XPS(エックスピーイーエス)についての質問

このQ&Aのポイント
  • XPSでは入射する光のエネルギーが小さいときと大きいときに入射深さ(平均自由行程)が大きくなるが、小さいときにも入射深さ(平均自由行程)が大きくなる理由はなぜか
  • XPSの横軸は光のエネルギー(eV)であり、フォトン数は関係ない。フォトン数はS/N比のみに効いてくる
  • XPSは基本的に試料に対して垂直にX線を照射するが、斜めに入射した方が表面感度が上がることもあるのか
回答を見る
  • ベストアンサー

XPSについて教えて下さい。

http://tri-osaka.jp/group/kikaikinzoku/hyoumen/surface/morikawa/R9/Esca.PDF ・ここのページにあるように、XPSでは入射する光のエネルギーが小さいときと大きいときに入射深さ(平均自由行程)が大きくなりますが、 大きいときは分かるのですが、小さいときにも入射深さ(平均自由行程)が大きくなるのはなぜなのでしょうか? ・横軸はエネルギー(eV)になっていますが、入射する光の波長のみの関数であって、フォトン数は関係ないと考えて良いのでしょうか?フォトン数は単にS/N比のみに効いてくると考えて良いのでしょうか? ・XPSは基本的に試料に対して垂直にX線を照射しますが、表面感度が上げるために斜めに入射した方が良いように思うのですが、こういったものもあるのでしょうか?

  • KUZUY
  • お礼率19% (60/308)
  • 科学
  • 回答数2
  • ありがとう数3

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • waamos
  • ベストアンサー率71% (33/46)
回答No.2

#1です ・「ユニバーサルなんとか」は浅学にして知りません。 >それとこのグラフは試料によって変わってくると思うのですが、 >どうやって測定するのでしょうか?出てきた電子エネルギーは >分かってもどの層から出てきたのかは知りようがないように思うのですが・・・ これも浅学にして、実験的な決定方法は知りません。脱出深さを知る必要が ある場合には、TTP-2Mという計算式を使って、電子の平均自由行程を計算します。 TTP-2M : S. Tanuma他 , Surface and Interface Analysis Vol21, p165 >出てきた電子はいろいろな層から出てきたものを含んでいるので、どれを差し引けば >良いのか分からないと思います。これはどうしているのでしょうか? XPSでは、エネルギーを失わずにそのまま固体の外に出てきた電子のピークを 解析します。途中で、非弾性散乱によりエネルギーを失った電子はバックグラウンド 扱いです。参考のURLでAu4f軌道のXPSを見ていただきたいのですが、明瞭なピークが 2つあり、その左側のベースラインが、エネルギーを失った電子により 少し高くなっています。ピークの位置に対応する電子の運動エネルギーを、 X線のエネルギーから引き算して、Au4f軌道のBEを求めます。 >角度を変えると表面感度が上がる、ということは、1ページ目のグラフの波形も変わる >ということに相当すると思うのですが、… 1ページ目の、と呼ばれるグラフの縦軸は「原子層」となっていますが、 「電子の平均自由行程/Å」と書き換えた方が分かりやすいかもしれません。 検出器を置く場所を変えても、当然ながら固体内部の電子の平均自由行程は変わりません。 したがってグラフの波形も変化しません。 深さ分析は実は安直な方法で、探り針を垂直に刺せばバルクまで 到達するけど、斜めに刺せば深くまで到達しないというか… 要領を得ない比喩ですいません。良く分からなければ、 表面科学会編 『表面分析技術選書 X線光電子分光法』あたりが お手軽でお勧めです。

参考URL:
http://www-molsys.mls.eng.osaka-u.ac.jp/instruments/instruments/XPS.html

その他の回答 (1)

  • waamos
  • ベストアンサー率71% (33/46)
回答No.1

>小さいときにも入射深さ(平均自由行程)が大きくなるのはなぜなのでしょうか? 電子が物質と相互作用し難くなるからだと思います。電子がエネルギーを 失う主な原因の一つに、バルクのプラズモン励起があります。プラズモン励起の エネルギー幅は20~50eVぐらいです。電子のエネルギーがこの幅より小さければ、 プラズモンを励起せずに固体内部を素通りして遠くまで移動できます。 >フォトン数は単にS/N比のみに効いてくると考えて良いのでしょうか? その通りです。 >XPSは基本的に試料に対して垂直にX線を照射しますが、表面感度が上げるために >斜めに入射した方が良いように思うのですが、こういったものもあるのでしょうか? X線は固体の奥深くまで潜り込むため、角度を変えてもどのみち固体内部まで X線が到達します。表面感度は上がりません。ただし、光電子が発生する方向は 非対称で、X線の入射方向を変えるとスペクトルの見た目は変化します。 表面感度を上げるためには、試料と検出器の角度(TOA = take off angle)を 変化させます。TOAを変化させて、非破壊で深さ分析を行ったりします。 (Nature Materials 3, 687-691 (2004)が面白いと思います) この場合、光電子発生の非対称性を打ち消すため、X線源と検出器の角度を 光電子の発生が対称になるような角度(マジックアングル)に固定します。

KUZUY
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 もう少しお聞きしてもよろしいでしょうか? ・http://tri-osaka.jp/group/kikaikinzoku/hyoumen/surface/morikawa/R9/Esca.PDF ここの1ページの「光電子エネルギーと脱出深さ」というグラフに何か名前があったように思うのですが、何でしたっけ?(ユニバーサルなんとかって言いませんでしたっけ?) ・それとこのグラフは試料によって変わってくると思うのですが、どうやって測定するのでしょうか?出てきた電子エネルギーは分かってもどの層から出てきたのかは知りようがないように思うのですが・・・ ・それと2ページ目のグラフで、横軸はBinding Energyとなっていますが、これは照射したX線のエネルギーから出てきた電子一つのエネルギーを差し引いたものだと思うのですが、出てきた電子はいろいろな層から出てきたものを含んでいるので、どれを差し引けば良いのか分からないと思います。これはどうしているのでしょうか? ・検出器の角度を変えるというのはAR-XPSのことだと思うのですが、角度を変えると表面感度が上がる、ということは、1ページ目のグラフの波形も変わるということに相当すると思うのですが、やはり何らかの方法で1ページ目のグラフを測定して、表面のS/N比が高いものと、バルクのS/N比が高いものを独立して測定するのでしょうか?つまりは検出器の角度を掃引するのではなく、ある地点に固定して使うものなのでしょうか?

関連するQ&A

  • XPSの精度について

    XPSで金属試料を測定しているときに 例えば20回同じ条件で測定してその平均を取る場合で、 時々、明らかに違う強度のバックグラウンドとピーク高さがでる時があります。 これは高くなるときもあり、また低くなるときもあります。 これじゃ平均するにしてもばらつきが出てしまいますよね・・。 これはX線を試料に当てていても、 同じ時間間隔で光電子が放出されていないということでしょうか。 また測定しているうちに試料に気体分子が吸着してIMFP(光電子の非弾性衝突を意味する平均自由行程)が変化することがあるのでしょうか。 それとも私が扱っている機器に何らかの支障があるのか・・・・。 X線源の配線が一本切れやすくなっているのもあります。。 (切れるたびにハンダで修理してます) アドバイスを戴けたら幸いです。

  • 平均自由行程とそのエネルギー依存

     kazuorukといいます。 表面科学で、電子の平均自由行程のエネルギー依存に ついて調べてます。 運動エネルギーが約40eVを境に以下は平均自由行程値が大きく増加し、以上は緩やかに増加しますが、どうして、エネルギーが小さいほど平均自由行程値は高くなるのですか。

  • XPSスペクトル71.5 eVって・・・

    XPSの結合エネルギー位置に関して質問があります。 アルミナの上にアルミ蒸着が数十nmしてあると言われている試料を測定しました。 最初のうちは当然アルミが72.9 eV付近に検出されているのですが、スパッタを進めていくうちに71.5 eV付近にスペクトルが立ち上がってきます。 X線源としてはアルミニウムのモノクロKα線を使用していて、線源に対するデータベースなどを見ていても、71.5 eVという低い位置に対応するようなものがヒットしません・・・。 スパッタしているので、アルミナに辿りついたとしてもアルミナは74.5 eVのハズなのですが、なぜこんな低位置にスペクトルが立ち上がってくるのでしょうか?

  • 電子の平均自由行程の計算方法

    気体プラズマ中で,あるエネルギー[eV]をもった電子の平均自由行程はどのように計算できるのでしょうか?

  • 照度から、エネルギーとフォトン数への変換

    いつもお世話になっております。 照度と光のエネルギーとフォトン数の関係を調べて変換してみたんですが、その計算が合っているか確かめたいので教えていただきたいのです。 波長400nm 555nm 700nmの光があったとして、全て照度計での数値が1000ルクスだったとします。1ルクスが0.147Wだと書いてあるので、エネルギーは全て1.47Wになりました(ここで間違えているような気も・・) で、E=hc/λからフォトン一粒のエネルギーをそれぞれ調べてみると短波長のほうから順に4.5*10^-19 3.24*10^-19 2.57*10^-19[J]となりました。 1.47Wからそれぞれのフォトン一粒のエネルギーで割ると、572*10^16 453*10^16 326*10^16個が毎秒単位面積に入るフォトンの数になりました。 論文なんかに載っている値と数桁違うので絶対どっかでは間違っていると思うのですが、何が違うのかよく分かりません。是非御教授いただければと思います。

  • 半導体検出器の出力について

    光の検出に使用する半導体検出器についてです。 光の分光強度を測定する際、検出器からの出力信号を検出器自身の有する分光感度特性で補正すれば、補正後のデータは入射フォトン数のみに依存し、波長には依存しない、つまりフォトンのエネルギーには依存しない、という理解で合ってますでしょうか? 表示される出力が電流値であったり、ワット、任意単位であったり等、装置によって異なるので混乱しています。

  • シンチレータの特性について

    シンチレータは粒子線やX線を可視光付近の光に変換するとのことです。 シンチレーション効率(蛍光効率?光出力比?)という、 シンチレータに吸収された入射粒子線・入射X線のエネルギーのうち、 どのくらいの割合が可視光付近の光エネルギーに変換されたかを示す指標があるかと思います。 このシンチレーション効率の値を調べたところ、NaI(Tl)が約12%で、 シンチレータ(無機?)の中で最大という話を聞きました。(そして、多数の3eVの光子に変換される) つまり、例えば0.5MeVのガンマ線のエネルギーがNaI(Tl)シンチレータに付与された場合、 .0.5MeV×0.12=60keV分が3eV可視光に変換され、 20000個のシンチレーション光子(60keV=3eV×20000個)が生成されるかと思います。 0.5MeVのうち、わずか12%の60keV分しかシンチレーション光に変換されないのは 効率が悪すぎるような気がしますが、仕方ないのでしょうか? また、残りの88%はどうなってしまうのでしょうか? 他にも、生成するシンチレーション光は等方的に発生するので、 後段のフォトマルやフォトダイオードへ入射するシンチレーション光も制限されるような気がします。 (有限な集光効率の存在) 以上より、粒子線やX線をシンチレータ経由で測定するとき、かなりの損失がある上で 測定しているのではないかという疑問があります。皆さんのご意見を伺いたいです。

  • 平均自由行程って

    電子分光法について学んでいて、いきなり平均自由行程っていう言葉が出てきて戸惑ってしまったのですが、これは、いったいどういうものなんでしょうか? 電子分光法が表面分析法であるといわれる所以のように書いてありました。 手近に試料がなくて困っているのですが…。

  • X線光電子分光法(XPS)について

    こんにちは。 XPSについてお尋ねさせてください。 自分は、化学系の大学院を出ていまして、 就職してより現在まで5年ほどXPSで分析を行っています。 なので、XPSについては、それなりに理解はしているつもりです。 (量子論とかは素人なので、あくまで、「それなり」ですが・・・・^^;) ただ、先日いくつか尋ねられたことについて、明確に答えられなかったので ここで質問させてください。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.たとえば、炭素(C)や酸素(O)はよく測定する元素種ですが これらは通常、内殻軌道である1s軌道を評価しますが、 なぜ、2s軌道や2p軌道じゃないのでしょうか? 他原子との結合エネルギーを評価しようとするとき、 こちら(O2s,O2p)でも良いんじゃないか? といった質問でした。 ⇒ この質問について、 確かに、XPSでは価電子帯の電子状態に関する情報も得られるが、 価電子帯の電子の束縛エネルギーは低いため、多原子系においては 内殻準位に比較して評価が難しい。 ・・・・などど曖昧な(しかも間違っている?)形で答えてしまいました。 これは違うような気もするのですが、 正しい理由をご存知の方がおりましたらお教えください。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.「1.」の問いに関連していますが、 原子が大きくなると、XPSで評価する電子軌道も変わってきます。 たとえば、銀(Ag)= 3d、金(Au)= 4f などですね。 酸素や炭素などの小さな原子は1s軌道で評価するのに、 原子が大きくなるほど、2p→3d→4f・・・となっていくのは何故なのか? といった質問でした。 ⇒ これについては次のように答えています。 原子が大きくなるほど、より内殻側の電子ほど束縛エネルギーが大きくなってしまうので、 固定された照射X線のエネルギーではその電子を光電子として弾き飛ばすことが出来ない。 なので、原子が大きくなるほど、2p→3d→4f・・・となっていく。 と、自分では理解しているのですが、これは正しいでしょうか? ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.たとえば、金(Au)などは、4f軌道の評価が一般的だと思うのですが 実際にはAuは4s~5dまでのスペクトルが観測されるようです。 このうちで、なぜ、4f軌道なのでしょうか? 「一番強度が得られる軌道だから」というのは簡単ですが ひとつの元素について軌道毎に強度が異なる理由があるのでしょうか? 内殻ほど電子密度が高くなって、その分強度が得られるじゃないかとも思うのですが、それは違うのでしょうか。 http://www.sugalab.mp.es.osaka-u.ac.jp/~sekiyama/PES1/kaisetu1_3.html こちらのサイトでは、そのAuのスペクトルが提示されていますが 4fを境に内殻へいくほど強度が減っています。 電子軌道によって、光電子強度が変わるという理由について教えてください。 もしかして、軌道によって光電子の発生確率が変わるのかな?とも思うのですが このあたりに関する記述が見つけられませんでした。 XPSに関する書籍でも、「内殻電子を評価する手法」とひとくくりに書かれてしまっているので、詳しいところが不明でした。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 以上ですが、もしお詳しい方がいらっしゃいましたら ご教授いただきますようお願いいたします。 宜しくお願いいたします。

  • キッテルの固体物理の第5章を読んでいるのですが、そこに「熱伝導率を制限

    キッテルの固体物理の第5章を読んでいるのですが、そこに「熱伝導率を制限するのに寸法効果が優越してくる」とあるのですが、この概念的イメージがわかりません。まず、平均自由行程より試料の寸法が短くなるっていうのはどーゆうことなのでしょうか???