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塩素とフッ素の融解熱の違いについて
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フッ素分子と塩素分子は互いに良く似た性質を持つ分子なのですけど、フッ素分子間に働くファンデルワールス力が塩素分子間に働くファンデルワールス力よりも弱いので、フッ素の融点や沸点や融解熱や蒸発熱は、塩素のそれよりも低くなります。 ものすごく大雑把な傾向として、ファンデルワールス力は、分子量(原子量)が大きくなるほど強くなります。そのために、ハロゲンの融解熱は F2<Cl2<Br2<I2 の順に大きくなりますし、希ガスの融解熱も Ne<Ar<Kr<Xe の順に大きくなります。ただし、融解熱(や融点や蒸発熱や沸点)は他の因子にも左右されますし、ファンデルワールス力そのものも分子の形などに左右されますから、分子量だけを頼りに、例えばキセノンと塩素の融解熱の大小を議論することは、あまり意味がないです。 ……高校1年生のレベルだとこんな感じでしょうか。 本当は結晶構造(分子の詰まり方)についても言及しないといけないのでしょうけど、固体フッ素は他の3つのハロゲンとは少し異なる構造で、しかもそれが柔粘性結晶という厄介なシロモノなので、狡い話ですが、結晶構造の話には深入りしない方がわかり易いんじゃないかなと思います。 また、窒素と酸素とフッ素とで比べると、 物質, 融点, 沸点, 融解熱, 蒸発熱 N2, -209.9, -195.8, 0.72, 5.58 O2, -218.4, -183.0, 0.44, 6.82 F2, -219.6, -188.1, 1.56, 6.32 とのことなので(理化学辞典より、単位は℃またはkJ/mol)、上のお話はあっさり破綻します(だいたい似た大きさになるよね、ってごまかしたいところですが肝心の融解熱がO2とF2で三倍以上違います)。あまり応用の利かない説明で、すみません。
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お礼
丁寧な説明ありがとうございました。ファンデルワールス力ですね。 固体フッ素の結晶構造が他と異なることは知りませんでした。調べてみたいと思います。 もともと異なる物質の融解熱が違っていても当たり前だというような説明で済まそうとしていたのです。こういうことに、どんな場合でも合うというようなきちんとした説明はなかなか難しいと思います。ほとんどの場合、例外が必ずありますものね。