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読みたいと思う本が無くなっちゃった・・

Head_Syndicateの回答

回答No.6

リクエストにお答えして。(この質問システムだと、個人同士のやりとりに 移行するのがやりにくいですね。それともなにかyudohuさんだけに連絡する 手段はあるのでしょうか?) 『驚愕の曠野』、あの切なさや感動はなんと表現すればいいのか。手法に 感動する…と言うだけではないですよね。いわゆるストーリー的(というのが 語弊があれば、古典的でリニアな)小説では絶対に味わえなかったものがあり ます。 さて、ヌーヴォーロマンは特定の特徴を持つというより、1950年ごろからフラ ンスに現れた作家群への総称ですね。日本歌謡曲における「ニューミュージッ ク」みたいなものでしょうか。ロブ=グリエの他にビュトール、サロート、 クロード・シモンなどがいますがひとくくりにまとめるのは無理があるようで す(全部を私は読んだわけではありませんので…そういう説明をよく見ます) あとマルグリッド・デュラスもこの中に含めるようですが、私はちょっと…。 そうそう、ロブ=グリエでは「迷路の中で』『覗くひと』が最近講談社文藝文庫 で出てます。どちらもたいそう読み難いですが。『覗くひと』のほうが良かっ たかな。あとこの秋にカムバックして新刊が出るとの話もあります。 ウリポはジョルジュ・ペレック、レイモン・クノーらが作ったグループで、 フランス語で「実験文学工房」という意味の語の略だそうです。 「人生使用法」という、あるアパートのある時点での光景を詳細に描くもので、 そう、筒井氏ので言うなら「上下左右」みたいな図のものを、もっと執拗に綿 密に描写したようなものと言えるでしょう。索引がついていて、各部屋にある 置物などが辞書のように並んでいたりします。描写の順番などにも仕掛けが してあって…まあすごいものです。 ほかにペレックは「e」の文字を使わない小説とか(これに対抗心を燃やして 『残像に口紅を』を筒井氏が書いたのは有名な話)、逆に母音はeしか使わな い小説とか、ギネス級の回文となっている小説とかを書いていますが、これら は邦訳されていません(はず…ですがひょっとしたら訳してるかな?柳瀬尚紀 氏あたりが)。 レイモン・クノー氏も、「文体練習」という、「バスにのってどこかへ行く 途中、足を踏まれて怒った男を見た、2時間後にそいつは別の男と話していた」 ってだけの話を99の異なる文体で書いたものがあります。 ちょっと長くなりすぎましたのでこのへんで。 たくさんいますよね。でも、やっぱり普段は、面白い作家は少ないよなと感じ るのは、ファンの欲目なのかなんなのか。

noname#1258
質問者

お礼

お待ちしておりました! 興味津々のご回答を頂きありがとうございます。 確かに、この掲示板のシステムだと、個人間での会話に移行する際に難渋してしまいますね。 メールでやり取りできればいいのかもしれませんが、 それだと、このQ&Aを読んで下さっている第三者の方と、副次的に情報を分かち合える事が 出来なくなるし、むずかしいところです。 『驚愕の曠野』は、仰るとおり、ただ主人公に感情移入して物語を追う、などといった感動とは、 全く異なりますよね。 河出文庫版の、あの挿し絵や文章のレイアウトが生む効果もまた見事だと思います。 ロブ=グリエ、クロード=シモンの二人は、名前だけ知っていますが手に取ったことはありません。 ビュトール、サロートなんて全く聞いたこともありませんでした。 ジョルジュ・ペレック「人生使用法」については、筒井康隆「本の森の狩人」で紹介されていたので、 なんとまあ凄い本もあるものだ、と、強い印象と共に、その存在だけは知っています。 Head_Syndicateさんは、この本を読破なさったのでしょうか。たいへんな読書家ですね。 ウリポの作家達の本が読めると良いのですが、とても翻訳されてはいないでしょうね。 話はそれますが、僕は柳瀬尚紀氏は好きになれんですよ。 ちくま文庫「不思議の国のアリス」も、言葉遊びに夢中になったのか、実に読みにくかったし、 「フィネガンズ・ウェイク」なんてワープロの漢字変換に、余りに頼りすぎです。 筒井康隆「文芸時評」のあとがきも、筒井康隆のフリをして書いているのですが、 文章での演技が上手とは、とても言い難いですよ。いかんですよ全く。 面白い作家が少ないと思うのは、見識高い証明なのかもしれないぞ、 と思ったりもするのですが、違うのかなあ。違うみたいですね。 「人生使用法」だけは、読んでおきたいな。 色々レクチャーして下さり、ありがとうございました。 心から、感謝申し上げます。

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