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単調と長調

alien55の回答

  • alien55
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回答No.4

下の方々が回答をされていますが、「長調・短調って何?」という質問に対する客観的かつ完全な回答はaltonlyさんでしょう。その 下のお二人さんの回答中の「長調は明るく、短調は暗く悲しく」というのは主観的で人によって違うものですし、様々な危険性をはら んだ答え方です。映画音楽などを聴いてみると、非常に悲しい場面で長調の曲が使われたりしますし・・・・・・ ここでもう少し本質に迫った回答をしたいと思います。 音楽というのは「音を用いた時間芸術・娯楽」と定義できますが、人間が時間に対して興味を持つ、すなわち音楽的時間というものを 体験するためには、音が何らかの秩序を持っていなければなりません。音が無秩序に並び混沌としている状態では、街のザワメキと変 わらないからです(このような騒音やザワメキを音楽の素材として用いる人もいますが、それは特殊な効果を狙ったものですから、こ こではそれについては本質的な議論になりません)。音楽が秩序を持つために、例えば「リズム」や「拍」の概念が誕生しました。 ところで「調」というのは、音高(音の高さ)に関する秩序のことであって、楽曲中にどんな音を基本として使うかという規則が「調」 の概念です。長調・短調は西洋音楽から生まれたものですが、その起源を求めるには古代ギリシアや中世の音楽まで遡らなければなり ません。ある程度完全な形で現存する最古の楽譜は中世のものですが、中世音楽は、ギリシアから伝わる「教会旋法」と呼ばれる音階 を用いていました。それは基本的に次の8個があります。[ ]中の音が終止音と呼ばれる主音機能をもった音です。 正格旋法 1.ドリア旋法 ([レ]ミファソラシドレ) 2.フリギア旋法([ミ]ファソラシドレミ) 3.リディア旋法([ファ]ソラシドレミファ) 4.ミクソリディア旋法 ([ソ]ラシドレミファソ)         変格旋法 5.ヒポドリア旋法 (ラシド[レ]ミファソラ) 6.ヒポフリギア旋法(シドレ[ミ]ファソラシ) 7.ヒポリディア旋法(ドレミ[ファ]ソラシド) 8.ヒポミクソリディア旋法 (レミファ[ソ]ラシドレ) この中にaltonlyさんが述べられた、ドレミファソラシドとラシドレミファソラがありますね。つまり、中世からルネサンス、バロック を経て、音楽に用いる音階が8個から2個へ縮小したのです。すなわち音楽を構成するための音高に関する秩序が、昔は色々なものがあ ったのが、時代とともに洗練され、長音階と短音階だけが残ったのです。じつは短調の音階も失われかけたのですが、 ラシドレミファソラ のイ短調自然短音階の主音「ラ」の1つ下の音「ソ」を半音高めた、「#ソ」を用いることで、生き残りました(和声・旋律短音階)。 主音の半音下の音は、主音に移りたい性質があり、この音を導音と呼びます。長調の音階(ドレミファソラシド)の場合、主音「ド」 の半音下に、音階固有の音「シ」がありますよね。ところが短音階ラシドレミファソラにはラの半音下の音はありません。そこで、人 為的に導音を作ってやって、短調にも長調と同様の機能を持たせました(これはドミナント→トニックの機能進行に関連します)。 楽曲は音階をもとに構成されますが、たとえばハ長調の曲だからと言って、ドレミファソラシの7個の音しか使わないわけではありませ ん。ハ長調の曲には、ヘ長調の導音「♭シ」や、ト長調の導音「#ファ」などもよく使われます。つまり、ハ長調の曲と言っても、その 中には様々な他の調と関連をもっているのが普通です(他調関連)。しかしながら、基本となる音はやはり音階の7音です。 20世紀になってからは、長調短調とも昔の教会旋法にも属さない新しい音階が次々に現れました。つまり、音楽を構成する際の秩序その ものを変えようとした運動です。しかし、若い世代に馴染みのある歌謡曲などのポピュラー音楽の殆どは長・短調組織の枠組みでつくら れています。 結局重要なのはaltonlyさんが説明した、音階中の隣接する各音程の配列で、全・全・半・全・全・全・半と全・半・全・全・半・全・全 です。このような「音程関係で音高に関する秩序を決める概念」が「調」ということです。

bangbangbigaro
質問者

お礼

altonlyさん、alien55さん、ご回答ありがとうございます。 実はもっと早くお礼を書かせていただこうと思ったのですが、お2人の回答を 何度も読んだのですが、ちょっと難しくてなかなか理解できなくて。それで何度も読ませていただいて、なんとなく?理解させていただいたので今書かせていただいています。(笑) なんとなくわかるんですけど。難しいですね。 ところで「嬰」はなんて読むのですか?ホントバカで。 それと「固定ド唱法」と「移動ド唱法」??とは?ハ=ドではないのですか? あとふと思ったんですけど、ハ長調をド長調とか言ってはいけないのでしょうか? 「・・主音のきた音の絶対的な高さ=音名  ・・その中のどの音からその音階が始まっているか」ちょっとわからないですけど。よろしかったらもっと詳しく教えていただけませんか。 ってことは私達がピアノとか弾く時はじめに習うのはハ長調?ですか。 全然違う事言っていたらすみません。 色々聞きまくりで、すみません。時間に余裕がありましたら是非是非、教えていただけませんか?

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