ハンセン病を正しく知ろう

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はじめに

Photo by 足成

厚生労働省はハンセン病に対する正しい知識の普及に努め、ハンセン病療養所入所者等の福祉の増進を図ることを目的に、6月25日を含めた週の日曜日から土曜日までを標記週間としています。


元々は、ハンセン病の予防と患者の救済に深い関心をよせていた大正天皇の后・貞明皇后の誕生日。1964年に「ハンセン病を正しく理解する週間」に移行しました。


ハンセン病の歴史、隔離の問題点、らい病と言わなくなった訳、より理解を深めるための本や映画。


今回はハンセン病を正しく理解できるようなQA特集です。

ハンセン病のたどった歴史

ハンセン病は顔かたちや手足が変形することから、古代から最重度の病気とされ、仏教思想とあいまって、不治の業病とされ、偏見と差別の対象とされていました。大半の病人は乞食のような格好で全国を放浪していました。1907年にできた癩予防法はこれらの病人を強制収容して、国費で医療を受けさせ、授産・療養施設を供給する一種の社会福祉的要素がありました。ところが1940年国民優性法ができて、子孫の発生を防止する目的で、その対象に精神病者とならんでハンセン病も指定されました。一応、本人の申請に基いたものでしたが、なかば強制的にはんこを押させ、不妊手術・断種処分させられることもありました。戦後、日本国憲法が施行されましたが、癩予防法はらい予防法、国民優性法は優生保護法(現母体保護法)に名前を変えただけでそのままでした。理由はハンセン病は不治の病で伝染性なので、これらの人を野放しにすることは公共の福祉に反するというのが理由でした。法定伝染病の人が強制入院させられるというのと同じ理屈です。ところが、1980年前後には、ハンセン病は特効薬が発明され完治できるようになり、感染力も弱いものであると判ったのにかかわらず、らい予防法が廃止されたのは1996年です。熊本地方裁判所は完治できるようになった後まで「らい予防法」を廃止しなかったのが違憲であり、国会に不作為責任があるとしました。当時としては、強制収容もやむをえなかったとするのが、現在の政府の解釈です。

公共の福祉を考えた政策であったのは、間違いないようですが・・・。

ハンセン病で隔離 何が問題なのか

現時点で考えると倫理的には,確かに問題ありと言えます。
ただ,過去においてハンセン氏病患者が,隔離されなければ,どのような仕打ちを受けていたかということも考慮しなければならないのが,この問題なんですネ。
更に,感染力についての認識が誤っていたことも事実です。
これらを総合して考えると…
最後の十数年間については,事実に目を閉じての許されざる行為であるといえますが,法が作られた当時においては,判断の分かれるところでしょう

明治時代当時はハンセン病患者の隔離は医学的に意味があると考えられていたはずです。同じ頃にはチフス・スペイン風邪などの感染症大流行を経験しているため、感染病自体に慎重になることも理解できます。つまり現在の赤痢などと同じく「やむをえない」と思います。
ただし太平洋戦争以前においても隔離政策の有効性が次第に薄れ、諸外国では隔離をしても陰性になれば開放したり、隔離をせずに療養することが行われてきました。そして戦後の比較的早い時期には、ハンセン病は感染力が非常に小さいことが明らかになり、隔離する合理的意味が消滅したので、それ以降の隔離は問題でしょう。

ハンセン病患者に対して行われた行為は、基本的には「らい予防法」に
基づいて行われたもので、その意味では法律違反ではありません(現場
で行き過ぎがあった、という部分にはここでは触れません)。

現在問題なっているのはこの「らい予防法」が、憲法違反だったのでは
ないか、という点です。

ご存知だと思いますが、憲法は、他の法律を制定するときのよりどころ
であって、直接的に国民に適用されることはありません。つまり「法律
の法律」です。

憲法の中に「公共の福祉に反しない限り」基本的人権を尊重する、つま
り、公共の福祉のためには人権を制限することもある、と読み取れる記
述があります。

「らい予防法」は、これを根拠に、日本をこの伝染病の脅威から守るつも
りで制定(存続)されたものです。

憲法違反であるという指摘は、この判断に誤りがあったのではないか、
との指摘なのです。つまり、あれほどの人権の制限をしなくても公共の
福祉(=ハンセン病の蔓延を防ぐこと)は守れたのではないか、との主
張です。また、廃止が遅れたことも問題になっています。特効薬が発明
され、ハンセン病の感染力が非常に弱いことが分かった後も、「らい予
防法」は長年廃止されませんでした。ハンセン病患者の開放が、公共の
福祉に反しないことが分かった後も、人権の制限を続けたことになりま
す。

隔離が相当と判断された根拠が変わったにもかかわらず、放置していたことが問題なのですね。

ハンセン病の感染経路

以下は国立感染症研究所の、ハンセン病に関する記事からの抜粋です。



感染と発病:人への感染は乳幼児期に、らい菌を多数排菌している患者との濃厚で頻回の接触によって、多数のらい菌が経気道的に入ることが重要です。そして数年から10数年、最近の日本では数十年の潜伏期を経て発症することがあります。発症にはその他、その人の免疫能、栄養状態、衛生状態、経済状態など様々な要因も関与します。なお、小児期以後の人が感染しても現在の日本では発症することはまずありません。すなわち、らい菌は感染・発病を同一線上には議論できません。


とありますので、御質問の回答としては

免疫機能の未熟な乳幼児期に、直接長期間にわたって世話をする相手(例えば家族とか)から感染したのだと思います。

胎児感染は研究されて、堕胎手術が強制されたようですが、現在では母子感染の可能性は低いとされております。

潜伏期間が長いので、感染源の特定が難しいようです。

らい病と言われなくなった訳

以前は「らい病」「らい」と呼ばれていたのは事実ですが、現在はハンセン病と呼びます。
「らい」という漢字は「癩(やまいだれに頼)」と書きます。
ハンセン病の症例には大きく2種類あって、関節が腫れ上がるタイプと末端がただれるタイプがあります。
ひどくなると関節がねじ曲がったり、鼻や耳などが落ちたりします。
その見た目のひどさと、身体的・経済的に自立できない様子から、「やまいだれに頼」という漢字が生まれ、病気の呼称として定着したそうです。
この差別的表現を嫌って、ハンセン病という呼称に変わったということです。
元ハンセン病患者の知人に伺いました。

漢字には意味がありますから、便利ですが同時に問題もはらみます。

ハンセン病を知るために。本や映画で

ハンセン病について

3学期に中学1年生にハンセン病を教えなくてはいけません、そこで何か教材に使えるようなよい本はないでしょうか?

回復者の伊波敏男さんが、中学生向けに書き下ろした
『ハンセン病を生きて』(岩波ジュニア新書)
と、
沖縄の金城幸子さんがかかれた
『ハンセン病だった私は幸せ』(ボーダーインク)
と、
栗生楽泉園の入所者で国賠訴訟の中心者だった
谺(こだま)雄二さんの
『知らなかったあなたへ』(ポプラ社)
が、導入にはいいと思います。

特に、金城さんのは、貧困から人身売買された経験、
ハンセンの経験、沖縄戦の経験など、
いろんな角度から学べると思います。

映画「ふたたび swing you again」は、
製作段階で、若干かかわらせていただいたのですが、
若干、シナリオに細かい問題もありますが、
当事者の方々には、
「ハンセン病が特別、ハンセン病回復者が特別な存在、
という感じではなくて、自分たちの日常生活と地続きである。
自分たちがそういう目にあう可能性もあるし、
自分たちが日常生活のなかで、そういう方と自然な形で、
接し、助けることができる、という感じがして好感が持てた」と、
評価が高いです。

松本清張「砂の器」 
と 1975年、それを映画にした松竹映画「砂の器」
(加藤剛さんが、・・?(^^;)である音楽家を演じてます)

すでに「砂の器」執筆時には、いわゆるらい病(ハンセン氏病)は
社会から見捨てられるような性質の病気でも
遺伝性の病気でもないことが解明されたにもかかわらず、
当時も、現代に いたるまで 患者と家族は
偏見蔑視に苦しまなくてはいけませんでした。
ちなみに、映画の音楽とても、いいです。

より理解を深めるためには、当事者の声が一番です。

ハンセン病だけじゃない。過去の問題と安心しないために

この手の話を聞く時、忘れてならないのは、その時代の当たり前についてです。 その時代の先進諸国に済む人々が何を「当たり前」としていたかです。 その点を理解すればなぜ強制収容した首謀者が表彰されたか? 断種手術をされたか? なぜその様な今となっては非道と思えることが出来たのか?  そんなことが親戚の家のことのように理解できます。 

 もしこの出来事を過去のことを過ぎ去った話と、とらえるのではなく今も連続する話だと思えるなら、SARS問題にゆれる世界を決して笑えないでしょう。 O-157問題・狂牛病問題で何も学んでいない人が多いのでは無いでしょうか。 過ちは過去の話では無いですよ。 今も形を変えて続く問題ですよ

エイズもそうでしたが、患者が差別されるというのは醜いほど悲惨だと思います。
 これも空気感染するという間違った思い込みからくる、無知の偏見です。
 偏見は無知からくるのを、エイズで知ったと思います。
 当然エイズウイルスは空気に触れると血液と一緒に死んでしまいます。空気感染はありません。

 ハンセン病は、無知と偏見の問題を思います。
 差別や偏見はしてはいけません。人権の問題です。
 ハンセン病はそういう教訓を教えてると思います。

正しい知識が何よりも求められる問題ですね。

まとめ

無知による悲しい出来事がおこりませんように。

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