくっつけた金属がイオン化したとき発生する電子は 船体にため込まれるのでしょうか。 それとも、海水中のイオン化傾向の小さい金属が電子を受け取って 船体に張り付くのでしょうか。 かりに、船体に電子がため込まれるとしたら、 船体が帯電した状態になっていると考えて良いのでしょうか。 疑問が増えてしまいましたが、よろしくお願いします。

関連するQ&A

  • イオン化傾向について

    なぜ イオン化傾向の強い金属はアルカリ金属というのですか。 なぜ それらは危険なのですか。 なぜ それらは危険物第3類になるのですか。 それらの保存方法はどうすればいいでしょうか。 ただし カリウムから鉄まで それ以上さきはそんなに危なくないので その4つについて教えてください。

  • イオン化傾向・・・

    イオン化傾向に関する、反応式が載ったサイトを一緒に探してください! 例えば・・・塩化銅+鉄=? みたいなやつです

  • メッキ種類とイオン化傾向

    メッキの種類には、母材よりイオン化傾向の高いものでメッキをして先にメッキが腐食することで母材を守る犠牲的メッキ(例えば鉄に対する亜鉛メッキ)と、母材よりイオン化傾向の低いものでメッキをしてメッキが腐食しないことで母材を守る保護的メッキ(例えば鉄に対するスズメッキ)とがあると理解しています。 鉄のカドミウムメッキの場合、イオン化傾向はカドミウムの方が低いので保護的メッキかと思いきやネット情報では犠牲的メッキに分類されるようです。 なぜなのでしょう?単純にイオン化傾向だけの問題ではないのでしょうか?

  • ゼオライトのイオン吸着について

    x型ゼオライトを用いて、鉄、亜鉛、銅の二価の金属イオンのイオン交換反応を同条件で行ったところイオンの吸着量は銅>亜鉛>鉄となりました。イオン化傾向やふるいなどは当てはまらない結果になりました。なぜこのような順番になったのでしょうか?

  • 化学 金属と酸の反応について(イオン化傾向?)

    成分がアルミニウムと鉄の混合粉末に 塩酸を加えて水素発生の実験をする際、 アルミニウムのイオン化傾向が鉄のそれより大きいので アルミニウムと塩酸の反応が優先されて進むのでしょうか? その優先のされ方も、 アルミニウムの反応が完了してから初めて鉄の反応が始まるのか、 それともある比率でアルミニウムの反応とと鉄のそれが同時進行するのか、 というのもわからないのですが。 ご回答お願いします。

  • イオン反応式について

    ある問題でわからないことがあるのですが 次の反応についてイオン反応式を書け ・鉄を希硫酸に入れる 解説では鉄と水素を比べると鉄の方がイオン化傾向が大きい。これはわかるのですが、でも次のがよくわかりません。硫酸イオンは反応の前後で変化しないので、イオン反応式には書かないと書いてあって、よく理解できないのですが、どういう意味なのでしょうか? 教えてください

  • イオン化傾向の問題で・・

    金属のイオン化傾向の問題でFeをAg+を含む水溶液に 浸したときのイオン反応式を書く問題があったのですが、 僕はFe3+で考えてしまい、 Fe + 3Ag+ → Fe3+ + 3Ag と答えてしまいました。 この問題は学校で配られた問題集から出された問題でその解答集には Fe + 2Ag+ → Fe2+ + 2Ag と書いてありました。 ちなみに問題にはFeとだけで(II)とか(III)とかは 書いてありませんでした。 僕の答えは間違いになってしまうのでしょうか。 もしバツだとしたら、先生も何も言ってないないし問題集にも 教科書にもFe3+ではダメとは書いていないので部分点を もらえるような言い訳があったら教えてください(笑)

  • イオン化傾向とボルタ電池

    ZnとCuを組み合わせた普通のボルタ電池では 負極 Zn → Zn2+ + 2e- 正極 2H+ + 2e- → H2 の反応が起きています(CuOの影響を考えなければ)。 質問は以下のとおりです。 1.Cuの代わりにCuよりイオン化傾向が大きい金属を用いた場合、   (例えば、ZnとSnの組み合わせ)起電力は小さくなりますよね。   どんな反応が起きているのでしょうか?   正極で Sn → Sn2+ + 2e- と 2H+ + 2e- → H2 が同時に起こる   ということでよろしいのでしょうか? 2.Cuの代わりにCuよりイオン化傾向が小さい金属を用いた場合、   (例えば、ZnとAgの組み合わせ)ZnとCuの組み合わせと同じ   反応が起きているなら、起電力は同じになると思うのですが、   どうなんでしょう? 3.CuとAgの組み合わせの場合、負極の反応は   Cu → Cu2+ + 2e- でよろしいのでしょうか?   (Cuは酸化力が無い酸には溶けないので。) 4.PtとAuの組み合わせでも起電力は生じるのでしょうか?   回路を作れば電流は流れるのでしょうか?   (Ptは普通はイオン化しませんよね?) 初歩的な質問なのかややこしい質問なのかわからないのですが、 考えていたらわからなくなりました。 上の質問では「起電力」としていますが、「起電力」と実測の 「電圧」とでは状況が異なるかもしれません。 そのあたりも考慮してご回答いただけると大変ありがたいです。

  • 塩化鉄について(エッチング)

    金属のイオン化傾向から考えると、銅より鉄のほうがイオンとして溶液中に溶け出しやすいのにエッチングの反応では、なぜ銅が溶液中に溶け出すのか?教えてください!!

  • アルカリ金属のイオン化傾向と反応性

    アルカリ金属についてですが、 イオン化傾向(標準電極電位の順)は Li > K > Na であるのに、実際の反応性が K > Na > Li となるのはなぜなのでしょう? 単体の融点が Li > Na > K であることと関係があるような気もするのですが、 詳しいことをご存じの方いましたら教えてください。