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中性子が陽子に、陽子が中性子に?
負電荷の電子が正電荷の陽子に衝突すると中性子になるようです。中性子は寿命が短くて陽子と電子に別れるようです。この2つの過程は日常生活で頻繁に発生していますか。例えばBBQの鉄板内でも発生していますか。中性子と陽子は頻繁に入れ替わっているのですか。初歩の質問で失礼しております。
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▼負電荷の電子が正電荷の陽子に衝突すると中性子になる →この反応を正確にかくと ・陽子 + 電子 → 中性子 + 電子ニュートリノ・・・(1) ですが、特殊な条件の時にしか起こりません。 陽子の比率が大きい原子核で観測されます。 ただし、衝突というのではなく、軌道電子捕獲といいます。 素粒子は剛体ではないので衝突は使いません。 反応できる距離に近づいても反応しない場合もあります。 通常1sの電子が原子核に取り込まれます。空いた軌道に 外軌道から電子が落ち込み電磁波(X線等)が放出されます。 一例として 26Al が 26Mg にかわります。 Al(13p+13n) + e^- → Mg(12p+14n) + ν_e より不安定で高エネルギーの陽子過多の原子核では、 ・陽子 → 中性子 + 陽電子 + 電子ニュートリノ・・(1a) の反応が起きます。これはβ+崩壊といい、電子の反粒子 陽電子が放出されます。 単独の中性子は、半減期10数分で崩壊します。 ・中性子 → 陽子 + 電子 + 反電子ニュートリノ・・(2) この反応は中性子過多の原子核での方がよく観測されます。 (1)(1a)より(2)の方が観測されるでしょうが、このような 反応は、地球上ではほとんど反応しつくされているので 誕生後45億年で安定なものばかりで、特殊なことで作られ たものしか観測できないのです。
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- Tacochin
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通常、中性子と陽子は、光速に近い速度で動くπ中間子をやり取りして、非常に強い核力で結合されています。中性子を原子核から単独で取り出すには非常に大きいエネルギーが必要です。 >>日常生活で頻繁に発生していますか 中性子が原子から引き剥がされて、単体でいるようなことは、通常(日常生活)ではあり得ないことです。加速器などを扱う研究施設での実験か核爆弾を使った時のような特殊な状況にてあり得る話です。 >>BBQの鉄板内でも発生していますか BBQの鉄板内では発生しません。もし仮に発生したら大変なことになります。中性子線という放射能を浴びてしまいます。 中性子線 https://www.rd.ntt/se/media/article/0042.html ↑ 上記サイトより一部引用 ↓ ------------------------ ■エネルギーとしての大きさ: 中性子線は平均 200万電子ボルトの非常に大きなエネルギーを持ち、速さは光速の10分の1程度と非常に高速です。 ■人体への影響: 中性子は水素に吸収されるため、約60%が水分である人体への影響は大きなものがあります。被爆することで人体が受ける影響は、同じく放射線であるガンマ線と比べ、約3〜200倍の腫瘍誘発、15〜45倍ほどの寿命短縮など有害なものであるといわれています。 ------------------------ ただし、自然界(宇宙)で中性子線を見かけるとすれば、「宇宙線」に含まれます。以下は、上記サイトより一部引用したものです。 --- 中性子は人工的に発生させることもできますが、宇宙線が地球の大気に照射されることで自然に生じ、地上に降り注いでいるため、私たちの電子機器は常にソフトエラーのリスクがあると考えられているのです。 --- 発生源は、巨大な星の爆発やブラックホールからガスが噴き出るといった大規模な天体現象と考えられていますが、特定されていないとのこと。大気圏で空気シャワーとなり、二次粒子へ崩壊し、地上へ到達するときは、安定的な粒子になっているとのことです(中性子線が直接地上に降り注ぐことはほぼないでしょう)。 Wikipedia「宇宙線」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E7%B7%9A
お礼
π中間子等、頭が痛くなりそうです。回答者様の知識に脱帽です。ありがとうございます。
お礼
現在の地球は中性子線が減少して、DNAに優しい環境なのですね。中性子はDNAに不可欠なのに今では陽子と繋がれて安定、生命の維持に都合良くて奇跡のようです。ありがとうございます。