鈴木みそさんの漫画で『今は若手アニメーターをじっくり育てている余裕がな

解決済みの質問

鈴木みそさんの漫画で『今は若手アニメーターをじっくり育てている余裕がな

鈴木みそさんの漫画で『今は若手アニメーターをじっくり育てている余裕がなく、ちょっと描けたらすぐ原画にあげてしまう』というような内容がありました。
では、昔はしっかり動画をやらせて、じっくり人を育てられていたのでしょうか?
宮崎駿さんの著作「出発点」で、「何回か会社を相手どって、ストライキをやった」というような記述がありましたので、昔から良い環境だったわけではないようですが・・(^^;))
しかしやはり「昔に比べて今は国内アニメ産業が空洞化している」と聞きますので・・
昔と今で、アニメ制作の現場は、何が変わったのでしょうか?
いちアニメファンとして気になります。どなたか教えていただけましたら幸いです。

投稿日時 - 2010-02-21 15:10:23

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QNo.5694616

困ってます

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はじめまして。

1.製作本数が多すぎる。
とにかくコレに尽きます。
一週間に30本、40本(酷い時は70本)もアニメを製作できるほどの描き手は実はいません。絶対数が不足しています。
更にこのところ劇場版で稼ぐ手法が定着してきたために、本当に描ける人は劇場版に奪われます。この夏までにアニメの劇場版が20本以上あるなんて正直異常です。
なのでTVシリーズは手薄になり、圧倒的に描き手が不足しているので、動画経験が少なくても多少絵が上手い者を原画に引き上げざるを得ない現状があります。
昔はよほど上手い人間は別として、3~5年は動画を経験してから原画を担当。原画を担当しながら動画も、と言う方もいました。
こうして動画のタイミングから逆算して原画を描く技能を身につけることができました。
黎明期は当然「学校」など無かったので、各プロダクションが養成するための機能がありました。が「学校」ができるようになってから、その養成機能は失われました。
初歩から教えるよりも、初歩を知っているものを雇った方が効率が良いからです。

2.放映期間が短い。昔は基本は4クール(1年)か2クール(半年)でした。もちろん不人気だと容赦なく途中打ち切りもありました。
放映期間が長いので一つの絵柄に慣れる余裕もありました。つまり勉強する期間がありました。
ところが最近はごく一部の長期アニメを除いてデフォルトが1クールとなりました。不人気で打ち切るよりは1クールで様子を見て、人気があれば第2シーズンとの方式です。
このために絵柄に慣れる余裕がなくなりました。

3.会社雇用から契約雇用。
当初は安月給でも会社の直接雇用でした。が、製作本数の増加からこの形態が崩れました。
基本的にアニメーターは作品ごとの契約となりました。
つまり派遣社員と大差なし。
しかも作品毎の契約なので、話数が少なければすぐ契約解除。
4クールだと社会保険や雇用保険の義務が会社に生じますが、1クールだと3ヶ月程度なのでこの保険は発生しません。つまり会社の支払は単純に稿料しか発生しないことになります。

達者な作画監督クラスのアニメーターはそれだけで、年収1千万以上稼ぐ猛者もいます。が、TVシリーズだけでは作画監督クラスでも、作画料と監督料で、死ぬほど働いても月収4、50万程度です。これでもマシな方でしょう。

>国内アニメ産業が空洞化
これは今始まったことではありません。
すでに80年代には韓国に外注。90年代前半はインドネシアやマレーシアに外注。90年代後半から中国に外注があります。
制作費自体が余り上がっていないからです。
TVドラマで1話億単位の制作費に対して、アニメは千万単位のままです。しかもその制作費の半分は広告代理店が持って行きます。
その範囲の制作費で製作するためには賃金が低い国に外注に出さざるを得ません。
90年代後半から00年代前半までは賃金の低い中国への外注が主流でした。が、中国外注はそのクオリティの低さと指定を無視して作画をするなどの傾向が顕著なために、一斉に各プロダクションは背景を除いて手を引きました。何せ修正は日本のプロダクションが自腹を切ってやることとなり、その修正作業で本作業に支障が出たり、返って赤字になる場合が増えたためです。
そのために05年頃から08年頃まではほとんど日本国内で作成されるようになりました。外注でも作画レベルの高い韓国やインドネシアが中心に戻りました。
が、劇場版増加の余波で国内アニメーターの不足が顕著になった昨年辺りから、また中国外注が増加しています。

最近のアニメのEDでスタッフロールを見て下さい。
原画だけで20人、30人、それでも足りなくて会社名。第二原画(ラフを清書・修正)でも10人以上。作画監督が4人以上。
これでは絵柄の統一は至難の業です。
動画もばら撒き。国内では足りなくて中国にも。
なのでよ~く見ると結構一話以内にバラツキがあります。
ただ破綻まで行かないと言うことは、現場が何とか踏ん張っていると言うことです。
但しどこが作画崩壊を起こすかのチキンレース状態なのは変わりありません。
80年代には原画一人で作画監督も兼ねる。動画も二、三人が普通にありました。もちろん稿料が今より安かったので量をこなさねば暮らしていけない、との根本的な原因もありましたが、量をこなすことで上達しました。
が、現在はTVシリーズ1本で20人、30人以上の原画マンです。当然割り当てられるカット数も極めて少ないので、上達もしませんし手も早くなりません。悪循環です。

まっ、これが現状です。

投稿日時 - 2010-02-21 19:07:55

お礼

大変わかりやすいお答え、ありがとうございました。
>1.製作本数が多すぎる。2.放映期間が短い。
なるほど、そういえば私の子供の頃のアニメといえば週4,5本だったような・・・
アニメファンでも、新作をおっかけるのが正直もう面倒くさくなるほどですしね・・。(仕事があると、そんな毎回毎回チェックしてられないし・・)

>3.会社雇用から契約雇用。1クールだと3ヶ月程度なので保険は発生しない。
あーーー・・・なるほど・・・・。ひどいなあ・・。病気になったらどうすんだろう・・。
親の扶養家族で通してるんでしょうか・・

>なのでよ~く見ると結構一話以内にバラツキがあります。
これは本当によくわかります。「女の子の止め絵アップ」などという、かなり描きやすそうな(?)
部類の絵でも、崩れてる時があって愕然とします。
アニメーターさんだって、描きたい部類の絵じゃないかと思うのですが、そこが崩れてるとなると
現場のいっぱいいっぱいさが垣間見える気がして、正直「もうこの先どうなるんだ」と
心配になります。
2Dアニメの作画技術は伝統工芸と一緒で、職人が死ねば、つちかった技術はその職人ともども消えてしまいますから、なんとか今のうちに、次世代につなげてほしいのですが。。
日本も3Dアニメに移行するのかなあ・・

投稿日時 - 2010-02-23 21:16:45

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