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りん光発光OLED

りん光発光を利用した有機ELについての論文を読んでいるのですが、参考文献を調べてもいまいちよくわからないところがあり困っています。すみませんが、少しでも良いので、手助けお願いします。 ・三重項-三重項消滅とは具体的にどのような現象でしょうか?電流密度が大きくなるにつれてりん光OLED素子の電流効率がさがるのが、この現象のためと書いてあるのですがよくわかりません。 ・EL発光スペクトルの長波長側にexciplex発光のピークが出たと書いてあるのですが、exiplex発光とは具体的にどのようなものなのでしょうか?素子の構造は、ホール輸送層にNPB、発光層にFIrpic(ホストにOXD)、電子輸送層にBphenで、NPB/OXD界面でexciplexがおこると書いてあります。 ・駆動電圧が低いりん光発光素子として、p-i-n構造というものについて軽く記載されているのですが、これはどのようなものなのでしょうか?

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  • semikuma
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回答No.1

私もあまり詳しくないので、分かるところだけ簡単に説明しておきます。 物質が光や電子などの何らかのエネルギーを吸収したときは、電子が高いエネルギー状態(励起状態)に遷移します。 そして励起された電子が元の基底状態に直接遷移してホールと再結合したとき、励起状態と基底状態との差分のエネルギーが光として放出されます。 電子は上向きのスピン(↑)と下向きのスピン(↓)のどちらかを持っていますが、基底状態のスピンをそのまま保持した励起状態が一重項励起状態であり、そのままのスピン状態で基底状態に遷移するときの発光が「蛍光」です。 ここで、パウリの排他律により一つの電子軌道には同じスピンの電子は存在できませんが、電子スピンの組み合わせは(↑↑)(↑↓)(↓↑)(↓↓)の4通りなので、例えば自分自身のスピンが↑である確率1/2、落ちていく先に↓のスピンが空いている確率1/2と、蛍光発光が起こる量子確率は最大で25%です。 一方、励起状態でも熱的擾乱などにより電子のスピンの向きが変わることがあり、この状態が三重項励起状態です。 一重項遷移の場合は、自分自身が抜けたホールがそばにあるのですぐに蛍光を発して再結合しますが、三重項遷移の場合は、対応するスピンの軌道が空くまで待つか、自分自身のスピンが再び変わるまで待たねばならないので、再結合するまで時間がかかります。 つまり、電子を励起する光を切っても、しばらく発光が続きます。 これが「燐光」です。 燐光は蛍光に比べて量子効率が原理的に3倍まで向上できるので、最近の有機EL素子は、燐光、もしくは燐光と蛍光の両方を利用するのが主流となっています。 電流密度が大きくなるにつれてりん光OLED素子の電流効率がさがるのは、蛍光発光が増えるからでしょう。 exciplexは知りませんが、exciton(電子・正孔の対がクーロン力によって束縛状態となったもの)が一対でなく複数の対になったものと想像します。 有機EL素子は、LUMO(半導体で言うP型)層とHOMO(同じくn型)層とを積層して電子とホールを注入し、発光させますが、半導体の場合は、再結合効率を高めるために、間にp型でもn型でもないi(intrinsic:真性)層を挟み、p-i-n構造とします。 有機EL素子で駆動電圧を下げるのはちょっと話が違って、電極層やその他の層の間には非常に大きなバンドスパイク(バンドギャップの曲がり)があり、これを乗り越えて電子を注入するためには大きな電圧が必要なので、中間のバンドギャップ層を挟んでスパイクを緩和するものだったと思います。

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