民法 相殺 イメージできません><

このQ&Aのポイント
  • 民法相殺についての理解が難しいです。
  • 注文者の損害賠償債権と請負人の報酬債権は同時履行ですが、相殺の抗弁が成立する場合には残存する報酬債権について遡及効力が生じます。
  • 相殺適状の時点から注文者は遅滞の責任を負います。また、相殺の意思表示は相殺適状の時点から遡及することになります。
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民法 相殺 イメージできません><

「注文者の瑕疵修補に代わる損害賠償債権と、請負人の報酬債権とは同時履行の関係にあるが、注文者がその損害賠償債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張した場合に、報酬債権が残存するときは、相殺の効力は相殺適状の時まで遡及するから、注文者は相殺適状の時点から遅滞の責任をおうことになる。」 正解→× という問題文が何を言っているかまったくつかめません。 特に、「注文者がその損害賠償債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張した場合に」とは、どんな時に、何に対して抗弁するのですか? また、「相殺の効力は相殺適状の時まで遡及するから、注文者は相殺適状の時点(解答では翌日です。)から遅滞の責任をおうことになる。」とはどういうことですか??さっぱりわかりません。 加えて、請負が絡まない、ノーマルな相殺に関して、「相殺の意思表示は相殺適状の時点に遡及する。」ということが、「相殺適状の時点から遅滞の責任を負うかどうか」の議論につながっていく流れがわかりません。どなたか、わかりやすく教えて下さい。

質問者が選んだベストアンサー

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noname#161900
noname#161900
回答No.1

まず、相殺の抗弁について説明します。 注文者は損害賠償請求権を持ち、対する請負人は報酬請求権を持っています。つまり、2つの債権(お金を払ってもらう権利)がお互いに対抗しているわけです。これら2つの債権をそれぞれ行使し合うよりは、互いの債権を打ち消し合い、残りの差額だけを処理すれば、煩雑さを回避できて望ましいのです。これが「相殺」(505条)です。そして抗弁とは、相手の債権行使に意義を唱える権利のことです。この事例の場合は、注文者が「私とあなたの債権を相殺したいから、あなたの報酬債権は相殺後の差額だけね」と主張していることになります。 次に、相殺の効力の遡及と履行遅滞の時期について説明します。 これは原則から考えます。この事例の場合は、相殺をした結果、請負人の報酬債権だけが残るわけですから、履行遅滞の責任を負うのは注文者です。瑕疵を発見しているということは、既に引き渡しは受けているはずなので、633条、412条により注文者はこの時点で履行遅滞に陥っていると言えそうです。ところが、この時点ではまだ履行遅滞ではありません。互いに同時履行の抗弁権を持っているからです(533条)。請負人に対して損害賠償請求権をもって対抗できるということです。さらに、この時点ではは505条1項の条件を満たし、相殺適状の状態でもあります。そして相殺が実行されると、残りは請負人の報酬債権のみになりますので、注文者は損害賠償請求権の同時履行の抗弁権を失い、報酬債権を払わざるを得なくなります。まさにこの時が、履行遅滞に陥る時なのです。つまり、相殺の効力が発生した時(相殺適状の時点)の翌日ということになります(140条)。 最後の質問に関しては、上述の説明を参考にして考えてみてください。私はケースバイケースだと思うのですが。 また、私は携帯サイトから打ってますので、文章が見ずらかったりするかもしれませんが、その点はご勘弁ください。

monupage
質問者

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ご回答ありがとうございます。本当にとてもよくわかりました!すばらしいです!>< ありがとうございます。

その他の回答 (1)

  • 17891917
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回答No.2

こんにちは。 1 正解は,「注文者の瑕疵修補に代わる損害賠償債権と、請負人の報酬債権とは同時履行の関係にあるが、注文者がその損害賠償債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張した場合に、報酬債権が残存するときは、注文者は、相殺の意思表示をした日の翌日から履行遅滞による責任を負うことになる。」ですよね。 2 「注文者がその損害賠償債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張した場合に」とは、どんな時に、何に対して抗弁するのですか? →請負の仕事の目的物に瑕疵があるときに,請負人の報酬支払請求に対して,(民法634条2項に基づく損害賠償債権を自働債権,請負人の報酬支払債権を受働債権として)相殺の抗弁をするということです。 ※(請負人の担保責任) 民法第634条 仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。 2 注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。 3 「相殺の効力は相殺適状の時まで遡及するから、注文者は相殺適状の時点(解答では翌日です。)から遅滞の責任をおうことになる。」とはどういうことですか?? →No.1の方も説明されていますが,相殺の意思表示について「双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。」とされている(民法506条2項)ことから,相殺をしても残る注文者の報酬支払債務残額については,相殺の効力が発生する相殺適状になった時点から履行遅滞の責任を負うということでしょう。  しかし,これは,結論として間違いです。  最高裁は,平成9年7月15日判決で,「請負人の報酬債権に対し注文者がこれと同時履行の関係にある目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とする相殺の意思表示をした場合、注文者は、請負人に対する相殺後の報酬残債務について、相殺の意思表示をした日の翌日から履行遅滞による責任を負うものと解するのが相当である。」としており,これが本問の正解なのですが,その理由として「瑕疵修補に代わる損害賠償債権と報酬債権とは、民法六三四条二項により同時履行の関係に立つから、注文者は、請負人から瑕疵修補に代わる損害賠償債務の履行又はその提供を受けるまで、自己の報酬債務の全額について履行遅滞による責任を負わないと解されるところ、注文者が瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権として請負人に対する報酬債務と相殺する旨の意思表示をしたことにより、注文者の損害賠償債権が相殺適状時にさかのぼって消滅したとしても、相殺の意思表示をするまで注文者がこれと同時履行の関係にある報酬債務の全額について履行遅滞による責任を負わなかったという効果に影響はないと解すべきだからである。」と述べています。  つまり,最高裁は,相殺の遡及効よりも「相殺の意思表示をするまで注文者がこれと同時履行の関係にある報酬債務の全額について履行遅滞による責任を負わなかったという効果」を優先させることにより,注文者の残債務(:報酬債務と損害賠償債権との差額を支払う債務)を相殺の意思表示まで履行遅滞にならないようにして,注文者の保護を図ったということです。 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=54785&hanreiKbn=02 【民法】 http://www.houko.com/00/01/M29/089.HTM

monupage
質問者

お礼

かなり詳細に教えていただきありがとうございます。参考URLも載せていただきありがとうございました。私も判例しっかり読んでみたいと思います。

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