• ベストアンサー

円周率(π)が超越数であるということの意味は? そして真理とは?

stomachmanの回答

  • ベストアンサー
  • stomachman
  • ベストアンサー率57% (1014/1775)
回答No.1

質問1  超越数って、なんかスッゴイ名前を戴いちゃって、完全に名前負けしてます。超越数とは「整数係数の多項式=0」という方程式の解にならない実数のことです。整数係数多項式とは係数に整数しか許さず、足し算、引き算、かけ算だけで構成される式(だから、冪を使って表現しても、冪の肩に乗るのは自然数の定数だけです)。だからまあ、一番「易しい」たぐいの方程式でしょう。「与えられた円と同じ面積の正方形を定規とコンパスで描け」と言われてもできない。定規とコンパスだけで平面上に点を決める操作は、解析幾何学に翻訳するとすべて低次の整数係数多項式の方程式に帰着してしまうからで、どうやっても√πという長さが作れません。  なお無理数とは「有理数でない実数」の事です。整数係数の方程式 nX-m=0の解はX=m/nですから、有理数は超越数ではない。すなわち超越数はみんな無理数です。無理数√2は方程式 X×X-2=0の解だから超越数ではなく、従って、超越数⊂無理数。 ・実数と無理数に関しては: http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=32339  コンピュータのプログラムで任意の精度まで計算できる(「計算可能な」もしくは「構成可能な」)実数というのは、実は高々、自然数の個数と同じだけ(アレフ0個)しかありません。(証明はmori0309さんにお任せ。プログラムのゲーデル数を考えてみれば...)実数の個数はずっと多い(アレフ1個)ので、圧倒的多数の実数が計算不可能であり、また当然の事ながら計算不可能な数はみんな超越数です。で、πは計算できる実数。可愛いもんです。つまり、計算不可能な数⊂超越数。 ・実数の個数に関しては: http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=31937  円に関係してπが出てくるのは、直径と円周の比、という所にポイントがあるんですね。面積と円周の比じゃダメです。円周も円の面積も、また円錐や球の体積・表面積も、みんな仲良くπの因子を1つずつ含んでいますから、お互いに比を取ればπは消えてしまいます。しかし、一般に半径rのn次元球の体積は  nが偶数: V[n] = (r^n) {π^(n/2)}/{(n/2)!}  nが奇数: V[n] = (r^n) 2 {(2π)^((n-1)/2)}/{n!!}    (ただしn!!= n (n-2) (n-4) ... 1 ) です。円はn=2(2次元における体積=面積)、球はn=3(普通の意味での体積)。で、n=4次元だったら、 V[4]=(r^4) {π^2}/2 であり、円や球の体積との比を取るとπの因子が残ってしまいます。逆にn=1次元でも V[1] = 2r だから、πの因子が残ります。(1次元の場合の体積とは、直線上に中心Oを取り、そこからrの距離にある2つの点に印を付けて、その2点間の距離を測った物です。)  ちなみにn次元の球の表面積はV[n]のrによる一階微分S[n]=dV[n]/drで表されますから、或る球の表面積と体積とではπの因子の次数はいつも同じです。(n=2の場合で言うなら、円の面積と円周との比を取るとπの因子は残らない。nが幾つでも同じ事です。) ・n次元球の体積に関する若干の議論は: http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=19508  円形の海があってその周囲が丁度直径の3倍である、という記載が聖書の中にあるそうで、円周率が丁度3じゃない事に悩んだヒトも昔は(今でも?)随分いたと聞きます。これは大地が平らだと仮定するからそうなっちゃうんで、仮に空間の曲率が正であるとしたとき(この場合球面上)の非ユークリッド2次元幾何学を考えると話は違います。円周率は円の直径に依って変化するものになり、これが丁度3になるような海の直径を割り出せます。すなわち、北極点を中心にしてこのような円形の海があったとすると、その円周は丁度北緯60°の所に来ます。地球の半径をRとするとき円周の長さ=2πRsin(π/6) = πR, 球面に沿って測った海の直径は=2R(π/6)= πR/3ですから、円周率は(πR)÷(πR/3)=3になります。(だから聖書学は球面幾何学を含んでいる?というのは例によって考え過ぎです。) ・非ユークリッド幾何に関する若干の議論は: http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=30830 質問2  とても重要な観点だと思います。「真理」という所を「概念」と呼んでみては如何でしょうか。数学にはいろいろな性質を表す言葉が導入されます。そしてそのような性質同士の関係を問う、などの問題を考える訳です。しかし(普通の数学の場合)これらの性質は、全部集合論の記号と論理式に完全に還元して表現することができます。素数であるとか、超越数であるとか、ゲーデル数であるとか言うのは、言ってみれば人間が発明した「概念」であり、本来は論理式のパターンに過ぎないものに名前を付けることによってヒトが創造した、と考えることもできます。 初めに言葉ありき。  逆に「数の性質は初めからそこにあって、それを探求して発見して行くんだ」というケンキョな考え方もあり、どちらかと言うとこっちの方が普通でしょう。 ・質問3に関しては: http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=24901

mori0309
質問者

お礼

stomachmanさん、ありがとうございます。いつもながら、完璧ですね。スゴイです。 (私は、やっぱり、カテゴリミスをしてしまったようです。ハズしてばかりです) > 円周率が丁度3じゃない事に悩んだヒトも昔は(今でも?)随分いたと聞きます。 どうしても「何か意味があるはずだ」と思ってしまうんですよねぇ。文学趣味者は 旗色悪いなあ。(私が安直な空想家なだけ?) いつも、自然のなかの事実に寓意を読みたくなってしまうんです。でも、こう、 stomachmanさんに「分析こそ賛美」「事実に意味などない」ということの実例を次から 次へと見せていただくと、gooのネズミも出ないです。(あーオヤジギャグ) ケンキョな「普通」の考え方(正気の里)に帰らなくちゃいけないのでしょうか。 やっぱり「普通」は偉大なのですね、、、ってまた価値判断をしてしまうmori0309です。

mori0309
質問者

補足

stomachmanさん、ありがとうございました。 他のみなさんも、ありがとうございました。 部屋を締め切るのは、ちょっとだけ、淋しさを感じます。 訪れてくれる人が、いなくなってしまうようで。 愛着や想い出に、永久封印をするようで。 う~む。回顧し懐古し解雇されちゃうmori0309でした。 (仕事が上の空で、ポカミス多発)

関連するQ&A

  • 円周率【超越数】を有理数で定義する

     円周率は超越数です.  それを有理数を項とした無限級数で定義できます.  例:π/4=1-1/3+1/5- ...  有理数の和と無理数(超越数)が等しいというのはおかしい という考え方はできますか?  あるいは,「円周率とは,たまたまそういう数なんだ」 ということなんでしょうか.

  • 円周率が有理数である考え

    先日円周率について質問した者です。 皆様の意見というか、世の中では円周率は無理数であると証明されているようですが、 私には納得のいかないことは事実です。 その理由を以下に示します。 円でできた縄を想像してください。 その縄を、切断します。 そうすると円であった縄は一本の直線の縄になります。 この縄には初めと終わりがあります。 初めと終わりが存在するということは有限であることになりませんか? 円周の長さが有限であることは、直径が無理数であれ円周率が無理数であれ当然の結果でしょうか? 以上が私が円周率は有限であると考える理由です。 以上の考えに対して、落ち度や意見があればよろしくお願いします。

  • 有理数無理数の定義とはなにか答えられる方いませんか?

    有理数や無理数はどのように厳密に定義されるのですか? 有理数は2つの整数の比である。 循環する無限小数である。 無理数は循環しない無限小数である。 などを耳にしますが、(無限)小数の定義は何?とか思うのですが そのように考えるのはおかしいでしょうか? 自然数や整数を定義する際に用いる言葉で有理数が定義されるべきではないのですか!? 高校生などに教える際の有理数や無理数の定義が知りたいのではなく。 どのような過程を経て、これらの数は矛盾なく定義されるのか"詳しく"知りたいです。 自然数から整数を構成して、そこから有理数→実数(無理数)という流れですよね。 こうゆうのは"群"などの話になるんでしょうか? 知っている方、回答よろしくお願いします! あと、この質問文のような内容が独学で勉強できる本でオススメなものがあれば、ぜひ教えていただきたいです。

  • リウヴィル数

    とある数学の本で、無理数についての項目を読んでいて気になったことがあります。 具体的な数字を示すことで、超越数の存在を明らかにしたリウヴィルでですが、そのリウヴィル数が超越数であることの証明が記載された文献はありませんでしょうか。 リウヴィル数は、 Σ(n=1~∞)10^(-n!) となるのですが、どうやらこれが代数的数だと仮定すると、複素根をn+1個以上持つn次方程式が現れて、代数学の基本基本定理に反する、という背理法を使うらしいのです。リウヴィル数が超越数であることの詳細な証明が知りたいのです。よろしくお願いします。

  • 有理数と無理数について

    「有理数は有限小数または循環小数となり、無理数は循環しない無限小数となることを示せ」という問いに関してアドバイスを下さい。   私的に考えた解答を書いてみます。  有理数とは、mおよびnが整数である時、m/nを有理数と呼ぶ。つまり、有限小数または循環小数が分数であるならば、有理数は有限小数または循環小数と言える。 例えば循環小数A=0.12121212・・・・を分数にする。 (10xA)-A=(12.12121212・・・)-(0.12121212・・・)     9A=12      A=4/3 となり、循環小数Aは分数となり有理数は有限小数または循環小数である。・・・・・どうでしょうか? 「無理数が循環しない無限小数である」というのは実数数において有理数以外のものが無理数だと認識している私は、分数表示できない数は無理数である・・としか示せないので、なんだか上手に表現できません。 アドバイス待ってます。

  • 算数の問題です体積の比を簡単な整数の比で表しなさい。

    A,B2つの円柱があります。その底面の円周の比は4:3で、高さの比は3:2です。このとき、体積の比をもっとも簡単な整数の比で表しなさい。という問題です。小学生がわかるように教えてください。お願いします

  • 無理数、有理数。

    無理数は有理数の数列の行き着く先の数である。一般にすべての実数は有理数の数列のいきつくさきとして表示できる。この具体的な例をあげろというのですが、全く意味がわかりません(-_-;)わかりやすく、お願いします

  • 中学校に戻してほしい高校数学の内容。

    どしどし挙げてください! 私は以下のものを思いつきました。 1年:記数法,球の体積・表面積 2年:1次不等式,用語「重心,内心,外心」,相似形の面積比・体積比,資料の整理 3年:用語「有理数,無理数」,2次方程式の解の公式,いろいろな事象を表す関数,用語「定義域,値域」,円の性質(方べきの定理を除く),標本調査(母比率や母平均の推定)

  • 自然数と整数

    簡単な質問で、申し訳ありません。 自然数と整数の違いを教えてください~ なるべく詳しく。 少数、分数なども何処に属するか教えてください。 また、無理数と有理数の違いもお願いします。 無理数は、√が付くもの意外で、無理数があれば、教えてください。 割り切れない数は、無理数になるのでしょうか。 ゼロはどちらに属するなど。 詳しい方お願いします。

  • 実数とは?

    教科書を読めば、実数は有理数と無理数を合わせたもの、無理数は実数から有理数を除いたものとかかれており結局実数とは何かということにたいして答えが出ていないような気がします そこで、実数とは何かという問いに対して高校範囲ではどのようなものと考えればよいかを教えていただけませんか?