絶縁体の熱伝導速度はなぜ遅いのか?
- 絶縁体の熱伝導速度が音速より遅い理由について考えます。
- 絶縁体における熱の伝導速度は、格子振動の特性によって制限されています。
- 絶縁体の熱伝導速度が低い理由を明らかにするために、格子振動のエネルギー伝達メカニズムを解明する必要があります。
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絶縁体の熱伝導速度は音速よりなぜ遅い
絶縁体の熱伝導速度は音速よりなぜ遅い 個体の場合熱の正体は格子振動だと思っています。熱平衡状態ではいろんなモードの格子振動のエネルギーが最大のエントロピーを持つように分配されるのだと思っています。温度が高いのは格子振動のモードにより多くのエネルギーが入っているのだと考えています。量子力学的にいえばフォノンはボソンなので同じモードにいくらでも入ることができ、温度を上げることができると理解しています。 絶縁体の左端に熱源を接触させたとき、まず個体の左端の温度があがると思います。この状態は多くの格子振動のエネルギーの線形結合として表現できるのではないかと思います。 しからば時間がたってそれぞれのモードの固有振動数は異なるため、ただちに位相がばらばらになり少なくても音速で右方向へ熱が伝わるかあるいは拡散すると思うのですが実際は毎秒数cmぐらいで熱くなっていくようにかんじます。 そこで質問ですが、なぜ熱は超音波のように速く伝わらないのでしょうか。 どこで勘違いしているのでしょうか。 よろしくお願いします。
- yyz1974
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質問者が選んだベストアンサー
実際には長波長のフォノンは短波長のフォノンより寿命が長い(つまり平均自由行程が長い)のですが 波長依存性を無視した一種類の平均自由行程で比熱を説明しようとすると 「ゲルマニウムの場合の計算例では0.62nm」 というような値になってしまうのだと思います。 300Kとかの高温でしたら、 「アインシュタインの比熱の理論」 http://www.f-denshi.com/000okite/100tokei/einstain.html (伝播モードを考えず孤立した振動子のみ考える理論) で説明が付く温度領域なので、こんな値になるということなのでしょうか... あと、もし熱が超音波のように速く伝わる現象について知りたいのであれば "弾道フォノン" "ballistic phonon" あたりで検索してみてください。
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- boson
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下記ご参考まで。 http://okwave.jp/qa/q4024070.html の「回答番号:No.4」をご参照ください。
補足
boson さん ご回答ありがとうございました。 http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4024070.html を参考にさせていただきました。 平均自由工程までのミクロな距離の範囲では 音速で熱も伝わると考えていいのですね。 それにしても平均自由工程があまりにも短いのに 驚きました。ゲルマニウムの場合の計算例では 0.62nmとあります。この数字は結晶の格子定数 にも満たない数字ではありませんか。つまりブリリアンゾーン 内の最も短い波長より短いといえませんか。 これくらいの小さい値に平均自由工程を設定して熱伝導係数 の大きさがようやく説明できるとすれば格子振動を物性の基本 ツールにして理論を組み立てる意味があまりないように思いますね。 特にk=0波なんて全体が同位相で振動する波ですから殆ど役に 立たないという意味でしょうか。 温度を低くしてかつ結晶を完全なものにすれば熱伝導は おおきくなるのでしょうか。つまり格子振動がより調和 振動に近づくため線形性が上昇することに加えて結晶の 完全化により不純物散乱が激減すると思われます。 やっぱり格子振動よりも個別の粒子がぶつかりながら進む 描像の方が結晶の熱伝達としては正しいのでしょうか。 再度ご回答をよろしくお願いいたします。
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