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原子力は当初どのように利用することを考えて

当初、原子力を研究し、そのエネルギーを利用しようと考えていた時 穏やかにエネルギーを発生させようとしていたのですか? 爆発的にエネルギーを発生させようとしていたのですか?

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noname#212313
noname#212313
回答No.7

 結論を先に申せば、原子炉と核兵器の開発、実用化はほぼ同時です。そういう必然性があったのです。  放射性物質の存在が知られるようになったのは19世紀末でした。その頃だと、放射性物質から何が出てきているのか分からず、X線と名付けました。Xは「分からない」の意味で用いたようです。その後、主にアルファ線(ヘリウム原子核)、ベータ線(電子)、ガンマ線(電磁波)から成ることが分かってきました。  それでも、なぜ放射線が出るかがなかなか分かりませんでした。化学反応では説明不能でした。20世紀初頭、アインシュタインによる特殊相対性理論が発表され、正しさが検証されると、放射性物質から放射線の元になるエネルギーが何か分かりました。有名な公式E=mc^2が明らかにした、質量ですね。  放射性物質は質量をエネルギーに変えて出し続けている。しかし、反応を促進するには、放射性物質にかなりの速度の中性子を当てなければならないことも分かってきました。そんな中性子を作るには、放射性物質から期待できるエネルギーより遥かに膨大なエネルギーが必要になります。  しかし、ウラン235が核分裂反応をするときに中性子を出し、その中性子が他のウラン235に当たるとまた核分裂が起こることが分かりました。ようやく、ウランの塊からエネルギーを有効に引き出す方法が理論的に可能だと証明されたわけです。  こうした核分裂反応の実験的検証に先んじて、核融合反応の実験的検証が成功しています。当然、核分裂と核融合、両方の実用化が目指されることになったわけですが、検証が後手に回った核分裂のほうが、開発がしやすく、核融合を追い越して先に実用化のめどが立ちました。  原子力の核兵器としての軍事利用と、軍事と民生両方に有効な原子炉の開発は、ほぼ同時に進められました。原子炉の軍事利用は、酸素を必要としない炉であるため、潜水中は電池に頼るしかなかった潜水艦への利用が考えられました(しかし、小型炉の実用化は難しく、ずっと後になる)。どちらも始まったのは1939年頃です。第二次大戦開戦の年であり、軍事利用は敵に先んじられないよう、枢軸国側、連合国側双方が望んだことは事実です。  しかし、核兵器に使うに足る核燃料を得るには原子炉を稼働させないと無理でした。濃縮ウランを使う方法もあり、ウランの核爆弾も開発が進められましたが、得たウランから発生するエネルギーより、兵器にするに足るウラン濃縮に必要なエネルギーが上回ってしまうのがネックだったのです。  ウラン235の核兵器はコスト度外視が前提の軍事利用としても、軍事利用に充分な数を保有しようとすれば、国力が傾いてしまいかねないものであるわけです。  ウラン235は埋蔵ウランの中には少ししかありません(0.7%、残りは核分裂しないウラン238)。だから兵器用濃縮が大変なわけですが(純度がほぼ100%が必要)、原子炉用(2~3%)なら割と簡単です。そして、ウラン235の原子炉から出る中性子がウラン238にうまく当たれば、核燃料となるプルトニウムができることが分かっていました。  プルトニウムの核兵器なら、エネルギー収支、コスト的に実用レベルで大量生産可能です。ですので、原子炉が実用稼働することが、核兵器製造の条件となります。  そのため、原子炉と核兵器生産が時期的にほぼ並行して進むことになりました。 P.S.  プルトニウムというウランの副産物は、原子炉での利用としては、高速増殖炉などが知られています。実用化が未だに難しいので、ウランと混合したMOX燃料で使われていますが、ウランからプルトニウムが得られるということが、「原子力が夢のエネルギー」である理由の一つです。ウランだけだと、可採年数が70年くらいしかありません。あまり持たないのです。  ウランからプルトニウムが作れて利用するサイクルが確立できれば、利用できる量が理論上は100倍以上になります。事実上、無尽蔵といってもいいでしょう。

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その他の回答 (9)

noname#225485
noname#225485
回答No.10

爆発的に瞬時に反応させるより穏やかに制御する方がはるかに難しいのです。 だから核反応も兵器から実用化したのです。 兵器は勝手に反応させればいいのですから制御は不要です。 核融合など兵器としては水素爆弾でかなり前から実用化してますが、核融合発電は未だ開発中です。

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  • foomufoomu
  • ベストアンサー率36% (1018/2761)
回答No.9

もちろん、穏やかにエネルギーとして使いたかったのですが、原子力の場合は、それがたいへん難しい。 というのは、 木が燃えるように、連続して核反応が起きるためには(*1)、ウランなどを「臨界量」と言われる量だけ集める必要があるのですが、そのまま臨界量のウランを反応させると、広島原爆級の爆弾になってしまう。 ゆっくり核反応を起こさせる技術ができたのは、原爆ができてから20年近くたってからでした。 *1:連続して反応しない場合は、外部から反応するためのエネルギーを与えなければならないが、その場合、発生するエネルギーより与えるエネルギーのほうが大きくなるので、エネルギー源としては使えないことになる。

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  • IDii24
  • ベストアンサー率24% (1597/6506)
回答No.8

1933年に人工放射能が発見され原子力エネルギーが大規模に工業化される。原爆の原理を発見した科学者は、原子爆弾の出現を予測し、その原理を公表するかどうか悩むのだが、結局は原子爆弾は完成してしまう。 1957年に英国、米国、仏国連合軍と独オーストリア連合軍との間に戦争が始まり、フランス軍機が2発の原子爆弾を投下し、全世界は荒廃する。(3発の原爆を載せて行くが、3発目を投下する前、飛行機が撃墜される) 戦争に生き残った人々は、イタリアに集まり、国境を廃し、世界政府を樹立するのであった。 これは小説家G・Hウェルズの解放された世界の概要です。たまたまWebにあったので抜粋ですが、これは原子力発見前1933年に書かれた小説です。そして原子力の研究のきっかけになったとも言われています。 つまり人々はエネルギーの元を燃やすことではなく、物質の衝突により得ようと考えたのです。この時これがどのくらいのエネルギーを生むかを想像できたわけではないでしょう。ただ単に永遠のエネルギーが欲しかった。あるいは効率のよいエネルギーを求めたのでしょう。言えることは炎より強いエネルギー。つまりは爆発的なエネルギーをれは何を意味するか。破壊しかないと思います。漠然と兵器を求めていたとは思います。 G・Hウェルズは世界政府の樹立に当たって平和憲法を制定するところで終わらせています。これが日本国憲法に組み込まれている第9条です。 G・Hウェルズはこの兵器が誕生しないこと、そして使われないことを願ってこの憲法を書いたのです。しかし世界はG・Hウェルズの願いとは逆の方向に進み小説の世界そのままに動いています。初めから原子力は無くてもよいエネルギーだったのかもしれません。

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  • SPROCKETER
  • ベストアンサー率26% (2013/7513)
回答No.6

 中国で火薬が発明された時に熱エネルギーを利用する為に火薬を製造しようとは考えなかったはずです。当然ながら、軍事利用だったわけで、戦争が無い平和な時代では、花火などの娯楽しか使い道が無かったわけです。  原子力も同じで、質量をエネルギーに転換して莫大なエネルギー放出が期待出来るとわかった時点で、軍事利用以外に開発予算を投じる国はありませんでした。原子炉が先に作られましたが、濃縮ウランを製造する為のものに過ぎず、最終目的は原爆だったのです。  原爆製造に成功した後は、水爆製造まで到達したものの、それ以上は核軍縮が始まったので中止されました。水爆の次は、超新星爆発と同種の核反応である鉄→ヘリウム転換にあった可能性が考えられますが、そこまでは研究開発が続きませんでした。  核開発が際限も無く続いて、誰も止める者がいなかったら、最後は超新星爆発に成功し、超小型の中性子星やブラックホールまで作り出して、地球を吹き飛ばしていた可能性も考えられます。  原子力とは恒星で起こっている物理現象全てを実現する道なわけで、最後まで研究開発が進んでいないだけなのです。

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  • ucyuuneko
  • ベストアンサー率17% (63/354)
回答No.5

 当初、科学者達は純粋に科学的探究で研究をしていましたが、人類が原子核について理解し始めたちょうどそのときに、第二次世界大戦が起こったのが悲劇の始まりとなりました。物理学の歴史を見てみれば、1930年代までに行われた実験は個人レベルでも再現可能で、まだまだ健全であったと思われます。科学が国家の名のもとに行われるようになったとき、サイエンスの健全性は失われてしまいました。放出された中性子が別のウラン原子核に吸収され、核分裂を引き起こす。これが繰り返されれば、連鎖反応が起きて、莫大なエネルギーが一挙に放出されるだろう。ここに、原子爆弾製造への道は拓かれ爆発的にエネルギーを発生させようという試みが始まりました。  原子力利用の歴史は一般に、1938年、ドイツのオットー・ハーンとリーゼ・マイトナーがウランの核分裂を発見したことに始まったとされています。その後しばらくして、ウランの核分裂反応によって放出される複数の中性子は、さらに他のウラン原子に当たって連鎖反応を引き起こすということも予想されるようになりました。それを受けて早くも1939年3月にはイタリアからアメリカへ亡命していた物理学者のエンリコ・フェルミが米海軍代表との会議の場で「遅い中性子を利用すれば制御できる反応、速い中性子を使えば爆発性の反応が得られる」と発言していたらしいです。「遅い中性子を利用した制御できる反応」とは原子炉での反応、「速い中性子を使った爆発性の反応」とは原子爆弾を示唆しています。8月にはローズヴェルト大統領に宛てて、原子爆弾の開発を進言した、有名な「アインシュタインの手紙」が送られるますが、実際これはシラードが執筆した手紙にアインシュタインが説得されて署名したものだったらしいです。この中では天然ウランを使った爆弾と原子炉の構想が語られ、ウラン諮問委員会(後にウラン委員会に改組)の設置につながりました。ただしこの段階では原爆の現実性については懐疑的で、むしろ天然ウランを使った黒鉛炉の研究の方に具体的な財政援助が行われたようです。核分裂を起こすウランの同位体ウラン235が天然ウラン中には約0.7パーセントしか含まれていないということが、天然ウラン原爆開発の技術的ネックになっていたためです。

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noname#212058
noname#212058
回答No.4

原子力のエネルギーの源である『核分裂』が発見されたのは、ナチスドイツが政権を取得した後の1938年のことです。その後、原子力は第二次世界大戦勃発のキナ臭い時代のなか、研究がすすめられ、膨大なエネルギーを秘めたものだとわかってきます。 この時点で、時代背景から原子力は兵器として利用されることは宿命だったかと思います。その後ドイツ、日本、アメリカ合衆国、イギリスがこの兵器をモノにするために日夜研鑽をつみ、最終的にアメリカがトップを切って開発に成功、日本で試したという顛末になるでしょう。 実のところ、このような膨大なエネルギー源というのは『穏やかに発生するように制御する』というのが非常に難しいので、ほとんどの場合は先に兵器ができます。例えば核融合は、水爆はとっくに完成しているのに、核融合発電は今でも実用化できていません。

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  • bardfish
  • ベストアンサー率28% (5029/17765)
回答No.3

政治家は軍事利用。 科学者は科学の発展と平和利用。

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  • hamazo2004
  • ベストアンサー率27% (292/1068)
回答No.2

今までの火を燃やし蒸気を沸かしという消耗的なことではなく無限連鎖的な爆発力でしょう。日本のことと言う前提で言うと、当然当時は石油ショックもあり、画期的なエネルギーと思ったのでしょう。高度経済成長の真っ只中で綿密な立地調査も無く、国民不在で利権だけでしたが。

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  • mpascal
  • ベストアンサー率21% (1136/5195)
回答No.1

初期の原子力技術は、今の原子力発電所のような制御された核反応ではありません。まさに広島、長崎に落とされた原爆が最初に開発されました。 ナチス・ドイツでも研究が進んいたので、アメリカは物理学の研究者を総動員して開発したのです。(マンハッタン計画)

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