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審査過程における公開前関連先願の扱い

Aという特許出願がなされた後(出願時、未請求)、 その公開前に、Aに同一性の高いBという出願が行なわれた場合 (出願と同時に審査請求)、Bの審査過程において、 Aが参考文献として使用されることはあるのでしょうか?(1) (そうなると、公開前のAの存在がBの出願人に知れることになりますので、 それはないと思いますが。) また、AもBも公開前に、Bが特許査定を受けた場合、 Bの特許公報が公開後に、 Aの出願人がBの特許を無効にする手段は、 異議申立あるいは無効審判しかないのでしょうか?(2) また、AもBも出願と同時に審査請求した場合(3)、 Bの特許公報が公開後にAが審査請求した場合(4)、 のアクション等につきまして、 教えていただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。

質問者が選んだベストアンサー

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noname#9130
noname#9130
回答No.2

(1)について: 基本的には出願と同時に審査請求されても1年半ぐらい経ってからでないと審査は行われません。従って、Aの出願公開前にBの審査が行われることは現実的には皆無です。たとえ審査が行われたとしても、出願Aが出願公開される前に特許庁のコンピューターにはすでに出願Aの情報が記録されますので、審査官は出願Aの存在に気がつくはずです。従って、出願Bに対する拒絶理由通知はAの出願公開後にされることになります。(拒絶理由通知にその公開番号を書かなければなりませんので、Aの出願公開がされるまではBに対する拒絶理由通知を書けません。) ちなみに、この場合には先後願の関係で、出願人も発明者も同一でなければ特許法第29条の2の規定、出願人又は発明者が同一であれば同法第39条の規定に基づいて審査されます。その違いは、簡単に言ってしまえば、 ・29条の2は、後願Bに係る発明が先願Aで特許請求されていなくても発明の詳細な説明に記載されていれば後願Bはアウト、 ・39条は、特許請求の範囲の権利範囲が重複している場合に限ってBはアウト ということです。 (2)について: 上記(1)で述べたことからもわかるように、AもBも公開される前にBが特許査定を受けることはまずあり得ませんので、そんなことを心配する必要はありません。 ただ、Aの出願公開後にBが特許査定される場合だって全くないわけではありません。(審査官も人間ですから見落とすこともあります。) そんな場合には、特許異議申立てによって特許取消を求めたり、特許無効審判によって特許が無効になることを求めたりすることはできます。 審査官の過失なのに異議申立てや無効審判の請求をする側が請求費用を特許庁に支払わなければならないというのはかなり奇妙な仕組みですが、仕方ありません。(それについて訴訟を起こしたらどうなるのだろう?(笑)) (3)、(4)について: よくわからないんですけど、審査請求を先にした方が特許されるんじゃないかと心配なのでしょうか? 審査請求の順番は関係ありません。先に出願した方が勝ちです。 ちなみに、AとBとが同一出願人及び/又は同一発明者によるもので、後願Bが先願Aに基づいて39条の拒絶対象となる場合(つまり先願Aで特許請求されている発明が先願Bでも特許請求されている場合)には、先願Aが出願審査請求されるまでは後願Bの審査は行われません。何故ならば、先願A又は後願Bの明細書(特許請求の範囲)を補正することによって両方特許されることもあり得るからです。 最後に、No.1の補足欄に書かれている「容易類推」についてですけど、ご質問のケースは飽くまで先後願の関係ですから、基本的に新規性(同一性)のみを判断します。進歩性(容易類推性)は関係ありません。従って、 「後願Bに係る発明は先願Aの明細書に記載された発明と他の文献に記載された技術事項/当業者に周知に技術事項を組み合わせることによって当業者が容易に想到しうるものである。」 というような拒絶理由通知がされることは原則的にありません。 Aに係る発明とBに係る発明との構成上の相違点があまりにも軽微で、その構成上の相違によって発明の効果に相違が生じることが考えられない場合には、実質的に同一発明として拒絶されます。 余談ですけど、ojarumarupurinさんのお名前で検索してみたら、過去のご質問が2つヒットしました。ちゃんとお礼もされていますし、締め切られてもいましたけど、ポイントは与えられていないんですね。どうしたんでしょう? 老婆心ながら、もしポイント付与の方法をご存知なければ、別途質問されてみてはいかがでしょうか。

ojarumarupurin
質問者

お礼

大変わかりやすくご説明いただき、 本当にありがとうございました。 >審査官の過失なのに異議申立てや無効審判の請求をする側が請求費用を特許>庁に支払わなければならないというのはかなり奇妙な仕組みですが、仕方あ>りません。(それについて訴訟を起こしたらどうなるのだろう?(笑)) 確かにその通りですね。 >過去のご質問が2つヒットしました。ちゃんとお礼もされていますし、締め>切られてもいましたけど、ポイントは与えられていないんですね。どうした>んでしょう? そうでしたか?失礼しました。 もっとたくさん質問をして、 ポイントも付与しているつもりでしたが、 やりかたが間違ってたのかも・・・。 失礼しました。

ojarumarupurin
質問者

補足

先ほど小生の質問を調べましたところ、 今回のを含め7つの質問をしておりまして、 そのうち4つはポイントを付与しておりました。 念のため、お知らせいたしますね。

その他の回答 (1)

noname#126872
noname#126872
回答No.1

ここの常連の方でもっと詳しい方がいらっしゃらると思いますが、回答が出な いようですので。 >Aが参考文献として使用されることはあるのでしょうか?(1) とのご質問ですが、当然、参考文献とされます。そうでないと、公開前に出さ れた複数の同じ特許が特許が成立してしまうことになります。この点に関して は、特許法第二九条の二、第三九条をご参照ください。 但し、条文にも書いてありますが、発明者が同じでAの出願から1年以内にさ れた発明で、国内優先権主張をしている場合は、国内優先権が適用されますの で、Aは1年6ヵ月後に取り下げになり、Bのみが残ることになります。 第二九条の二 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法(昭和三四年法律第一二三号)第一四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面(第三六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願のときにその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りではない。 第三九条 同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。 2 同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない。 3 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において、その特許出願及び実用新案登録出願が異なつた日にされたものであるときは、特許出願人は、実用新案登録出願人より先に出願をした場合にのみその発明について特許を受けることができる。 >公開前のAの存在がBの出願人に知れることになりますので ということに関しては、実務上は問題にならないと考えられます。現実的には 審査請求してから、1年半以内に特許査定が下りることは、ありません。 それよりも、良く分からないのは、Aの出願人は、Bの出願を何故、知りえた のか、という点です。ojarumarupurinさんが書かれているように、公開前の 出願内容を他人が知ることはできません。 Bが特許査定を受けた場合ですが、特許公報掲載日から6ヶ月以内に、付与後 異議の申し立てができます。 (特許異議の申立て) 第百十三条 何人も、特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許庁長官に、特許が次の各号のいずれかに該当することを理由として特許異議の申立てをすることができる。この場合において、二以上の請求項に係る特許については、請求項ごとに特許異議の申立てをすることができる。  一 その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたこと。  二 その特許が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたこと。  三 その特許が条約に違反してされたこと。  四 その特許が第三十六条第四項第一号又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたこと。  五 外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないこと。 審査請求の時期による違いは、特段ありません。

ojarumarupurin
質問者

補足

ご丁寧な回答をどうもありがとうございました。 私もまだ理解不足の点があろうかと思いますが、 1点確認させていただきたいと思います。 (1)の場合に、 Bの審査過程でAが参考文献になるということは、 Bの出願人に拒絶理由が出される場合、 その理由通知の中に、 参考文献とされる未公開のAの出願内容が どのように記載されるのでしょうか? BがAとの同一性がある場合だけではなく、 容易類推の場合も想定して、教えていただければ幸いです。 よろしくお願いします。

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