「根性」は鍛えられる?-パレオな男のヘルスケア相談室

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はじめに

「最高の体調を手に入れたい!」……そう決意したものの、なぜかうまくいかない。こうした「ハイパフォーマーへの壁」を感じたことはありませんか。「こんな時、どうすれば?」そんな疑問・お悩みにベストセラー『最高の体調』著者・鈴木祐氏が答えます。

 

パレオな男のヘルスケア相談室」では、ハイパフォーマーを目指す皆さんの疑問を大募集。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介する鈴木氏が、あなたの疑問に答えます。

 

今回は「セルフコントロール」についてのQ&Aです。 

流動的なスケジュールの人にオススメの習慣は?

 ——今回は「セルフコントロール」に関する質問を中心にお伺いしたいと思います。まずは習慣化についての質問です。 

 

・パレオさん的におススメの習慣を教えて欲しいです!

 

・ 出張があり生活スタイルを固定できない人に物事を習慣化させるアイデアをいただけると嬉しいです。 

 

 

鈴木:「オススメの習慣」って、答えるのが難しいんです。

「△時に〇〇するのがいい」などは、クロノタイプ(体内時計のタイプ)ごとに違ってくる。出張で生活スタイルが固定できない場合、なおさら決まった習慣を示しにくい。

 

そんな中でオススメできるのは「問題が起こったら、if-thenプランニングに落とし込む」という習慣です。

 

例えば出張で予定が崩れる場合、「出張で予定が崩れたら」とifを設定し、thenとして「〇〇する」と続ける。if-thenを即座に作る習慣がついていれば、変化の多い生活にも臨機応変に対応できます。

 

——学校の時間割のように「△時に〇〇する」と機械的に習慣を設定するより、「何かあったらif-thenプランニング」とした方が、結果的に習慣を定着させられそうですね。

「根性」は鍛えられる?

・スポーツなどでも、辛い時に続けられる人と、弱くて逃げてしまう人がいますが、俗にいう「根性」とは、科学的には何なんでしょうか?また、それを鍛える方法ってなにがありますか?

 

——では「グリット」(忍耐力や長期目標をやり抜く情熱)や「誠実性」(自己コントロール能力の高さ)という言葉が使われていますが、「根性」とはこれらのものを指すのでしょうか?

 

鈴木:誠実性もそうだし、忍耐力や情熱、ストレスをやり過ごすスキルなども含まれる。「根性」とはそれらの組み合わせの総体みたいな感じです。

それぞれの要素を鍛える方法もあるんですけど……それを語り始めると長くなっちゃうんで(笑)

 

——根性に複数の要素があるなら、人によって得意な要素・苦手な要素がありそうです。

 

鈴木:根性の構成要素を分解して、自分にできていることとできていないものを把握して鍛えていくというのはいいかもしれません。自分の場合、「ストレススルースキル」があまりなかった。そこを鍛えるようにしたらうまくいきました。

 

——根性という言葉には「情熱」の要素が強く感じられますが、そうではないということですね。

 

鈴木:根性を情熱だけで補うというのはなかなか難しい。そう考えると大事なのは誠実性や責任感、そして「苦悩をいかにやり過ごすか」です。

 

もしストレスをうまくやり過ごせなくても、「この苦悩がより大きなものにつながっているんだ」という実感さえあればいい。自分の価値観と現在の努力が結びつくというか。

 

コツコツとした努力を無目的にやれる人はいません。目的もなくただ穴を掘って埋める作業を繰り返すのは辛い。そうならないよう、自分を誘導する環境設定が必要です。

 

——「根性を鍛える」というより、苦悩をやり過ごせる環境を工夫する方がうまくいくのかもしれませんね。

「3ルールの管理方法」

 ・3ルールの管理方法などについて知りたいです。どうしでもぐちゃぐちゃになってしまいがちなので。 

 

【3のルール】…次の3点を書き出すことでタスクを管理する方法。

 

①今日やりとげたいことを3つ書き出す。

②今週やりとげたいことを3つ書き出す。

③今年やりとげたいことを3つ書き出す。

参考:『最高の体調』(クロスメディア・パブリッシング、2018年)

 

 

——確かに「今週やりたいこと」「今年やり遂げたいこと」の項目はどこに保存しておくか迷いどころだと思います。更新の周期が異なる3ルールのうち、②③はどこに書いて保管するのでしょうか。

 

鈴木:常に目に入るところならなんでもいいと思いますよ。壁に貼ってもいいし、ハガキに書いてデイリー手帳のしおりにしてもいい。パソコンのデスクトップにポストイットのように目標を表示させておくのもいいですね。大事なのは常に自分に目標を意識させることで、その方法は問いません。

 

——鈴木さんの場合、どのように目標を管理されていますか?

 

鈴木:目標がない人間なのでなんにもしてませんね。

 

——それは驚きです! 「目標はすでに達成済み」ということでしょうか?

 

鈴木:「すべての目標を達成した」ということもなく、もともと目標がない(笑)。「今日やるタスクをカレンダーに書き出して粛々と進めていく」ぐらいはやってますけど、「目標」とはちょっと違うかな、と。

 

ただ、目標がないまま生きられる人はなかなかいないと思う。自分の価値観に沿った目標を意識するのはいいことだと思います。

読書のメリットは漫画でも得られる?

 ——次は習慣化したい行動として挙げられることも多い「読書」のメリットについての質問です。 

 

・読書のメリットは度々挙げられますが、同じ『文字を読む』という意味で漫画やブログ(凄く砕けた文章のような)のメリットは挙げられますか?読書という行動における何がメリットをもたらすのか、分からない次第です。漫画でもブログでも、同じ効果が出る気がします。 

 

 鈴木:まず前提から言いますと、読書にメリットがあるかはわかりません。

 

「読書をする人は年収が高い」という研究はあっても、それは観察研究であって「読書」と「年収」に因果関係があるのかどうかまではわからないんですよ。

 

ただ、目的意識を持って読まない限り何を何冊読んでも無駄だとは思います。「年間1000冊読む」という人とか、「とにかく手当たり次第にガーッと読む」という人がたまにいますけど、大量に読みさえすればいいというわけでもない。「何が書かれているのか」「自分は何を得たいのか」を事前に検討した上で読まないことには何も頭に入ってきません。

 

——読書量や媒体、ジャンルより、読むときの自分の意識がポイントなんですね。

 

鈴木:逆に言えば、目的意識を持って読めるなら何をどれほど読んでもいい。

 

ここでも価値観設定が重要になってきます。自分の価値観と照らし合わせて、

・なぜその本を読みたいのか

・何をその本で得たいのか

 

これをはっきりさせて情報を取り込めば、漫画やブログであっても「読書のメリット」が得られるでしょうね。

 

——娯楽として漫画やフィクションの物語を楽しむ場合、読書のメリットは得られないのでしょうか?

 

鈴木:自分では娯楽と思っていても、自然に目的意識を持って読んでいるような人はいます。「自分はこういうものを得たい」というのがはっきりしている人は、目的意識を無意識に起動できるんです。

 

好奇心の問題も絡んでくると思うんですけど、そういう人は漫画を楽しんで読みながら「なぜこの表現は面白いんだろう」と考え始める。こんな風に思考の機動装置として利用するなら、本でなくても文字でなくてもメリットは得られるのかもしれない。例えば絵でもいいし。

効率的な論文管理方法は?

 ——鈴木さん自身はたくさんの論文を読まれていますよね。次の質問は、論文から得た情報の管理方法についてです。 

 

・効率的に大量の論文を読み管理するために、どのような工夫をされていますか? 大分前にブログに iPadとApple pencilをつかって論文を読んでいるという記事がありましたが、現在もそのスタイルでやられているのでしょうか。 

 

鈴木:実は、論文に限らず「効率的に管理」はしないようにしてるんですよね。

『「超」整理法』(中公新書、1993年)という有名な本があるんですが、自分はここで紹介されている「すべて時間順に並べて整理しない」という方法を採用しています。

 

例えば、メールをフォルダ分けしても結果的には非効率的だったりする。すべてを時間順で溜め込めば整理する時間は必要ないし、この方法ならよく使うデータは自然に取り出しやすい場所に置かれます。

 

ちなみにiPadとApple pencilのスタイルは続けてますよ。

「パレオな男」の価値観が知りたい!

 ——鈴木さんはたびたび価値観設定の重要性について触れていらっしゃいますが、次の質問はそんな鈴木さん自身の価値観についてです。 

 

 ・「価値観の設定が大事」と書かれていて、最近のブログでも価値観をテーマに出されてましたが、精力的に活動されているパレオさん自身はどのような価値観をもってらっしゃいますか?

 

・パレオさんがストイックにブログや本を執筆できる理由が知りたいです。

 

——先ほど「目標がない」とうかがい、驚きました。ブログや本の執筆に限らず、鈴木さんはとてもストイックな生活をされているように感じます。鈴木さんはどのような価値観のもとでそういった生活を実現されているのでしょうか。

 

鈴木:これは説明するのが難しいんですけど……。

自分で収集したいろんな情報に、一つの背骨を作りたいんです。点を線にしてつなげるというか。

 

集めた情報から「ひとつの大統一理論!」みたいなものが見えてくると、すごい快楽を感じる。自分はそのために本を書いているようなものですね。つながりが見えてくると気持ちいいんですが、あとはだいたいツラい(笑)。

 

——鈴木さんにとって「筋トレ」や「健康」は副次的な要素なのでしょうか。

 

鈴木:そうですね。自分で集めた情報の「確からしさ」を、自分で確かめたらこうなった、って感じなので。

 

——なかなか真似できなさそうです。

 

鈴木:価値観は人それぞれなので。人の価値観をまねようとしてもうまくいかない、とは思いますね。

友人は本当に必要?

 ——続いては『』(クロスメディア・パブリッシング、2018年)でも重視されている「友人」についての質問です。 

 

・最高の体調の「友人」の項について質問です。
僕には気軽に会える友人は1人もいません。
ですが、一人でも毎日孤独感もなく楽しく過ごせています。
それでも将来のことを考えると友人は必要なのでしょうか?
また、必要なのであれば新規の友人の作り方を教えて頂きたいです(SNS上で探してもいいのかなど)。

 

鈴木:孤独感がないのであればなんの問題もないと思いますね。遺伝的に友人が必要ない人は一定数いるんですよ。

 

おそらくそういう人は、古代の環境の中では共同体から抜け出して、新しいオアシスを開拓する役割を負っていた人。そういう人がいないと可能性が広がりません。ただ、孤独を自分で押さえつけている場合もありますから、なんとも言えない。

 

——孤独を押さえつけているのかどうか、自分でチェックする方法はありますか?

 

鈴木:孤独かどうかにかかわらず、体調が悪くなっていないのであればいいんじゃないでしょうか。

 

ただ将来のことを考えると、「友人」とまでは言わずともなんらかのつながりは必要ですよね。例えばお金や情報を求める場合、どうしても人付き合いは必要になってくる。だから「うっすらとしたつながり」を作り続ければいいんじゃないかと思います。それはSNSで作った関係でも構わない。

 

友情を求めないというのであれば、「うっすらとした利害関係をたくさん作っておく」というのもいいかもしれません。

「同じ人をずっと好きで居続けること」

 ——最後の質問です。こちらも人間関係について。 

 

 同じ人をずっと好きで居続けることは可能ですか? 

 

 

鈴木:「恋愛感情の持続」についての研究によると、ずっとラブラブな状態が続くカップルとそうでないカップルでは「問題解決力」が違うんですよ。

 

恋愛では絶対に些細なことでトラブルが起きる。その時に逐一解決していかなきゃならない。単純に考えてそれは問題解決の積み重ねなんです。だから問題解決力を鍛えるのが一つの解決策になるのかな、と。

 

そもそも恋愛感情はだいたいドーパミンシステムなので、維持するのは不可能なんです。すぐ効果が切れるから、普通に考えて一年も持たない。代わりに活躍するのがセロトニン系ですね。セロトニンが出て安定すると関係が長続きする。「好き」の質は時間がたつと変わっていくんです。

 

それを押さえておかないと、ドーパミンが切れた時点で「自分はこの人を好きじゃなくなったんだ」と思い込んで別れる、ということになります。

 

——「ドーパミン系からセロトニン系の関係にうまく移る」のが、関係維持のコツなんですね。

鈴木祐さんの好評既刊

「3のルール」「価値観設定」などについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの書籍をご覧ください。

 

『科学的な適職 』(Amazon) 

 

「職選び」にお悩みの方へ。

 

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まとめ

疑問、悩み、知りたいことがあったらQ&Aサイト「オウケイウェイヴ」で質問してみよう。あなたの知識・経験を生かす回答もぜひ!

https://okwave.jp/

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