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フランス語の発音について。

愛の賛歌の動画で、エディット・ピアフ自身のものと、ミレイユ・マチューのものを見ました。 ミレイユの方で気になったのが、細かい巻き舌のような音、というのか・・・フランス語について分からないので、こういう表現になってしまいますが・・・例えば、分かり易いはっきりとした巻き舌とはまた違う感じの、・・・舌を高速回転させて「アルルルルルルルルルルル~」とする(わかっていただけますか?! 舌を巻いて震わせるような、というか…)、それのもっと喉の近くで鳴らしている感じの音が聞こえてきて、一方ピアフの方を聞くと、そこでは普通の巻き舌というのか、それは聞こえても、ミレイユのその「ルルルルル」はほぼ聞き取れませんでした(猫が、ガルルルルル~と低くうなる、そんな音のようでもあり)。 ミレイユ・マチュー↓(2:04~) https://www.youtube.com/watch?v=ZWuplW-l-E0&ab_channel=MireilleTouteunevie ピアフ↓ https://youtube.com/shorts/HBVou8MSUN8?si=4uoDCHJvqd93KJh_ ピアフの方でもやはり、当然巻き舌になる部分は聞かれますが(ProblemesのRの発音などのように)、ミレイユの方が、この巻き舌の音が長い、というのか、また頻繁に聞こえてきます。 二人ともフランス人で母国語で歌っている、けれどもこんなふうに違いがあるのは、どういうことなのでしょう? 方言のようなもので、地方によってこういう違いが出てくるということなのでしょうか? ・・・因みにいま、セリーヌ・ディオンが謳うところを聞いてみました。巻き舌具合が更にマイルドになっている(ピアフ以上に)、という印象を受けました。(彼女の場合も母語はフランス語なのですね。知りませんでした…)

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  • Nakay702
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回答No.1

>こんなふうに違いがあるのは、どういうことなのでしょう? ⇒興味あるご質問をありがとうございます。三人の女性歌手の素晴らしい歌声を楽しませていただきました。以下のとおりお答えします。 フランス語の「r」には3通りの発音があります。 ① 舌先をふるわせる「ふるえ音」。一般に言う「巻き舌」の一種。 ② 口蓋垂(こうがいすい:俗名「ノドチンコ」)をふるわせる「ふるえ音」。 ③ 軟口蓋(なんこうがい:口蓋垂の両側に続く柔らかい部分)を息でこする「摩擦音」。 以上の3つです。 ①は、舌尖(ぜっせん)振動音とも言われ、最も古い発音です。現在、オック語(フランス南東部の方言)の地域でよく聞かれます。江戸っ子の「べらんめえ口調」と似ています。②は、口蓋垂振動音とも言われ、舌尖振動音から変化した発音です。現在、フランス国内の各地に分布する、最も一般的な発音です。「(グ)ルルル」のように聞こえます。③は、軟口蓋摩擦音と言われ、舌尖振動音からさらに変化(進化?)した発音です。後舌面(こうぜつめん)を持ち上げて軟口蓋に近づけ、その間の狭いすきまから息を吐き出すときの出る音で、息が弱いとため息のようになり、強いと口蓋垂振動音に近い音に聞こえます。これが一応「標準語」とされていますが、現実にはおもに首都パリや地方都市(の「教養人」)の間で聞かれます。以上のうち、分布域は②が圧倒的に広いです。 さて、本題の発音問題ですが、エディット・ピアフはおもにノルマンディー(フランス北西部)で育ち、ミレイユ・マチューはアヴィニョン(同、南部)で育ちましたね。ということは、二人とも幼い頃は ②の口蓋垂振動音を使っていたものと推測されます。そして歌手となってからも、歌うときの発音は、以前と大差なく、②の口蓋垂振動音を中心として、たまに③の軟口蓋摩擦音が混じるといった感じですね。両者の間に違いがあるとすれば、②と③の比率の差くらいではないかと思います。 私の個人的な印象としては、エディット・ピアフは②を多用し、ミレイユ・マチューの歌には②と③が適度に混じり、(何とカナダ出身の)セリーヌ・ディオンが最も多く③の発音方式で歌っているように思いました。なお補足しますと、①②③いずれで発音しても、またフランス語圏のどこへ行っても、十分通用するのだそうです。

possan5
質問者

お礼

大変興味深いご説明を、ありがとうございます!

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