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なぜ欧州諸国では死刑廃止がかなったのか

yushimadiodeの回答

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回答No.3

 死刑廃止への道程は国によって様々ですが、よく知られた国の例をあげておきます。イギリスでは、1950年に処刑された囚人が実は冤罪だったことが3年後に判明したのを機に、1965年に謀殺罪への死刑を停止、1969年には死刑制度を全面的に廃止しました。ドイツやイタリアではファシズム政権が倒されたのを機に、大量の政治犯やユダヤ人を殺戮する役割を果たしていた死刑そのものが廃止されました。この両国の憲法には「死刑は、これを廃止する」と明記されています。ポルトガルやスペインでは70年代に軍事政権から民政へ移行したのを機に、死刑を廃止しました。  フランスでは、戦後もギロチンによる死刑が存続していました。80年代に左翼連合が初めて政権についた時、法相に就任したルイ・バダンテール弁護士が、選挙前からの公約であった死刑廃止の法案を提出しました。これに社会党、共産党、それに保守の一部が賛成にまわって過半数を獲得、死刑制度は廃止されました。興味深いのは、フランスが死刑を廃止した当初、世論の6割はこれに反対(つまり死刑存続に賛成)だったことです。しかし間もなくこの比率は逆転しました。フランスの例は、政治のリーダーシップで死刑を廃止した典型です。 (詳しくは『こうすればできる死刑廃止 フランスの教訓』(伊藤公雄・木下誠 インパクト出版会)を参照してください)  人権思想やキリスト教思想と、死刑廃止の間に直接のつながりはありません。人権思想の歴史の古さではヨーロッパもアメリカ合衆国も大差ありませんが、アメリカは今も「死刑大国」です。また死刑廃止に反対する勢力の中にしばしばカトリック教会やキリスト教保守派の政党が含まれていることはよく知られています。それに宗教のことを言うなら、殺生を強く戒める仏教が主流を占める東アジア諸国の多くに、死刑が存続している理由が説明できないでしょう?

参考URL:
http://www.asahi-net.or.jp/~ef4j-tkgi/dp/dplinks.html#2
aoneko
質問者

お礼

お礼が遅れて本当にごめんなさい! それぞれの国家にそれぞれの死刑廃止の背景があることを知りました、ありがとうございます。 キリスト教も仏教も殺生を戒めているにも関わらず、それがそれぞれの宗教を信仰する人たちの死刑観に反映されてはいませんね。なるほど、その通りです。 示してくださった参考図書、ぜひ読ませていただきます。

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