資金総額の変化を表す微分方程式の導出

このQ&Aのポイント
  • 質問文章では、異なる投資戦略AとBに従って行動するグループA,Bの資産総額の変化を表す微分方程式の導出について質問されています。
  • 具体的には、投資戦略Aでは資金xに対してリターン100xR%を、投資戦略Bではリターン-100%を得ることができます。
  • また、グループA,B内の個人はランダムに2つのグループを移動し、グループ間の移動確率はp_AB,p_BAとされています。この設定において、資産総額の変化を表す微分方程式を導出する方法について質問しています。
回答を見る
  • ベストアンサー

資金総額の変化を表す微分方程式の導出

【質問のための準備】 今、異なる投資戦略AとBがあって、グループAに属する人は戦略Aに、グループBに属する人は戦略Bに従って行動するとします。 なお、戦略A,Bはそれぞれ次のようになっているとします。すなわち、資産x(>=0)を持つ個人が投資戦略A,Bを採用するとき、それぞれ100xR(>0)(%),-100(%)のリターンを得ることとします。つまり、 A: dx/dt = Rx B: dx/dt = - x と表すことができるとします(ここで、tは時間を表す)。 さらに重要な仮定として、各個人はランダムに2つのグループを移動するとします。具体的には、AからBへ(BからAへ)各個人間でi.i.d.なポアソン過程にしたがって状態が変化するとします。arrival rateをそれぞれp_AB,p_BAとします。 【質問】 そこで質問ですが、このような設定のとき、グループA,B内のt時点における資産総額の変化を表す微分方程式をどのように導出すればよいのでしょうか?(連続時間で考えたいので) 【考えてみたアプローチ】(しかし上手く行ってないっぽい…) 以下、私の考えを書いてみますが、どうも上手く行きません。 まず、時点tにおけるグループA,Bの資産総額をX_A,X_Bとする(tは省略)。このとき、 X_A(t+dt) = (1-p_AB*dt)*[X_A(t)+R*X_A(t)*dt] + p_BA*dt*[X_B(t)-X_B(t)*dt]+o(dt) = X_A(t) + (R-p_AB)*X_A(t)*dt + p_BA*X_B(t)*dt + o(dt) 考え方としては、tからt+dtまでの間は各自の投資戦略は固定されていて、t+dtのタイミングでランダムにグループ間移動が行われるとする。したがって、tからt+dtまでの間にグループAの人たちは全体で X_A(t)+R*X_A(t)*dt (+o(dt))の額まで蓄積したが、そのうちp_AB*dtの割合はグループBに移動してしまうので、残りの(1-p_AB*dt)の割合を掛けたものがグループAに属していた人々の資産総額。一方、p_BA*dtの確率でグループBから移動してくる人もいるので、その人達の資産総額 p_BA*dt*[X_B(t)-X_B(t)*dt] も足し合わせたのが X(t+dt)。 X_A(t)を左辺に移動してdt-->0とすると、 dX_A/dt = ( R - p_AB) * X_A + p_BA * X_B   (A式) となります。同様の方法で、 dX_B/dt = - (1 + p_BA) * X_B + p_AB * X_A  (B式) を得ます。 ただ、これは直観的におかしい結果です。特に(B式)について。 というのも、任意のある時点からスタートする任意の時間間隔に対して、グループBの中のある一部の集団がグループAに移動することによるX_Bの減少分は彼らが仮にグループB内に留まったときと同じであるはずで、この直観からは X_B(t+dt) - X_B(t) = - X_B(t) dt + p_AB*dt*X_A(t) + o(dt) という式が出てきて、dt-->0とすると dX_B/dt = - 1 + p_AB*X_A となるんじゃないかと思ってしまいます。 そもそも(B式)で合ってるのでしょうか? 確かに、(A式)と(B式)を合わせると、 dX_A/dt + dX_B/dt = R * X_A - X_B となって、うまくいっているように見えるのですが、(B式)の第一項が-1ではなく、-(1+p_BA)となって-1より小さくなっているのが気持ち悪いです。

noname#209416
noname#209416

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • ramayana
  • ベストアンサー率75% (215/285)
回答No.2

「質問文の(B式)と同じになるのではないでしょうか」 ああ、確かにそうですね。ANo.1 の B 式が間違いでした。 「X_Bの係数が-1よりも小さい-(1+p_BA)になってしまうのか、が『気持ち悪い』」 お気持ちが分かりました。元金を超えて損をする訳がないので、係数は -1 より大きいはずだ、ということですね。まさにここが離散と連続の違いだと思います。 離散の場合の損失額は、期首の金額に係数を乗じたものです。したがって、係数が -1 なら、期間中の損失は、期首の金額と同額になり、次期の期首には残額が 0 になります。式では、次のようになります。当期期首の残額をX1、次期期首の残額を X2 、係数を -r 、当期の損失額を D とします。   D = rX1   X2 = X1 - D = (1-r)X1 連続の場合をみる前に、期間を半期ずつに分けた場合を考えてみましょう。上の記号に加え、中間期の残額を Xm 、前期の損失をDa、後期の損失を Db とします。すると、次のようになります:   Da = rX1 *0.5   Xm = X1 - Da = (1-0.5r)X1   Db = rXm *0.5   D = Da + Db = 0.5rX1 + 0.5rXm = rX1-0.25r^2X1 = (r-0.25r^2)X1   X2 = X1 - D = (1-r+0.25r^2)X1 中間期に残額が減っているため、その分、後期の損失が抑えられていることに注意しましょう。 連続の場合は、期間をさらに 1/3、1/4、1/5 等々と細かく分割していったときの極限になります。結論だけ言えば、   X2 = exp(-r)X1 となります。期間中の残額の減少がリアルタイムで損失の抑制につながるので、r がどれだけ大きくても、次期の残額が 0 になることはありません。 

noname#209416
質問者

お礼

リプライありがとうございます!おかげさまでスッキリしました。 連続の場合、時間の長さ1の中でも(投資家が絶えず投資を行っているので)複利計算が行われて損失額が減少するということですね。 逆の例で100%儲かる投資手法を考えた場合、時間の長さ1の間に離散では資産がちょうど2倍になるが、連続の場合は複利計算が適用されて2倍以上(正確にはネイピア数=2.71...)になるということですね。 問題は解決しました。ありがとうございます。 ramayanaさんは連続時間の記述に大変慣れていそうですね。 もし良ければ、以下の新しい質問にもお答え頂ければ幸いです。 http://okwave.jp/qa/q8333778.html

その他の回答 (1)

  • ramayana
  • ベストアンサー率75% (215/285)
回答No.1

1 末尾に書いた保留を考慮したうえで、A 式は合っていると思います。 B 式は、たぶん間違いで、正しくは、   dX_B/dt = (- 1 + p_BA) * X_B + p_AB * X_A だろうと思います。 導出過程で、dt の 2 次の項をはじめから無視した方が、式も簡単になるし、見通しも良くなると思います。簡単に言えば、X_A の単位時間の変化量は、「投資のリターン」「グループAからの流出」「グループBからの流入」の和ですから、   dX_A/dt = R * X_A - p_AB * X_A + p_BA * X_B という式が直接導かれます。これは、 A 式と同等です。また、正しい B 式は、これの R を -1 に置き換え、A と B を入れ替えて得られます。ところで、B は必ず損をする(単位期間ですってんてんになる)戦略に見えますが、本当にこれでいいんですね? ちなみに、これは、定係数常微分方程式ですから、簡単に解が得られます(添付図参照)。 2 なお、質問文中の 「任意のある時点からスタートする任意の時間間隔に対して、グループBの中のある一部の集団がグループAに移動することによるX_Bの減少分は彼らが仮にグループB内に留まったときと同じであるはず」 の部分は、意味が分かりかねます。また、 「dX_B/dt = - 1 + p_AB*X_A」 という式は、 -1 に何の係数もかかっていないことから、明らかな間違いに見えます。 3(保留事項) (1)arrival rate p_AB とは、A に属する人のうち単位時間に B に移る人数の期待値の割合と解してしてよいか?また、だれが B に移るかの確率は一様(保有資産額で個人ごとの確率が異ならない)との仮定のもと、A に属する資産のうち単位時間に B に移る資産の期待値の割合とも解してよいか?p_BA についても同様。 (2) X_A や X_B は、総資産そのもの(これは確率変数)ではなくて、総資産の期待値と解してよいか?

noname#209416
質問者

お礼

丁寧なご回答ありがとうございます。 まず、保留事項はどちらもその通りです。 そこで、確認の質問をさせてください。 「B 式は、たぶん間違いで、正しくは、   dX_B/dt = (- 1 + p_BA) * X_B + p_AB * X_A だろうと思います。」 とあり、その導出については、 「  dX_A/dt = R * X_A - p_AB * X_A + p_BA * X_B ・・・これの R を -1 に置き換え、A と B を入れ替えて得られます。」 とあります。 しかし、Rを-1に置き換え、AとBを入れ替えると、 dX_B/dt = - (1 + p_BA) * X_B + p_AB * X_A となり、質問文の(B式)と同じになるのではないでしょうか? ちなみに、100%損をするというのは敢えてそうしているので問題ありません。 離散だと X_B,t+1 = - X_B,t + p_AB*X_A とX_B,tの係数が-1と直観的なのに、なぜ連続時間にすると(B式)のように X_Bの係数が-1よりも小さい-(1+p_BA)になってしまうのか、が「気持ち悪い」と書いた理由です。 「任意のある時点からスタートする任意の時間間隔に対して、グループBの中のある一部の集団がグループAに移動することによるX_Bの減少分は彼らが仮にグループB内に留まったときと同じであるはず」 については無視してください。「気持ち悪い」理由を説明しようとしましたが、うまくいきませんでした。 「dX_B/dt = - 1 + p_AB*X_A」 はおっしゃる通り明らかに誤りで、書こうとした式は dX_B/dt = - X_B + p_AB * X_A です。ちょうど離散の式に対応するものです。Bに属していれば全額損をするので - X_B とあるのは直観的。でも、上で導出した式だと、さらに - p_BA * X_b が加わる。確かに、流出金額を考慮したものだが、流出する人の資産って戦略Bをとっている限り0だから考慮しても意味ない、というか減少額を(絶対値でみて)過大に計上してしまっているのでは?と思ってしまい、気持ち悪いと思ったわけです。 離散と連続だと直観がズレる場合があるのかもしれませんが、どうすれば納得できるのかわかりません。

noname#209416
質問者

補足

「離散だと X_B,t+1 = - X_B,t + p_AB*X_A 」 と書いていますが、正しくは X_B,t+1 - X_B,t = - X_B,t + p_AB*X_A です。

関連するQ&A

  • 微分方程式

    d^2x/dt^2=x/ab (xはtの関数、aとbは定数) 条件:x(t₁)=x₀、t=t₁のときdx/dt=0 参考書によると、答えはx=x₀cos{(t-t₁)/√(ab)} x=Acos√(ab)t+Bsin√(ab)tとおいてからどうするのですか? 詳しい解説お願いします。

  • 微分方程式

    こんにちは。微分方程式の問題が解けなくて困っています。 次のx(t)に関する微分方程式 d^2x/dt^2=-1/x^2 ただし初期条件はt=0でx=X0(x0>0),dx/dt=√2であるとする。 (1) 与式の両辺にdx/dtを乗じて積分することにより、初期条件を満たすxについての1階微分方程式をもとめよ。 必要ならば、公式d/dt(dx/dt)^2=2*(dx/dt)*(d^2x/dt^2) (2)0<x0<1のときt(t≧0)餓変化した場合のx(t)の最大値を求めよ。 (1)は与式の両辺にdx/dtをかけて dx/dt(d^2x/dt^2)=-1/x^2*(dx/dt) 与えられた公式をつかい (1/2)*d/dt*(dx/dt)^2=-dx/dt*(1/x^2) (1/2)*d/dx*(dx/dt)^2=-(1/x^2) 両辺xで積分すると (dx/dt)^2=2/x+2(1-1/X0)(初期条件より) (2) は dt/dxが0すなわち1/xが-(1-1/X0)のときかとおもったのですが よくわからないです。 どなたかおねがいします。。

  • 微分方程式の解法

    (1)(d^2x)/(dt^2)=b  条件:t=0、x=0、dx/dt=0 (2)(d^2x)/(dt^2)+a(dx)/(dt)=b  条件:(1)と同じ (3)(dy)/(dt)+ay^2=b  ただし、a>0、b>0  条件:t=0、y=0 の解法を教えて下さい。

  • 微分方程式

    こんにちは。微分方程式の問題が解けなくて困っています。 次のx(t)に関する微分方程式 d^2x/dt^2=-1/x^2 ただし初期条件はt=0でx=X0(x0>0),dx/dt=√2であるとする。 問題 与式の両辺にdx/dtを乗じて積分することにより、初期条件を満たすxについての1階微分方程式をもとめよ。 必要ならば、公式d/dt(dx/dt)^2=2*(dx/dt)*(d^2x/dt^2) 少し問題の書き方がおかしいかもしれませんが(微分の書き方)どなたかお願いします。 自分なりにといたのですが 与式の両辺にdx/dtをかけて dx/dt(d^2x/dt^2)=-1/x^2*(dx/dt) 与えられた公式をつかい (1/2)*d/dt*(dx/dt)^2=-dx/dt*(1/x^2) ∫(1/2)*d/dt*(dx/dt)^2=-∫dx/dt*(1/x^2) ????? と与えられたヒント通りにしてそこからどうしたらいいのかわからなくなってしまいました・・・

  • 微分方程式

    dx/dt= v dv/dt= -x (初期条件t = 0 に於いてx = -1 v = 0) を満たす微分方程式を t=1,2,3,4の時での詳しい解答を教えてください。 1番上の2式を併せるとd^2x/dt^2 = -x(初期条件t = 0 に於いてx = -1 dx/dt = 0)となります。

  • 微分方程式について

    微分方程式について。 yやdy/dxの形ならば解けるのですが ちょっと変わった形になると解けずに困っております。 回答お願いします。 1 未知関数x(t),y(t)に関する微分方程式 x´(t)=y(t), y´(t)=-x(t)を 初期条件x(0)=a, y(0)=bの下で解け。 2 x=x(t)を変数tのC^∞級関数とする。 このとき、 d^2x/dt^2 +(dx/dt)^2 -4=0 を解け。 3 tの関数x(t)が次の微分方程式を満たすとする x´+x^2+a(t)x+b(t)=0 ただしx´=dx/dtである。 ・x(t)=u´(t)/u(t)のとき、関数u(t)の満たす微分方程式を求めよ。 ・微分方程式 x´=x(1-x)の一般解を求めよ。 長いですが回答お願いします

  • 常微分方程式です

    (dx/dt)^2+(bx)^2-(ba)^2=0  [x(0)=aとする] の解き方を教えてください。お願いします。

  • 連立微分方程式

    点P(x,y)は連立微分方程式 dx/dt=y dy/dt=-x を満たすものとする。t=0で原点以外の点から出発した点P(x,y)は、tが増加するにつれてどのようにふるまうか述べよ。図を用いてもよい。 この問題の解き方がよく分かりません。 連立微分方程式について、色々な文献を見てみたのですが、どうもいまいちです。 上の連立方程式を2つともdt=のかたちにして、dx/y=dy/-xという式にし、変数を分離して両辺を積分して・・・すると、x^2+y^2=Cという式に なりました。 円の方程式っぽいです。 でも、tは消えてしまい・・・ よく分からなくなってきました。 そもそもここまでの解き方も自分は間違っているのでしょうか?? ご意見やヒント、解答ヨロシクお願いしますm(_ _)m

  • 微分方程式

    d^2x/dt^2+2dx/dt+5x=cosωt の解で、初期条件t=0において x=1,dx/dt=0を満たすものを求めよ 解き方が分かりません。 教えてください。

  • 微分方程式・・・。

    問題はdt/dx=x^2 , x(0)=a この微分方程式の解x(t)が任意の時刻t>0までに存在するまでの初期値aの満たすべき条件を求めよ。 という問題です。オイラー法を使ってやるのかなってとこぐらいまでしかわかりません・・。dx/dt=f(t,x)とx(to)=xo から先に進みません。 アドバイスいただけませんか。