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塩素を発生させる実験でなぜ水を通すのか
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効率と収量の問題です。 塩化水素はアンモニアと並んで、笑っちゃうほど水によくとける気体のひとつで、密閉した部屋に充満させた後、そこに試験管半分の水を入れるとほとんど真空を作ることができます。 塩素は、水に溶けるとはいいながらも、常識の範囲内です。二酸化炭素は水に溶けるよ、と言っているのとほぼ同レベルです。二酸化炭素も、塩素のように水に溶けると炭酸を作りますが、炭酸水から二酸化炭素を追い出しても、その液体の量の何十倍も出てくるという状況にはなりません。 炭酸と同様に、次亜塩素酸も水に溶ける量には限界があるので、ある程度の塩素が水に溶けた後は、きちんと外に出てくるんです。 この2つの気体の水への溶解性については、「よく溶ける」といいながらも大きな差があるんです。 で、ご質問のケースでは、この2つの混合気体から塩化水素を除きたいわけですから、水に溶かしてしまうのが一番カンタンなんです。確かに幾らかは塩素が水に溶けて無駄になりますが、効率と手軽さで、十分に満足できる収量が得られるからです。 この手の工業化学的な発想ができると、大学進学後にいろいろと活躍の場が広がります。ご質問の内容は、「定性的」な話ですべてを理解しようとして迷ってしまったケースですが、化学では、量を考えた「定量的」な理解ができると1段と高い「実験」ができるようになります。 で、この先は、反応速度 と 平衡 の概念があると、さらに先に勧めるようになります。記憶の片隅にでも置いておいていただけると将来役立つかもです。
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- gohtraw
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吸収水に塩化水素が溶けるため酸性になり、 Cl2+H2O→HCl+HClO の平衡が左に傾くためある程度以上操作を続ければ反応で生成するのとほぼ等量の塩素が得られると思われます。 いわゆる「混ぜるな危険」ということをやっているわけです。
お礼
さっそくのご回答、ありがとうございました。なるほど、水に発生した混合気体を溶かした場合、水中のHClの濃度が高くなれば、Cl2→HCl が起こりにくくなりますね。「生成するのとほぼ等量の塩素が得られる」というのも理解できます。 ありがとうございました。感謝しております。
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お礼
さっそくのご回答ありがとうございます。なるほど、溶解度のオーダーがぜんぜん異なるのですね。「工業化学的な発想」、まさにおっしゃる通りですね。勉強になりました。感謝しております。