• 締切済み

内閣が警察によって逮捕されないのはなぜ?

三権分立を意識するならば、国会議員が不逮捕特権を有することの意味は立法権の尊重にあるといえます。 では内閣の構成員には不逮捕特権は認められるべきかを考えると、内閣は行政権のトップであり警察(or検察)と同一の組織体に位置するといえるため、三権分立の要請として不逮捕特権は認められる根拠を欠くことになります。 しかし現に憲法には「国務大臣はその在任中内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない」とある訳です(憲法76条) このことを企業体に位置付けて考えると、同じ組織、特に上層部に対しては、下部組織は何も口出しできないようなものです。(もちろん企業のトップと国の行政権のトップとは性質は全く違うとは思いますが) 三権分立から導かれない権利であることからすると、それなりの根拠が必要であるように思えます。 どなたか内閣の構成員がなぜ訴追されない権利を有しているのか、ご意見お待ちしておりますm(_ _)m

みんなの回答

回答No.3

行政の安定性を確保するためでしょう。 国務大臣が行政機関としての職務を行わなければならない時に、訴追を受けることによってそれが滞ってしまっては、主権者たる国民の不利益になるからだと思われます。 国会議員と違い訴追そのものを妨げているのも、迅速な職務遂行を要求されることが多い行政機関に合わせたものと考えれば、つじつまが合います。 職務を妨げないため、という目的に沿うよう、この特典は在任中に限られ、また75条但書に「訴追の権利は害されない」と明記されています。 つまり退任後は自由に訴追することが可能であり、また総理大臣が同意を拒否している間は公訴時効も停止するものと解されていますので、就任し続けることによって訴追できなくなるということもありません。 国会議員の不逮捕特権も、もちろん三権分立が背景にないとは言えませんが、それが会期中に限られていること、免除されているのは逮捕であって訴追そのものは妨げられていないことから見て、本来的には、議会の進行を阻害しないという目的をもって認められた特権だと言えます。 もし立法機関の行政機関に対する独立という意味で50条(不逮捕特権)の規定が設けられたのだとしたら、上記のように強く限定的であるのは、少々おかしな話になってしまわないでしょうか。 つまり、国会議員の不逮捕特権にしろ国務大臣の不訴追権にしろ、権力の分立を目的としたものではなく、国政の停滞をなるべく避けるための規定であると考えた方が妥当ではないかと思われます(このような規定は、例えば予算案の30日ルール(60条)や総辞職した内閣の職務(71条)など、ほかにも見られます)。 なお、75条で免除されているのは訴追であり、少なくとも法文上において逮捕は禁止されていません。 とはいえ、本条の趣旨から言って逮捕も当然認められないと考えるべきでしょう。 ただし、過去に首相の同意を得ない逮捕が認められた事例はあります(昭和電工事件)。

  • Shin1994
  • ベストアンサー率22% (551/2493)
回答No.2

行政を司る内閣の主要構成員である国務大臣がが逮捕されたら、国政は立ち行かなくなるではありませんか。その事を考えれば、不逮捕特権は当たり前の話です。 それ以前に、彼らも国会議員です。国会議員には不逮捕特権が付き物。要するに、国政に関わるものは得するのですよね…

  • phj
  • ベストアンサー率52% (2344/4489)
回答No.1

逆でしょう。 内閣は行政権のトップであり警察(or検察)と同一の組織体に位置するからこその、不逮捕特権でしょう。 現行の内閣を命令をきくべき警察が逮捕できるとしたら、これはクーデターを起こすことが簡単にできるということです。 たとえば警察官僚の都合の悪い改革を内閣がしようとしたときにでっち上げた罪で逮捕すれば阻止できるということです。 内閣と同一の組織体であり、内閣の命令と法によって執行されるべき機関が内閣の否定をすることができてはならないのです。 企業体であっても同じで労働法やその他法令に違反した命令ならともかくとして、一般的な命令に従う義務があるのが従業員の宿命です。 彼らは確かに「ストライキ権」などの労働争議権は有していますが、それは個人に付与されているものではなくあくまでも労働組合という労働団体(つまり企業体とは別の組織)に認められているものです。 日本には戦前ですが、2.26事件とか5.15事件などの内閣を否定したクーデター事件があります。この際に「統帥権干犯」という言葉がでてきており、これは「総帥権は天皇にあるため、軍部が内閣を否定し独自の行動を起こしても良い」という意味に使われ、その後の日中事変から太平洋戦争までの一連の軍部の暴走を許す端緒となったものです。 現行憲法でも明治憲法でも軍は内閣の指揮下にあるのですが、明治憲法では上記の規定が明文化されていなかったため、本来なら内閣の指揮(文民統制)を受けるべき軍が暴走したものなのです。 警察も軍ほどではありませんが「暴力装置」の一つです。ですので内閣の指揮下のあるべきものがそれを覆すことが無いように、明文化した規定が必要になるのです。

yuramiss
質問者

お礼

回答ありがとうございますm(_ _)m おっしゃる通りだと思います。 国民の代表により制定された法に基づいて、奉仕者として国民に尽くすべく公務に携わるにあたっては、組織として上意下達なしには、行政は一体を欠いた機能不全体に化してしまうことになります。 そのため現在では、例えば、公務員の争議権は否定される(判例.全農林刑職法事件参照)などに表れているように、公務員は権利を制限された労働者として位置付けられ、行政権が滞らないような仕組みになっています。 下部の公務員が上に逆らうことによって生じることを防止することの現実的な必要性は、回答者様の言うように強く求められていると思います。 しかし、そういった公務に支障をきたすことの防止というような実際の必要性や、現実の必要性とはまた別に、 国家のあり方として根本原理としての『形式的な要請』というようなものがあるのではないか?と私は思うのです。 これは例えば、憲法や国際法、はたまた、国家体としてのあるべき姿、理念、原理のようなことです。 実際上の必要性と形式上の必要性、この二つの面が共に充たされて初めて不逮捕特権は認められるのではないでしょうか? 言葉足らずな点があるかもしれませんが、この点につきまして、よろしければご回答下さるとありがたいですm(_ _)m

関連するQ&A

  • 内閣とは何か?三権分立の基本

    内閣総理大臣や各国務大臣は、国会議員であり尚且つ内閣の閣僚でもあります。言い換えると、総理大臣は国会と内閣の両方の組織に所属する人です。って事は、総理大臣は立法権と行政権の両方を持っているって事? 三権分立ってあるじゃん。総理大臣や国務大臣の持つ権利は三権分立と矛盾していませんか?1人の者が立法権と行政権の2つを担ってるのに、権利が分離してるって言える?どうせなら、ついでに司法権も持たせれば良いのでは? 憲法にも書いてあるけど、内閣総理大臣は国会議員の中から選ぶそうです。それは良しとして、ある国会議員が総理大臣になると、ソイツは国会議員の地位と職権を失って行政に専念するべきでは?もし内閣総理大臣が裁判官から選ぶ事になると、何か変? そもそも、内閣総理大臣の資格に国会議員であるべしとする条件は必要?審査員は民意の代表者である国会議員にして、オーディション(一般公募)すれば良いのでは?司法権を担う最高裁判所裁判官は、オーディションで決めますよね? 裁判官は国会議員から選ばなくていいの?もし内閣総理大臣が裁判官を兼務して司法権も持つと、ドーなるの?何かヤバいこと起こる?

  • 立法のトップと司法のトップって行政のトップの内閣総

    立法のトップと司法のトップって行政のトップの内閣総理大臣並みの警護とかされてるんですか? 内閣総理大臣が仕事とかで移動する際にSPの警護が付きますよね それだけ重要な人物だから警備するのも当然だと思うんですが、三権分立のうちの行政と同じような立場?の司法と立法のトップ、衆議院議長と参議院議長、最高裁判所長官は内閣総理大臣並みのSPの警護がつくんですか? それとも内閣総理大臣だけ特別ですか?

  • 警察官の逮捕する権利について

    憲法や法律では、不逮捕の特権や、一般人の逮捕についての条項はありますが、 基本的な警察官の逮捕の権利についての条項が見つかりません。 逮捕状に基づく逮捕、緊急時の逮捕、その他 関係条項を教えてください。

  • 内閣に関する文章の疑問・・

    内閣に関する文章の疑問・・ 内閣について書かれた文章で 内閣の組織については、憲法が定める基本的な枠組に基づいて、国会が法律で定めるところによる。 と書かれているのですが、どういうことでしょうか? 内閣という組織は、憲法で定めた行政機関で、国会は立法機関・・? ということがいいたいんでしょうか? >基本的な枠組に基づいて >国会が法律で定めるところによる この二点がよく分からないのですが、どなたか教えてもらえないでしょうか? おねがいします。

  • 警察の力・位置づけ

    日本史を勉強してて、ロッキード事件で田中角栄元首相が逮捕されたことを知りました。 「元首相ですら逮捕してしまう“警察の力”ってすげー!」 って思いました。 そこでふとおもったんですが、その“警察の力”っていうのは一体どういったものなのですか? 例えば三権分立における内閣は行政、立法だったら国会ですよね。 それみたいに“警察”というのはどういう位置づけなんですか? よろしくお願いします。

  • 三権分立・・・?

    無知な質問ですが・・・ 三権分立の司法権・立法権・行政権のうち 司法権は、裁判所 立法権は、国会議員が構成する というのは、分かるのですが 行政権は、内閣総理大臣のほかに誰が構成しているのですか? また、公務員も三権分立の中に入るのですか? できるだけ、具体的にお願いします。

  • 内閣の構成、とくに防衛庁長官について

    内閣を構成するのは、各省のトップである大臣と、特命大臣であると思っていました。ところで、防衛庁については長官は大臣ではありませんが、閣僚として名前があがります。これに比べて、その他いろいろな庁、たとえば海上保安庁の長官はふつう閣僚とは思われません。これは、単に防衛庁が国政の上で重要な位置を占めるからなのでしょうか。 内閣の構成メンバーの範囲と、 各省、庁の関係について、高校生にわかるように教えてください。

  • 内閣メンバー

    今現在の内閣構成メンバーは↓のサイトの通りですが、 http://seiji.yahoo.co.jp/guide/kakuryo/ 全部で28人いて、そうなると、内閣法2条2項の「内閣は、内閣総理大臣と14人以内の国務大臣で組織される」というのは一体何なんだろうと混乱しています。どなたかご解説お願いいたします。

  • 現代日本の権力の分立方法 (菅直人氏の「三権分立」発言をうけて)

    2009年10月15日に、NHKのクローズアップ現代に出演していた民主党の菅直人氏の発言をきっかけに、現代日本の権力の分立のしくみについて疑問がいろいろと出てきました。 以下の私の認識がそれぞれ妥当かどうか教えてください。 (議論をしたいわけではありません) 1. 菅直人氏は「三権分立とは、憲法のどこにも書いていない」と発言しましたが、実際に「三権分立」という言葉自体は憲法に書かれていない。 2. ただし憲法には、立法、行政、司法の三種類の権力をそれぞれ定めていて、これはすなわち「三権分立」を定めていると解釈するのが妥当である。 3. 日本は代議制を採用し、国会では政権党などから内閣総理大臣を選出し、内閣総理大臣(=国会議員)が各大臣を選ぶ(多くは国会議員)。すなわち行政と立法とが一部で融合している。つまりそもそも厳密な意味での三権分立ではない。 4. 今までは(現在も)、行政の立場にいる公務員(俗に言う官僚)が、立法に対して大きな力を持っていた。その是非はさておき、これも行政から立法への侵入と考えられる。 5. 一方で、「政治主導」を掲げて総理大臣や各省庁の大臣が行政府を今まで以上にコントロールしようとする方法は、それはそれで(是非はさておき)立法の側にいる議員や政党の意向を(少なくとも今までより)強く行政側に行使することで、立法から行政への侵入と考えられる。 以上5点です。 すべてにお答えいただけなくても結構です。 これらの認識が妥当かどうか教えてください。

  • 内閣に行政各部への指揮監督権はあるのか?

    内閣総理大臣には、行政各部に対する内閣の方針に基づく指揮監督権と、指示権限(ロッキード事件/最平7.2.22)がありますが、内閣自体には行政各部に対する指揮監督権が憲法65条(「行政権は内閣に属する」)から認められないのですか??もしくは73条4項から導き出せないのですか? そして、指揮監督権というのはどの範囲のもの(人事、訓令、命令)なのですか??