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回折角とは

高校物理での質問です。回折格子の問題です。 「線スペクトルの中で緑色の光の回折角を測定すると19°48′であった。 まず一つ目のスリットS1があり、平行光線(白色光)を通す。その先に一つ目の回折格子G1がある。 入射光から19°48′の方向に二つ目のスリットS2を置き、その先に更に回折格子G2(格子定数はG1と同)を置いた。 (S2を通った光の延長上の点を中心とした、フィルムのある区間に)どのような線スペクトルが現れるか」 このようなものです。 この答は、真ん中に一本、両端のほうに一本ずつの線が現れたものになっています。 ここで、そもそも回折角が何なのかがよく分かりません。 回折ということは、光が隙間を通って裏にまで「広がる」のですよね。結果、たとえ一色の光だとしても、線は何本も現れるように思うのですが。回折角は、同じ光について何種類もあるのではないのでしょうか? それともこの問題においては区間が限られているため一本ずつになるだけで、実際はその先に何本もあるのでしょうか。 それにしても「回折角が19°48′であった」という記述が飲み込めません。教科書に載っている「ナトリウムランプ」の干渉縞でも、何本か線が現れていますし。 少々長くなってしまいましたが、「回折角がなんなのか」と、「この問題で線が三本しか出ない理由」を教えて頂けると助かります。 よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • walkingdic
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回答No.2

回折というネーミングの理解が不十分なので、そのようなご質問になったのだと思います。 ご質問者の頭ではスリットを通過した光は回折により広がるとお考えのようです。 でもこの問題ではそのようには考えてはいません。 そこに大きな違いがあります。 確かに光が細いスリットを通過するときに回折により広がるという現象はあります。 ところが、それはあくまでスリットが波長と比較してそれなりに狭い、もっと端的にいうと波長程度の幅になった場合に言える話です。 スリットが波長幅より十分に大きい場合には、スリットの端の部分では回折という現象が生じるものの、中央部分はそのまま通過しますので、全体としてはスリットによる回折の影響は微小なままにとどまります。 ご質問者が書かれた問題では、スリットによる回折というものは基本的に無視する、つまりスリットは無視できるほど広いと仮定しているのです。 一方で、回折格子により、光がその波長に応じて異なる角度に進むという現象も「回折」といいます。何故同じ回折という言葉を使うのかというと、基本的な考えが実は先のスリットも回折格子の場合も同じだからです。つまり回折という言葉は幅広い意味を持っているのです。 (透過型の)回折格子による回折は、言い換えると、波長オーダーのスリットが多数並べた状態になります。この場合、先のスリット単体の広がりの話とは異なり、その多数のスリットから出た光同士が干渉しあうため、波長に応じて特定の方向のみの光だけに限定されます。実際に計算すると、特定波長による回折は、m=0,1,2,3,4...(これを次数といいます)と番号付けられる特定の方向(複数)に光が回折されます。ただ問題文では、m=0と1だけを考えています。m=0は0次光といい、回折されることなくそのまま進む光です。 これが回折格子による光の回折であり、波長が異なると回折方向は異なるという形になり、単一の波長であれば「特定の方向のみ」に光が回折されることになります。 ここまでの話で気がついたかもしれませんが、回折格子ではスリットが複数あり、相互に干渉しあうだけなので、やはり起きている現象は一つのスリットの場合と同じ回折に違いはないわけです。ただ単一のスリットと異なり、複数のスリットで構成されているために、多重干渉により、特定波長の回折角が特定波長のみに限定されてしまうという点が一つのスリットのときと異なるわけです。 この理解の下でもう一度問題文を見ると、スリットを通った細い平行光(スリットによる回折広がりはないとする)が回折格子により回折(このとき多重干渉が生じる)すると、波長に応じて回折角が異なって広がる、つまり虹のようになり、その中で緑の位置にスリットを置くことで、緑の光のみ取り出す。この緑の光はやはり平行光のままで広がらずに進み、回折格子に光が入る。 すると、今度は緑の波長の光しかないので、その光は分離して左右に分かれてスクリーンに投影される。0次光、回折されなかった光はそのまま直進するというわけです。

noplaceyou
質問者

お礼

ありがとうございました。 「回折」=「折れ曲がる」なのですね(こういう理解でいいのか少し不安ですが……)。 教科書の中途半端な説明も、白色光を回折格子に通したときの縞も、なぜそうなるのか理解できた気がします。

その他の回答 (2)

  • walkingdic
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回答No.3

>「回折」=「折れ曲がる」なのですね(こういう理解でいいのか少し不安ですが……)。 折れ曲がるというより、(本来進む直進ではない方向に)回り込むという方がよいと思います。 なので細いスリットの場合には光が広がるようになります。 回折格子の場合にはその広がる光同士が干渉しあい、特定波長の光は特定方向にしか進まないようになります。つまり波長により決まる特定方向だけ回折されて進むわけです。 そういえば前回の回答で専門家のチェックを忘れていた。。

noplaceyou
質問者

お礼

丁寧にありがとうございました。 「回折」というものが掴めたように思います。

  • sanori
  • ベストアンサー率48% (5664/11798)
回答No.1

こんばんは。 良い質問だと思います。 >>> 回折ということは、光が隙間を通って裏にまで「広がる」のですよね。結果、たとえ一色の光だとしても、線は何本も現れるように思うのですが。 そうです。 ただし、「何本」と数えられるわけではなく、連続しています。 >>> 回折角は、同じ光について何種類もあるのではないのでしょうか? そのとおりです。 そして、スリットの幅を変えると回折のしかたは変わります。 >>> それともこの問題においては区間が限られているため一本ずつになるだけで、実際はその先に何本もあるのでしょうか。 そのとおりです。 >>> それにしても「回折角が19°48′であった」という記述が飲み込めません。教科書に載っている「ナトリウムランプ」の干渉縞でも、何本か線が現れていますし。 さあ、ここが問題です。 ポイントは回折格子G1です。 ご存知でしょうが、G1の向こうには、G1の異なる穴を通過した光同士のが強め合う場所、弱め合う場所があり、それによって干渉縞ができます。 G1の格子のピッチによって、G1の向こうに現れる干渉縞は変わります。 格子のピッチが小さいほど干渉縞のピッチも短くなります。 そして、また、 光の波長によって干渉縞のピッチは変わります。 波長が短いほど、干渉縞のピッチも短くなります。 つまり、波長によって、強め合う場所が変わるわけです。 角度で言えば、強め合う角度(強め合う回折角)が変わるということです。 「回折角が19°48′であった」の19°48′という数字は、回折格子のピッチに依存します。 つまり、普遍的な定数ではありません。 なお、 この実験において、回折格子G1とG2には役割分担があります。 すなわち、 G1の役割とは、特定の波長の光だけを抽出すること、 G2の役割とは、その特定の波長の光だけについての干渉縞を作ること、 ということです。

noplaceyou
質問者

お礼

とても早い回答をありがとうございました。 つまり、この問題では 「緑色の光のうち、  回折角が19°48′だったものだけをG1で取り出して  (本当は緑色の光は他の角度でも回折しているけれど)、  それをG2で更に回折させた。  だからG2の先では19°48′でしか回折しない」 ということでいいのでしょうか。 どうしても、G2の先でまた色んな角度で回折してしまいそうな気がしますが……。 それとも、 「緑色の光は様々な回折角を持つが、  G1のような回折格子を使うと19°48′でしか回折しない」 のでしょうか。 ……すみません、なんかややこしくなってしまいましたが。 それと、 「『何本』と数えられるわけではなく、連続してい」るというところが いまいちイメージできないです。 問題でちょいちょいと線が引っ張られているのは便宜上で、 単に一面繋がっているのよりも細いから線スペクトルと呼ぶ、 とかそういうことでしょうか。 もしよろしければ、教えて頂けると幸いです。

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