• ベストアンサー

数学・科学理論

数学や科学理論の中で、演繹や帰納はどう適用されるか・されないのか教えて下さい。 たとえば、数学における演繹の役割は?数学における「証明」がどうして「演繹」といえるのか? 科学理論において、演繹の使われる場面は?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • stomachman
  • ベストアンサー率57% (1014/1775)
回答No.2

●数学  「数学的帰納法」というものがあります。すなわち、P(n)を自然数nに関する何かの性質だとして、 (1) n=0のとき、P(n)が成り立つ。 (2) もしP(n)が成り立つのであれば、P(n+1)も成り立つ。 の二つを証明すれば、 結論:全ての自然数n=0,1,2,.... についてP(n)が成り立つ。 と言える。 名前は「帰納法」でも、実はこれは演繹なのです。  では、数学では帰納を使わないのか?そんなことはありません。  色々な例を調べてみて「どうもXXという性質がいつでも成り立ちそうだ。」という予想を立てるのは、まさに帰納であり、科学において「仮説」を作るのと全く同じことです。  このような予想が提出されると、その予想を満たさない「反例」が作れないか、あるいはその予想が演繹によって証明できないか、この両方向での研究が行われます。つまり研究の方向を与える、という意味で予想は非常に重要なのです。これも科学と同じですね。  比較的最近解決された有名な予想は「a^n + b^n = c^n (n>2)となる自然数(a,b,c,n)はない。(フェルマーの予想)」であるとか、「平面上の地図は4色で塗り分けられる。(四色問題)」などですね。未解決の重要な予想も沢山あり「仮にその予想が正しかったとしたら、」という前提で、既にその予想を利用した理論が発展しています。もしこの理論の中で数学的矛盾が発生すれば、全て無駄になってしまうのか?いや、そうじゃありません。矛盾が出たということは、すなわち「予想が正しくないことの証明」が出来た事に他ならない。これは大変な成功ですね。だから予想が正しいのかどうか、結論を待たずにどんどん研究は進むんです。 ●科学  さて、Umadaさんの解説の通り、科学においては物事を観測して「どうもXXという性質がいつでも成り立ちそうだ。」という仮説を作る。これが帰納です。そして「もし、そういう性質がいつでも成り立つとすれば、こうなるはずだ」という演繹を行い、その予想に基づいて実験をしてみる。それで予想に反した結果になれば、仮説は間違っていたことになり、もういちど仮説を考え直す。さまざまな実験による検証を耐え抜いた仮説は、暫定的に「法則」として認められます。しかし一つでもこの法則に反する現象が見つかれば、またやり直しです。そうやって進歩していきます。  もし長年の検証に耐えてきた法則の反例を見つけたら、大発見ですね。だから、よくオカルトのヒトが言う「科学者は科学の権威を守るために、従来の科学に反することは黙殺する」なんてのはとんでもないヨタ話で、科学研究の最も重要な役割は「従来の科学に反すること」すなわち反例、例外を一所懸命探すことです。

kurukuru
質問者

お礼

丁寧なご説明ありがとうございます。 演繹と帰納の密接な関係がよくわかりました いろんな使われ方をしているのですねφ(.. )メモメモ

その他の回答 (1)

  • Umada
  • ベストアンサー率83% (1169/1405)
回答No.1

事物の観察から法則を見出すことが科学における帰納です。たとえば光の速度を計測する実験を繰り返し、光速が不変であるという法則を打ち出すことが帰納に当たります。 光速不変という法則から別のあることを導き出すこと、たとえば時間が相対的なものであるということを導きだすのが演繹に当たります。 重ねてになりますが、個々の事象から根本原則を見出す行為が帰納、根本原則から個々の事象を導き出す行為が演繹です。 科学理論においてはほとんどすべての場面で演繹が使われると言ってもいいでしょう。基本的な法則(例えば、ニュートンの運動方程式)というものは数えるほどしかなく、それ以外のほとんどはその基本的な法則から導きだされるものだからです。 数学はそれ以上「なぜ」を問うことのできない公理を出発点にして組み立てられている理論です。ある命題が正しいことを、公理(公理から導かれる諸定理も含めて)から導き出すことが「証明」なわけですが、これは上述の説明のように演繹にほかなりません。

kurukuru
質問者

お礼

早々のレスありがとうございます。 なるほどっ。 科学や数学にどう演繹・帰納が関わるのかが、よくわかりました。m(._.)m

関連するQ&A

  • 数学的帰納法は演繹法?それとも帰納法?

    数学や科学、論理において、 演繹法または帰納法 が使われると思います。 ところで、数学的帰納法は、そのどちらなのでしょうか? どこかで、数学的帰納法は演繹法の一種、と聞きましたが、本当でしょうか? でも、そうだとしたら、数学的帰納法という言葉は、誤解を招くというか、 たとえば、「数学的帰納法」を省略してたんに「帰納法」というのは、よくないのでしょうか?

  • 「科学的証明」の一般的定義について

    一般に「科学的証明」と言う場合、数学や論理学などの形式科学における証明と、自然科学における証明とがあり、前者を一般に「論証」と言いおもに演繹法により、後者を一般に「実証」と言い実験や観測のデータにもとづく帰納法による・・・と、大雑把にはこういう理解でよいですか? それで一般に科学的証明と言う場合、どちらかというと後者の意味で、つまり実証という意味で言われることが多いように思われますがいかがですか? あと、形式的証明と非形式的証明の違いについて出来るだけわかりやすく教えて下さい。

  • (科学的思考法)「~法」には、何があるでしょうか?

    「~法」という名前の、科学的思考法には具体的には何があるでしょうか? (例)帰納法、演繹法 ※ 帰納法、演繹法以外のものでお願い致します。 よろしくお願い申し上げます。

  • 数学者は不完全性理論をどう考えているんでしょうか?

    ある数学の教師に、クラスの友達が 「先生はなんで数学みたいなめんどくさいもんをずっとやってられるんですか?」 というような質問を冗談半分に言ったところ、 「数学だけが真理を表せるからだよ!真理の探究が面白いんだ。ふふん!」 というような内容の回答を少し自慢げに返しました。 このやりとりは結構前のことなんですが、先日「不完全性理論」というものがあると知りました。 そこで、このやりとりを思い出したんですが、その先生は不完全性理論についてどう考えているんだろうと疑問に思いました。 自分は数学は不変のものを表せるものだと思ってたので驚きました。 それに同じく、証明等に人生を費やす数学者の方たちはこの不完全性理論とどう向き合って数学に身を寄せているんでしょうか? 自分は数学に全く詳しくなく(むしろ不得意)、不完全性理論についてもただかじっただけなのですが、気になりました。 アンケート的な質問かもしれませんが;;

  • 科学と真理について

    人が、もし科学によって真理を見つけ出すことが出来るのだとしたら、現代科学において採られている科学的手法(帰納、演繹による観察と、統計学的手法に基づく結果、考察による理論構築)は、本当に真理を求めるに足るものなのでしょうか。 なお、既にプラトン、アリストテレス、ベーコン、デカルト、マキアヴェッリ、カント、クーン、クワイン、ポパー、カルナップ、ファイヤアーベント、ウィトゲンシュタイン、エイヤー、シュリック、ヘンペル、ハンソン、ラカトシュの哲学書籍については、既に読んでありますので、これら著作を読んだことを前提にご回答戴いても差し支えありません。 恐縮ながら、ご回答お願いいたします。

  • 数学的帰納法で証明するとき

    数学的帰納法で証明するとき 「(命題)を数学的帰納法で証明する」 って宣言してから証明しないといけないのですか? どの参考書をみても「数学的帰納法で証明する」って 書いてから証明しているので…。

  • 「論理学」または「科学哲学」のお勧めの入門書

    論理学に関しては、できれば、アリストテレス的な演繹的分野だけでなく、 ベーコンやミル的な帰納的分野も学びたいです。 当方、論理学も科学も哲学も初心者です。 よろしくお願いいたします。

  • 地球科学の諸法則について

    地球科学、特に気象のような学問において、○○の法則というものがあります。物体温度と放射エネルギーなどの式などです。 例えば、ステファン・ボルツマンの法則とか、ウィーンの変位則などです。教えて頂きたいのですが、これらの式は実験式・経験式なのでしょうか(すなわち帰納的)。それとも物理法則から演繹的に求められたものなのでしょうか。物理法則と言ってもニュートンの運動方程式などは演繹されるわけではないと思いますので全てが帰納的と言えるかもしれません。ここでの質問の立場は、ニュートンの運動方程式、マックスウェルの方程式などが公理として認めたとしてそれから演繹されるものなのかどうなのかということです。ウィーンの変位則などは具体的な数値が入った式であり、演繹されるならばその値がどうやって出てきたのか説明することができるからです。逆に実験式ならば観測事実に合致して決めた、と言うならそれで納得することができます。 よろしくお願いします。

  • 数学的帰納法ぬきで二項定理を証明したい

    こんにちは。たとえば、微分の公式 D(x^n)=nx^(n-1) を証明したいとき、数学的帰納法で証明することも出来ますが、それだと微分の結果の予想をしなければならず、初見者には天下り的でなんとなく不満が残ります。 できることなら、演繹的に示したい。 D(x^n)=nx^(n-1)においては、対数微分を使えば示せます。 そして、二項定理 (a+b)^n = Σ[k=0,...,n](nCk) (a^k) (b^(n-k)) ですが、これを数学的帰納法ぬきで証明したいのです。 いいアドバイスをお願いいたします。

  • 数学的帰納法について

    数学的帰納法の証明問題なんですけど 任意のnに対し  (1+2+3+・・・+n)(1+1/2+1/3+・・・+1/n)≧n**2 が成り立つことを数学的帰納法によって証明せよ。 です。よろしくお願いします。