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叱られないと 勉強しない

zabuzaburoの回答

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回答No.5

adagioさんの質問の意図は, 「論理学は本来, 『AならばB』といった文のAやBに どんな内容が入ろうとも 共通に成り立つ性質を研究して, 推論を機械的に行なえるように するのが目的であるはずなのに, 内容によって個別に対応する必要があるのは おかしいのではないか?」 ということですよね. その疑問はもっともだと思います. しかし, 「『Aでない ならば Bでない』と, その対偶の『A ならば B』とは真偽が一致する」 という定理が成り立つためには(他の定理もそうですが), 「AやBには『命題』が入る」 という当たり前の前提があるということを忘れてはなりません. ここで命題とは,「真か偽かはっきり定まる文」のことと理解してください. この例ではAは「叱られる」であり,Bは「勉強する」ですが, これだけでは明らかにAやBは真偽の定まる文とは言えません. 少なくとも誰が叱られて誰が勉強するのか,という主語が必要ですし, また「叱られる」と「勉強する」の時間関係はどうなっているのか, あるいはそもそも時間関係があるのか,ということも明らかにする必要があります. 最低限上で述べたことだけでも考慮してこの文を命題らしく書き直すと, 「『太郎君が,前に勉強したときから現在までの間に少なくとも一度は叱られた』のでないならば,  『太郎君がこの先勉強することがある』のではない」 となります. つまり,せめてこれくらい文章の意味を厳密にしておかないと, そもそも命題論理の定理が適用できないのです. このとき文章が少々不自然になるのはやむを得ません. 上の対偶をとれば 「『太郎君がこの先勉強することがある』ならば  『太郎君が,前に勉強したときから現在までの間に少なくとも一度は叱られた』」 となり,何の問題もありません. しかし,上の命題は 「叱られないと勉強しない」という文章の たくさん有る解釈の中の, (おそらく最も現実に即した) 一つの解釈に過ぎません. この文章を 「『太郎君がこの先少なくとも一度は叱られる』のでないならば,  『太郎君が現在までに勉強をしたことがある』のではない」 と解釈することもできるわけで, どちらの解釈が正しいか,ということは 論理学的には決められないはずです. あとのほうの解釈で行けば,対偶の意味はまさしく 「勉強したら叱られる」になるわけです. 対偶をとるときになって初めて 個々の意味を考慮して都合をつけているとすれば, それは確かにうさんくさいことだと思いますし, あってはならないことです. しかし,もとの文章が 「そもそも論理学で扱ってもらえる資格」 を持つようにするには, 個々の意味を考えた上で それを厳密にしておかざるを得ない, というわけです. 参考になれば幸いです.

adagio
質問者

お礼

わたしの質問の意図を的確に表現していただいてありがとうございます。 > つまり,せめてこれくらい文章の意味を厳密にしておかないと, > そもそも命題論理の定理が適用できないのです. 教科書では、『命題が正しいならば対偶は正しい』としか書かれていませんが、 『叱られる』や『勉強しない』みたいに真偽のはっきり定まらないものは、そ もそも論理学で論じるべきではないということでしょうか?それならば、命題 自身の適格性について(教科書は)もっと厳密な定義をすべきではないでしょ うか? > 最低限上で述べたことだけでも考慮してこの文を命題らしく書き直すと, >「『太郎君が,前に勉強したときから現在までの間に少なくとも一度は叱られた』 > のでないならば, >『太郎君がこの先勉強することがある』のではない」 > となります. ここまで言わないといけないのですか、、うーん、ますますわかりにくい気が します。 > しかし,もとの文章が > 「そもそも論理学で扱ってもらえる資格」 > を持つようにするには, > 個々の意味を考えた上で > それを厳密にしておかざるを得ない, > というわけです. つまり、正しそうにみえても『どんな命題でも扱っていいわけではない』という ことですね。なんかわかったような、かわされたような、まだスッキリしません が・・・。ご丁寧な回答ありがとうございました。

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