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池波正太郎と司馬遼太郎の比較

歴史小説の二台巨頭であるこのお二人、 文学素人にも分かりやすく比較して説明するとしたらどのようになるでしょうか? 簡単に作品・作風・実績・人物の特徴などをご教示いただければと思います。 また敢えて優劣を付けるとしたらどうなるでしょうか。理由も添えて宜しくお願い致します。

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回答No.3

池波先生の作品は、改行が多くて、ページが全体的に白っぽいです。だから、読みやすく、すごく早く読めます。語彙も、[破落戸(ごろつき)」など、普段あまり見ない熟字訓なども使われていますが、比較的平易です。ストーリーも、短いものが多く、人物関係も分かりやすく、ちょっとした時間にも、楽しむことができます。 シリーズ物では、おなじみの、一癖も二癖もある脇役が登場して、愛読者サービス満点です。どちらかと言えば、読後感のよい作品が多いです。先生ご自身の食通ぶりを思わせる描写も、随所に見られます。 池波先生ご自身は、自分の作品を、[歴史小説」という範疇で考えてはおられなかったのではないかと思います。とにかく、読む人に楽しんでもらおう、という、職人気質のようなものを感じます。 司馬先生の作品は、娯楽色の強い作品でも、台詞ごとに改行するような書き方はしていません。粘り強く読むことのできる人を想定して書かれていると思います。語彙は、かなり豊富で、ある程度の国語力を、読む人に要求します。「品格」というものが、意識されている文章です。ストーリーは、かなり息の長い書き方がされていますが、起伏に富んでいて、読む人を飽きさせません。期末テストの前にはまりこむと、悲惨なことになります。 歴史上の人物や出来事を題材にして書かれた作品が多いですし、詳しく資料にあたって書いておられますが、あくまで小説であり、作者の奔放な想像力を賞賛しつつ楽しんで読むべきでしょう。とは言え、司馬先生の作品のおかげで日本史が好きになったという人は、多いのではないかと思われます。土方歳三のことを「トシさん」と呼ぶ人は、だいたい、司馬先生の愛読者とみて間違いないでしょう。 優劣をつけるのは、無意味です。どちらの作品も、出会えてよかった、さもなければ後悔したに違いない、と思っています。

IKUYOSHI
質問者

お礼

回答ありがとうございました。

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  • kine-ore
  • ベストアンサー率54% (808/1481)
回答No.4

時代小説と言えば先ごろまで「一平二太郎」と呼んで、司馬遼太郎と池上正太郎それに藤沢周平が筆頭に挙げられていたものでした。 その「太郎」二人とも大正13年に、池波が東京浅草なら、司馬は大阪灘波にと、好対照の地でそれぞれ生を受けた同い年同士です。 彼らが共に時代物の小説でのデビューを果たした昭和31年といえば、初めて出版社が出した20円の週刊誌が大当たりした年でした。その後の週刊誌激増に火をつけた二大小説が五味康祐「柳生武芸帳」と柴田錬三郎「眠狂四郎無頼控」だったのです。それに続く白土三平の劇画「甲賀武芸帳」、山田風太郎の「甲賀忍法帖」シリーズなど相次ぎ、時の貸本屋ブームとも相まって日本中を席巻していたこの最中に、司馬が忍者物で、やや遅れて池上が真田もので直木賞を受けています。 池上の受賞が遅れたのは、選考委員の海音寺潮五郎の選り好みの強さのせいとも言われますが、両者の作風の大きな隔たりを物語るエピソードとしても思い起こされます。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~s-yuki/itsuwa02.htm 司馬の初期の作品群は、あたかも幸田露伴の執着した魔法小説の世界を髣髴させるような怪しの世界にあったが、その後の忍者物を経て、ついに昭和41年から始まった新聞小説「竜馬がゆく」とその後の「燃えよ剣」の大ヒットによって、特定人物中心に焦点を絞った歴史小説作家としての、独自の司馬史観を展開していきます。 司馬のもっとも良質な作品は、むしろこれらの小説路線というよりはドキメンタリーを通して自身のフィクションを飛躍させて見せた「街道をゆく」シリーズにこそあると信じます。また司馬の初期の魔法の世界については、中期においても「妖怪」などの形で飛び飛びに現れるが、それらの熟成されたものが「空海の風景」にあたるということもできます。 戦略好きな経営者から、どちらかと言えば話好きな管理職や意気盛んな若手社員層にまで幅広く好まれてきたのは、その切れ鋭いクールな歴史情勢分析と個人への熱烈偏愛の両極にまで及ぶ、多彩にして華麗な筆勢にこそあるのでしょう。 池上については、武将真田一族やまたその忍者たちの生き方から大長編「真田太平記」や「忍者丹波大介」ものへと、また上杉家ひいては赤穂騒動での「堀部安兵衛」や、幕末の「西郷隆盛」など幅広く描き続けていきます。 この乱世の忍者物の延長に江戸期の盗人物が連なる形で、その集大成がまさに「鬼平犯科帳」であって、また裏面からは「必殺仕掛人梅安」ともなり、それはチャンバラ主体としての「剣客商売」と合わせた連作長編群として三大シリーズを成していったものでした。 「世に住む日々」に見られるように、司馬は特定の人物の心の動きに分け入りながら、その結果小説としての流れに筆者が割り込んで分析を加えたり、何故なのかと読者に問いかけたり自身の主張を解き明かすことが勝った、一般的な小説というよりも松下村塾や高杉晋作の伝記であり、なにより幕末長州藩の置かれた情勢分析書の観を呈したものがあり、その主役の取り上げ方や、その人物を取り囲んでいる時代・風土への独自の情勢分析に共感する向きには、もはやその司馬史観に取り憑かれて深入りするばかりでしょう。 「真田太平記」を読み始めると、物語はゆるゆると進みながらも、いつしか関ヶ原に、さらに大阪夏冬の陣に至って、そこで初めてアレ?もう終わったの!となって振り返ると何のことはない全16巻本が終わっています。文庫の12巻本版だけでも何と650万部読まれている理由が読んだものなら容易に納得できます。これほど読みやすい作品を描くことが、まさに池上の真骨頂といえるでしょう。読者に優しいのです。舞台を見るように行間から場面が見えてくるほどで、とりわけ料理のシーンは見せられます。 「鬼平犯科帳」は文庫版(全24巻)で実に2000万部に及ぶと言われるのは、いかに多くの世代に読み続けられているかの証でしょう。 厳しい上役には叱られ、今どきの新人には軽んじられ、家庭では愚痴をこぼされながらも、なお一時間余満員電車で立ち続け通っている時の辛抱の友であり、そんなサラリーマン諸氏の心のオアシスは五時過ぎの一杯で仲間と「鬼平」や「剣客」のあの場面とかこの男女の世界などを語らうひと時でもあったでしょう。 これだけ多くの読者を引き付けた作家同士の、その素晴らしさを語ることはあっても、はなから「優劣を付ける」などは何ともその意図が分かりません。 「文学素人」として読書に自信がないのであれば、まずは池上の有名作あたりからゆるゆる読んでみてはいかがでしょう。行間がスカスカなので、字の多い劇画感覚でもすぐ読み馴染めるでしょう。そして「真田太平記」の文庫版12巻を読み終えたのが半月以内であれば司馬の「竜馬がゆく」へ、ひと月ていどなら引き続いて「蝶の戦記」などへ、万一二箇月かかっても読み終えない場合は、そもそも「優劣を付ける」意味もないでしょう。

IKUYOSHI
質問者

お礼

回答ありがとうございました。

  • tododesu
  • ベストアンサー率36% (28/77)
回答No.2

pupPeTeer119さんと同じです。 優劣はつけませんが、司馬遼太郎について、戦争オタクの私としては、非常に偏った資料にもとづいた司馬氏の断定が多いと感じます。考証不足ではないかと。 特に「坂の上の雲」について。

IKUYOSHI
質問者

お礼

回答ありがとうございました。

回答No.1

個人的なイメージですが、 池波正太郎作品  大衆文学、ストーリーテラー 司馬遼太郎作品  歴史書 優劣は付ける事に意味が無いと思います。 理由=このお二人の作品は同じ土俵で語るべきものでは無いと思うため。 好き嫌いで語ってよいのであれば、池波正太郎作品の方が好きです。

IKUYOSHI
質問者

お礼

回答ありがとうございました。

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