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『又は」、「若しくは』の使い分け方

puni2の回答

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  • puni2
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回答No.5

法律の条文の用語ということですので,north073さんの紹介された林さんの本を私もお薦めします。 長年内閣法制局の長官をつとめた方です。 もっと詳しくは大島稔彦「法制執務ハンドブック」第一法規出版1998年,山本武「地方公務員のための法制執務の知識」ぎょうせい1999年などがありますが,ちょっと専門的過ぎるかもしれません。 図書館で「法制執務」とか「立法技術」をキーワードに探してみると,いろいろと見つかると思います。 「若しくは」「又は」,「及び」「並びに」の使い分けは,既に回答が出ている通りです。少し憲法の条文から具体例をあげておきましょう。 ●まず,単純に2つを並べる時は「又は」「及び」を使います。 ・国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。(第17条) ・思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。(第19条) ●3つ以上の場合。 ○並列の場合は,最後のつなぎにのみ「又は」「及び」を用い,あとは読点「、」を打ちます。 ・生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利(第13条)…3つが同格で並列。 ○大小がある場合は,「若しくは」<「又は」,「及び」<「並びに」です。 ・配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては(第24条)…「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚(以上5件並列)」と「『婚姻及び家族』(以上2件並列)に関するその他の事項」が同格で並列。 (これを大小関係を逆に読むと,「配偶者の選択~婚姻」がひとまとまりで6つ並列になりますが,そうすると財産権と婚姻が並列になっておかしいですね。) (この場合,「、離婚」を「及び離婚」としても同じです。ちょっとくどくなるので省いたのでしょうか。) ・強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。(第38条)…「強制、拷問若しくは脅迫(以上3件並列)による自白」と「不当に長く『抑留若しくは拘禁』(以上2件並列)された後の自白」が同格で並列。 ●「かつ」は,条件が常に両方成立することを示します。 ・何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。(第34条) 最後に,少し長いですが,よく出てくる例として地方自治法第152条から。 1 普通地方公共団体の長に事故があるとき、又は長が欠けたときは、副知事又は助役がその職務を代理する。(以下略) 2 副知事若しくは助役にも事故があるとき若しくは副知事若しくは助役も欠けたとき又は副知事若しくは助役を置かない普通地方公共団体において当該普通地方公共団体の長に事故があるとき若しくは当該普通地方公共団体の長が欠けたときは、当該普通地方公共団体の長の指定する吏員がその職務を代理する。(以下略) 第1項は意味の流れをつかむために書いただけですが,普通の「又は」が使われています。 さて,一見複雑な第2項は次のように読みます。 「(副知事若しくは助役)にも事故があるとき 若しくは (副知事若しくは助役)も欠けたとき」 又は 「副知事若しくは助役を置かない普通地方公共団体において   (当該普通地方公共団体の長に事故があるとき   若しくは    当該普通地方公共団体の長が欠けたとき)」 は、… また,このことから,大小3段階ある場合は,「若しくは(小)」<「若しくは(大)」<「又は」となっていることがわかります。 条文を説明する場合など2つの「若しくは」を区別する時は,「大若し(おおもし)」「小若し(こもし)」と通称しています。 ちなみに,「及び」<「並びに(小)」<「並びに(大)」です。「小並び」「大並び」といいます。 以上,ご参考まで。

xiaonientien
質問者

お礼

法律の条文の例は、助かりました。 おおもし、こもしなどは、知りませんでした。 それから、puni2さんの紹介して下さった本もnorth073さんの本と併せて勉強したいと思います。どうもありがとうございました。

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