• ベストアンサー

測定分解能と干渉縞の関係について

赤外分光法でSi基板の上に有機膜をつけて測定しています。普通のウエハ(500ミクロン厚)だと測定分解能を4cm-1にすると干渉縞が出てしまうのですが、8cm-1だと出ません。試しにもっと厚いウエハを使うと干渉縞は出ませんでした。干渉縞と測定分解能の関係について、関係式とかあれば、教えてください。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • walkingdic
  • ベストアンサー率47% (4589/9644)
回答No.1

簡単に言うと、可干渉距離(コヒーレンス長とも言う)が分光器の分解能により変わるからです。 色々な波長を含んだ光は、色々な周期の波を含んでいます。 その場合、一つの光を分離して、また合成した場合に、光路差が0で合成した場合にはいつでも干渉しますが、光路差がある場合には、波と波が絶えず強めあったり弱めあったりするとは限らず、ばらばらになり、結果として時間平均を取れば干渉していない状態になります。 つまり光路差がある場合には干渉する範囲の距離以内であれば干渉するが、それを超えると干渉しなくなります。この距離を可干渉距離と呼んでいます。 もちろん境界線はあいまいですが、可干渉距離より十分小さければ干渉縞が明瞭に見えるし、可干渉距離よりずっと大きければ干渉縞はほとんど見えないということになります。 で、光が完全な単色光の場合には、この距離は無限大になります。 逆に光があらゆる波長を含んでいる場合には可干渉距離は0mになります。 この関係式を分光器の分解能K(単位:カイザーcm^-1)であらわすと、 L=0.01/K [m] となります。計算すると、4cm^-1のときには2.5mm、8cm^-1の時には1.25mmです。 ちょうどウエハの厚みによるウエハの表と裏面の反射での干渉を考えると、ウエハの厚みをdとして、屈折率を3.5程度で考えると、往復で一回干渉するとしても、7d程度の光路差がありますので、ウエハが0.5mmとすると、3.5mm程度の光路差があることになります。 そうすると、4cm^-1の時には、可干渉距離2.5mmより光路差3.5mmはちょっと大きいので弱いけど干渉縞はぎりぎり生じる、ただ8cm^-1の時には可干渉距離1.25mmと比較して光路差3.5mmはかなり違いがあるので干渉縞は出ないという現象が大まかに説明がつきます。 はっきりと干渉が現れるようにしたければ2cm^-1以下程度の分解能にすればよいでしょう。

hirohiro81
質問者

お礼

早速回答ありがとうございます。 >往復で一回干渉するとしても、7d程度の光路差がありますので、 この部分が少し理解できないのですが、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。 あと、もし、このあたりを勉強するのによい本があれば教えてください。

全文を見る
すると、全ての回答が全文表示されます。

その他の回答 (1)

  • walkingdic
  • ベストアンサー率47% (4589/9644)
回答No.2

>この部分が少し理解できないのですが、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。 厚さdの光が2つの面を通るとき、そのまま素通りする光に対して、2つの面で一度往復反射する光との距離の差は2dになります。ここで屈折率が3.5の物質の場合には、航路差は屈折率×実距離となるので、3.5×2d=7dとなります。 >このあたりを勉強するのによい本があれば教えてください。 基本的な光学の本であれば大抵載っていると思います。 可干渉性(コヒーレンス)は掘り下げるとかなり難解な話になりますが(詳しくはたとえばボルンの「光学の原理」などに載っている)、そんな難しい議論はここでは必要ないので、大抵の光学の本に載っている簡単な説明で十分だと思います。 私の手元にある本では霜田さんの「レーザー物理」などにも記載があります。 説明のわかりやすい本をご自身で手にとって見た方がよいかと思います。

hirohiro81
質問者

お礼

ありがとうございました。 よくわかりました。

全文を見る
すると、全ての回答が全文表示されます。

関連するQ&A

  • 分光器の分解能とは?

    現在HR4000分光器で太陽光のスペクトルなどの測定を行っているのですが、 分光器の分解能とは、どのようなことを言っているのでしょうか? 高分解能になるほど性能が良いみたいなのですがよくわかりません。 短い波長範囲の強度が正確に取れるということなのでしょうか。。。 よろしくお願いします。

  • 接着剤塗布厚みの測定

    Siウエハとガラスウエハを接着剤で貼りあわせた時の接着剤の塗布厚みを非破壊で測定することを 検討中です。 接着剤厚みは2μm前後であることがわかっており、精度は数10nmあれば十分です。 候補としては、 エリプソメーター IR分光計 光干渉計 を考えています。他に適切な方法はありますでしょうか アドバイスよろしくお願いいたします。

  • 位相シフト法の分解能

     光学の分野で位相シフト法という方法があり,干渉計などの測定分解能を向上できることが教科書に書いています.(式は省略)この方法の理論的分解能はどのように求まるのでしょうか? また,測定のステップ数が4の場合が書かれていますが,式が簡単になる以外にメリットはあるのでしょうか.  実際に係わっている方からのご回答をお願いします.

  • 水平分解能とサンプリング間隔

    初めて質問させていただきます。 現在、走査型白色干渉顕微鏡で表面微細形状の測定を行っています。 顕微鏡システムの特性として、ある倍率の対物レンズでは、サンプリング間隔0.2マイクロメートルと記載されているのですが、水平分解能0.64マイクロメートルとも記載されています。 サンプリング間隔とは必ずしも分解能とは違うのでしょうか? そうであれば、測定して得られるデータにおいて、0.2マイクロメートル離れたピクセル間では独立であるとはいえないのでしょうか? よろしくお願いします。

  • 計測器のノイズフロアと分解能の関係

    計測器のノイズフロアと分解能の関係について教えてください。 分解能はノイズに対して最小でどのくらいの大きさになるのでしょうか? ノイズフロアというのは計測器に対するセンサーからの入力がゼロの場合でも常に存在する自己ノイズのことで、つまり何も測ってなくても常にそのくらいの値を検知しています。 https://edn.itmedia.co.jp/edn/articles/1402/13/news013.html https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/voltage/thinking.jsp 一方、分解能は読み値の最小間隔です。 例えばAD変換機の最小ビット当たりの読み値の変化(係数)が1m/sec^2であれば分解能は1m/sec^2というと思います。 しかし、その測定器のノイズフロアが周波数スペクトルで見て1m/sec^2だった場合、センサーから1m/sec^2の入力があったときに測定値は0~2m/sec^2の間になります。つまり0m/sec^2と2m/sec^2の区別はつかないことになります。 1)こういうのを「分解能が1m/sec^2」と言って良いのでしょうか? 2)例えば1m/sec^2の入力があったときに測定値は0~2m/sec^2、4m/sec^2の入力があったときに測定値は3~5m/sec^2になるわけだから、1m/sec^2と4m/sec^2の区別はつくことになります。つまり分解能は3m/sec^2なのでしょうか? 3)仮に入力が0m/sec^2から3m/sec^2に上がった場合、その測定値は2~4m/sec^2になるので最大誤差33%という事になります。読み値が一目盛り上がった値(=分解能あたり)の誤差が3割以上あるというのはとても大きい気がします。例えば分解能は一般に誤差何%以内(例えば1割以内)とか常識的な線はあるんでしょうか? つまり読み値の10倍(ノイズフロアが1m/sec^2だった場合、分解能は10m/sec^2)とかでしょうか? 誤差にもいろんなものがありますが、ここではノイズフロアだけを考えます。例えばゼロ点のドリフトなんかは考えないことにします。 (ノイズフロアが1m/sec^2でも温度ドリフト、帯電ドリフトが100m/sec^2なんてことはよくあります。測定前にアースやゼロ点補正すればいい事ではあります)

  • スライドグラスの赤外特性

     お世話になります。  化学の素人です。わけあって顕微FT-IRである高分子膜の赤外分光特性を測定 しなければならなくなりました。その膜はスライドグラスの上に着けてあります。  赤外領域(4000~400cm-1)でガラスの吸収はどの程度かを教えて下さい。 赤外領域で、あまりガラスの吸収が大きいと、高分子膜の吸収特性が測れません。

  • 分光測定データによるnkの算出方法について

    若干吸収のある単層膜(均質)の屈折率及び吸収係数について、分光測定データから算出する方法を教えて下さい。 詳細を以下に示します。 nm;基板屈折率(吸収なし) n;?(単層膜の屈折率) k;?(単層膜の吸収係数) ただし、n<nm -測定データ- R;膜面より測定した反射率 R;基板側より測定した反射率 T;透過率 宜しくお願いします。

  • 移動する物体のを測定する変位センサー

    最高速 2m/s 移動距離 最大1m サイズは 2センチ角 上記の物体が移動中に移動方向に振動します。その振動の振幅が大まかに20Hz、30ミクロンくらいです。 ・1ミクロン以下の分解能で変位を測定したいです。 ・20Hzとすれば1秒間に200回くらい測定したい。 どんなセンサーがありますか?

  • 分光光度計の試料取り付けについて

    紫外可視分光光度計でガラス基板(縦100、横150、厚さ10mm)上に製膜したZnO薄膜の吸光度を測定しています。 現在はセルホルダの中央付近に両面テープで固定して測定しているのですが、結果にバラつきが出てしまって困っています。 セルホルダへ、どうのように基板をセットしたらイィか、 分光光度計で基板の測定を行ったている方教えて頂けますでしょうか。

  • LIGOの時間分解能はどのくらいでしょうか?

    LIGOのレーザ干渉の明暗を読む素子の時間分解能はどのくらいでしょうか? 添付画像のような感じで、光電効果で電子がはじき出されて、で きた正孔を埋める電子の数を数えるタイミングの細かさが時間分 解能ではないか?と考えています。 素子は、CCDですか?C-MOSですか?たぶん、素子数を少なめに して、明暗諧調と時間分解能に特化した素子を使用していると予 想するのですがいかがでしょうか? レーザを受けるときに垂直に受けると、光電効果で吸収しきれな かった分が反射してアームのレーザ経路へ戻ってしまうので、入 射するレーザに対し斜めに素子を配置すると予想するのですがい かがでしょうか? 斜めに素子を配置する場合は素子数を斜めになって、レーザを受 ける面積が増えた分だけ増やして空間分解能を明暗諧調への分解 能に追加することができると予想しますがいかがでしょうか? 問のまとめ LIGOの時間分解能はどのくらいですか?  ┠レーザを受ける素子はCCDまたはC-MOSどちらですか?  | ┠素子の時間分解能はどのくらいですか?  | ┠素子数はどのくらいですか?  | └素子の諧調はどのくらいですか?  |  └明暗諧調の範囲と段階数はどのくらいですか?  ┠レーザ入射に対し斜めに配置しますか?  └測定後のレーザはどうやって捨てられますか? 下記の問に回答していて、お礼コメントでLIGOの検知能力が疑わ れていて時間分解能が分からないことに気付いたので質問しまし た。 原始宇宙に生まれ出た金の由来の矛盾 https://okwave.jp/qa/q9387367/a26202172.html no.12のお礼コメントの最後の2行を引用します。 ーーーー引用しますーーーー  さらに同じ経路を辿ったはずで、時刻差がほとんどないはずの  波動の到着時刻には、7ミリ秒も差があるはずがないのです。 ーーーー引用終わりーーーー それ以前の問答の経緯は下記です。  重力波で光の波長は変化しないのでしょうか?  https://okwave.jp/qa/q9383648/a26167111.html   LIGOとエーテルの共通点と矛盾   https://okwave.jp/qa/q9381843/a26165766.html http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/ic2005/kagami_ic20050419.pdf 上記の『イメージセンサの基礎』p34では ーーーー引用しますーーーー  数百×数百画素で1000~10000 フレーム毎秒の物も出始めてい  る ーーーー引用終わりーーーー とあるので素子の分解能は0.0001s刻みより細かいと予想します。

ワクチン接種に関する質問
このQ&Aのポイント
  • 政府がワクチンを推進する理由について疑問があります。
  • ワクチン接種による死亡例が報告されているため、因果関係を調査するべきだと思います。
  • 職場の圧力により、自身がワクチン接種を受けなければならない状況に不満を抱いています。
回答を見る