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質問No.683408
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鈴木宮浦カップリングにおけるパラジウム触媒について
ボロン酸を用いた鈴木宮浦カップリングにはゼロ価のラジウムを用いるのが一般的ですが、時々2価のパラジウムを用いている例があります。この場合パラジウムは触媒サイクルの中でどのように働くのでしょうか。ゼロ価の場合の最初の酸化付加のステップが付加脱離に変わるだけで後は同じなのでしょうか。
この分野に詳しいかたがおられましたらお教え下さい。
投稿日時 - 2003-10-19 06:34:28

質問者が選んだベストアンサー

回答No.3
>此の反応では、炭酸ナトリウムのような塩基を用いますが、これにより0価のパラジウムを生じるのでしょうか。私の考えでは、この反応では酢酸パラジウムのような2価のパラジウムから付加脱離によりArPdXが生じ
さらにトランスメタレーションによりArPdAr2が生じる
次の還元的脱離によりPd(0)が生じこれが普通の触媒サイクルに乗ると思っているのですがどうでしょうか。

その通りですが、塩基はパラジウムだけを活性化しているのではありません。ホウ素に塩基が作用することによってホウ素上の置換基とパラジウム上の配位子の間でトランスメタル化が進行するのです。トランスメタル化に次いで還元脱離が起きることによってPd(0)が発生し、それが活性種となるのです。

塩基が存在しなければホウ素とパラジウム間でのトランスメタル化がほとんど進行しない(と考えられている)ので、触媒活性種が生じない→反応が進行しないことがわかっています。

どうも私が用いた還元剤という表現がまずかったようですね。「塩基」がいかに重要かということをもっと強調しておくべきでした。たとえばPPh3のような配位子がなくても、Pd(OAc)2と塩基さえあれば触媒反応が進行する例も知られています。
投稿日時 - 2003-10-20 19:45:16
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お礼
この説明で前のコメントの意味が理解出来ました。有り難うございました。
触媒に知識の深い方の意見をうかがえて良かったと思っています
投稿日時 - 2003-10-22 05:25:58

ベストアンサー以外の回答 (2)

回答No.2
>PdCl2(dppf)2などの2価のパラジウム
何の躊躇いもなくdppfという略称を使う当たり、
もしかして先月末に大阪大学で催された学会に来てたりしますか(^^;)?

発見者のReviewが有ります。

Miyaura, N.; Suzuki, A. Chem. Rev. 95 (7), 2457-2483 (1995).

触媒サイクルは何が効いていのか良く分からないことが多いんですが、
一連のPd触媒を使うカップリング反応(Stille、熊田-玉尾、根岸etc)では、
Pd(0)<->Pd(II)で反応が進行しているというのは大方の同意を得ています。

>私の考えでは、この反応では酢酸パラジウムのような2価のパラジウムから
>付加脱離によりArPdXが生じ

これで正しいと思います。
反応開始のステップで、有機ボランとPdX2のメタセシスにより
ArPdX2を発生するのでしょう。参考にしたPd(II)触媒では、
あらかじめ有機ボラン化合物を系中に作っていますよね?
投稿日時 - 2003-10-20 12:49:32
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お礼
詳しい説明をありがとうございました
Pd(0)Pd(II)サイクルがまわっていることは確かなようですね。
ボラン化合物は作ってあります
投稿日時 - 2003-10-22 05:18:59
回答No.1
>ゼロ価の場合の最初の酸化付加のステップが付加脱離に変わるだけで後は同じなのでしょうか。

酸化数の変化がないσ-bondメタセシスタイプの反応ということでしょうか? 反応としては起こり得ますが、これが触媒サイクルの素反応のひとつとなるのではありません。ほとんどの触媒サイクルの中では、パラジウムはPd(0)とPd(II)の酸化数を取っています。

投入される原料として、二価のパラジウムが用いられることがよくあります。理由はさまざまですが、たとえば0価のパラジウム錯体は二価の錯体に比べて空気に対して不安定であり、長期保存に向かず、工業化を視野に入れた場合扱いにくいことがあげられます。ほかにも理由はありますが、それについてはご自分で考えてみてください。

鈴木宮浦カップリングに限らず、二価のパラジウムを触媒活性種の前駆体に用いる場合、反応助剤として還元剤、あるいは還元剤の働きをする塩基が用いられているはずです。たとえば酢酸パラジウムPd(OAc)2を用いる場合には、ホスフィンを多めに使いますが、これは配位子として働くホスフィン以外に、酸化される代わりにパラジウムを還元してPd(0)を発生させるためのホスフィンも必要だからです。

”0価のパラジウムを如何に効率よく発生させるか”はパラジウム触媒を用いたプロセスの大きなテーマのひとつです。またパラジウムに限ったことではありませんが、投入した金属の数パーセントだけが触媒として機能して、残りの大多数は働いていないこともよくあります。溶媒の種類や反応温度、助剤の種類や量で触媒の働きは劇的に変化します。ここが錯体触媒に関する研究の面白いところでもあり、辛いところでもあるのです。
投稿日時 - 2003-10-19 08:16:35
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補足
organomets 様 丁寧な返事をありがとうございました。もし御存じでしたら教えていただきたいのですが、この反応において、酢酸パラジウム単独あるいは
PdCl2(dppf)2などの2価のパラジウムを単独で用いている場合があります(還元剤を加えずに)、この場合0価のパラジウムは反応系内でどのようにして生じているのでしょうか。此の反応では、炭酸ナトリウムのような塩基を用いますが、これにより0価のパラジウムを生じるのでしょうか。私の考えでは、この反応では酢酸パラジウムのような2価のパラジウムから付加脱離によりArPdXが生じ
さらにトランスメタレーションによりArPdAr2が生じる
次の還元的脱離によりPd(0)が生じこれが普通の触媒サイクルに乗ると思っているのですがどうでしょうか。
投稿日時 - 2003-10-19 10:09:14
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