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位相とは?

shroederの回答

  • shroeder
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回答No.4

位相は物理の方で sin xとsin(x+a)のように同じ周期の振動の山のずれを 表す言葉として使われています。これはphaseの訳で、数学でいう 位相とは全く関係がありません。 数学では2つの意味で使われていて ひとつは 位相空間(論)、または 一般位相 という意味で、これはgeneral topology の訳です。日本語で単に位相といった場合はこちらの意味の場合が多いでしょう。 第2は 位相数学、または位相幾何 と呼ばれるもので、これは位相多様体と呼ばれる ものを研究する分野です。ドーナツとコーヒーカップは”同じ”という 風に説明されているもので、これは位相同型で移れるものは同じとみなす という幾何学のことで、英語ではこれを単にtopologyと呼んでいます。 距離空間であれば、点列の収束ということを考えることができます。 たとえばR^2に普通のユークリッド距離を考えたものです。 別にx=(x_1、x_2)とy=(y_1,y_2)の間の距離を d'(x,y)=max (|x_1-x_2|,|y_1-y_2|)と定めれば、これは別の距離空間 (R^2は同じでも距離が違う)と考えられます。しかし、どちらの距離で 考えても、ある点列{a_n}があるαに収束するか否かは変わりません (一方の距離で収束すれば他方の距離でも収束する)。その根拠は d'(x,y)<=d(x,y)<=2d'(x,y) (d はユークリッドの距離を表す) のようになっているからです。 このような場合、2つの距離は同値な距離であると言われます。 一方距離が決められていると、開集合という概念を定義できて、たとえば f:R^2→R が関数のとき、fが連続であることは、Rの任意の開集合Vに対して 逆像f^{-1}(V)(つまり{x∈R^2|f(x)∈V} のこと) が開集合であることと言い換えることができます。 したがって、必ずしも距離が定まっていなくても、開集合という概念が あれば、連続関数を考えることができます。 そのとき、いい加減なものを開集合としてしまうと都合がわるいので それが満たすべき公理が決められています(先人達がいろいろ苦労して この公理にたどり着いたのです)。これが下の回答に述べられている公理 です。 したがって、集合Xがあって、その部分集合を元とする集合が何らかの 方法で指定されていて、それが開集合の公理をみたしているとき Xには位相が入っている、というのです。大切なことは、同じ集合X であっても、いろいろな位相が入るということで、 1)すべての部分集合が開集合、というのと 2)空集合と全体集合Xのみが開集合 の2つが極端なものです。1)はディスクリートな位相と呼ばれるもので どの2点もまったく離れていると考えるということで、2)の場合はどの 2点も限りなく近いと考えているということです。 このように集合Xがあったとき、それに追加的なテータを組み合わせたもの を”構造”といいます。たとえば Xの2つの元の積が定まって、結合律が成り立つものは半群で、 さらに単位元1と任意の元に対する逆元があれば群の構造が入った といいます。 ベクトル空間は集合に足し算とスカラー倍が定まっていて、ある規則を 満たす構造のことです。現代の数学はほとんどすべてこの 集合+構造 という考え方(というか、言葉)で書かれています。 位相もそういった構造の1つですが、現代の数学のほとんどに現れる概念 です。大学の図書館へ行ってブルバキ(Bourbaki)という著者(?)の 位相1(東京図書)という本の最初の2節くらいを読むと、位相空間の定義と それが近傍という概念と同値であることを、最高に抽象的に書いてあります。 最初は何を言っているのか分からないかも知れませんが、虚心坦懐に 読んで、距離空間の場合と引き合わせて考えれば、徐々に分かるかも 知れません。慣れてしまえば非常に便利で快適な考え方で、レビィ= ストロース達の構造主義もブルバキの影響を受けたものです。 位相の効用としては たとえば、コンパクトという概念があって、コンパクトな空間の 上で定義された連続関数は必ず最大値・最小値を持つ、ということが 証明できます。これは、有界な閉区間で連続は関数は必ず最大値・最小 値を持つ、という定理の一般化になっています。これは距離がなくても 位相が入っていれば成立する定理であるというわけです。 R上には、大小関係とか、足し算、掛け算、1次元ベクトル空間の構造 とか位相の構造が入っているので、かえってわかりづらいので、 どの定理や性質は、どの概念の帰結で、他の概念とは無関係であるか ということを明らかにすることが大切なのです。そのようにすると R以外の対象について同じようなことを考えるためには何があれば よいのか、ということがはっきりするわけです。たとえば四則演算 の構造を取り出して、抽象化したものが、体(field)と呼ばれるものです。

taropoo
質問者

補足

> 一方距離が決められていると、開集合という概念を定義できて、たとえば > f:R^2→R が関数のとき、fが連続であることは、Rの任意の開集合Vに対して > 逆像f^{-1}(V)(つまり{x∈R^2|f(x)∈V} のこと) > が開集合であることと言い換えることができます。 これってf^{-1}が存在する時に限って言える事で、一般的じゃないですよね? それと > したがって、必ずしも距離が定まっていなくても、開集合という概念が > あれば、連続関数を考えることができます。 とのつながりが分かりません。 「距離が決められていると開集合という概念が定義できてfの連続性が定義できる、したがって、距離が定まっていなくても開集合という概念があれば連続関数を考えることが出きる。」って、論理的じゃない気がするのですが。 「A∧(A⇒B)⇒CしたがってB⇒C」っていう風に見えるのですが。

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