解決済みの質問
こんにちは。
はるか昔ですが、大学で学びました。
原子炉内では、ウラン235と中性子が反応して、核分裂が起き、
分裂してできる色々な元素の‘おまけ’として中性子が何個か出ます。
するとその中性子は、ほかのウラン235に当たって反応します。
すると、また中性子が生まれて他のウラン235と反応します。
つまり、連鎖反応が起きて、炉内の核分裂が持続されるわけです。
ただし、このとき、中性子が多すぎると、連鎖反応がどんどん多くなっていって危険なので、
炉内の中性子数を調節することが必要になります。
そのため、中性子を単に吸収する材料を炉内に入れます。それが制御棒です。
上述した核分裂反応で生まれる中性子は、スピードが速く、「高速中性子」と呼ばれます。
減速材は、原子炉内の高速中性子の速さを小さくする働きをするものです。
減速された中性子のことを「熱中性子」と言います。
減速したのに「熱」という漢字がつくのでわかりにくいかもしれませんが、
まー、「高速すぎない、尋常な温度の中性子」とでも理解してください。
なぜ、高速中性子を減速して熱中性子にするかというと、
それによって、ウラン235 と中性子との核反応の確率(専門用語で「断面積」と言います)が高まるからです。
減速材としては、原子番号が小さいものが有効です。
これは、1円玉を弾いて他の硬貨に当てたとき、
当たる相手が500円玉の場合は、ほぼ同じ速さで跳ね返ってしまい、
当たる相手が1円玉の場合は、当たった相手が弾かれる代わりに自分の速さが小さくなるということでイメージできるかと思います。
ですから、H2O(当たる相手がHやOの原子核)、あるいは黒鉛(当たる相手がCの原子核)が減速材として使われるわけです。
ここまでの説明で、「減速材」の意味や機能が理解できたかと思います。
黒鉛減速のメリットは、この記事の冒頭に書かれています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E9%89%9B%E7%82%89
天然ウランには、原子炉の燃料として使われているU-235がたったの0.7%、残りの99.3%がU-238です。
U-235の割合を数%に上げる工程のことを「ウラン濃縮」と言います。
そうしないと、軽水減速の燃料として使えません。
U-235とU-238は、化学的性質が基本的に同じであり、しかも、原子の重さの比が 235:238 という僅かな差なので、
濃縮の工程は幾段もあり製造コストが非常に大きくなってしまいます。
(北朝鮮の核開発問題で出てくる「遠心分離機」というのは、ウラン濃縮の装置です。)
ですから、天然ウランが使える黒鉛炉はその点でメリットがあります。
デメリットは、No.1様のご回答の通り、核暴走が起きることです。
チェルノブイリの事故は、黒鉛減速であったがために、あれほどの大惨事になりました。
余談ですが、
減速材は、熱中性子で反応が起こりやすいU-235を燃料に使うから必要なのであって、
高速増殖炉すなわち、U-238をプルトニウムに変えながら運転する炉であれば、減速材は使用しないと思います。
熱中性子より高速中性子のほうが、U-238と反応しやすいからです。
これは、天然ウランの99.3%を利用できるのですから、推進すべき方式なのですが、
下記の通り、苦難の道を歩んでいます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85
以上、ご参考になりましたら。
投稿日時 - 2008-12-06 00:28:06
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ベストアンサー以外の回答(4件中 1~4件目)
再びお邪魔します。
制御棒について。
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/se02.html
なお、
軽水炉においては、水は、一次冷却材(炉から熱を取り出すものとも言える)と減速材の両方の機能を果たします。
投稿日時 - 2008-12-06 15:16:28