• 締切済み

遺伝子治療でできること。

最近雑誌でウィルス・ベクターを使った、遺伝子治療についての記事を見ました。 ウィルスに必要な遺伝子を組み込ませ、宿主細胞に感染させて治療するということですが、驚きました。 これができるなら、アメリカのアニメのスパイダーマンの様に、クモから糸を作る遺伝情報をベクターに組み込み、それを人に感染させれば、人間もクモの糸を出せるようになってしまうのでしょうか? SFが現実になりそうで、ある意味怖いですが。

みんなの回答

  • rio2
  • ベストアンサー率55% (36/65)
回答No.2

遺伝子治療の研究をしていたことがあります。 臨床で目指しているいわゆる遺伝子治療というのは、何もDNAを組み替えることではありません。 生きた人間のDNAを組み替えることは、倫理的にもタブーですし、実際には極々一部の細胞のDNAしか組み替えられないでしょう。細胞レベルから臓器レベルの組み換えは、しばらく訓練すれば大学生でもできる人がたくさんいます。 臨床に応用するいわゆる遺伝子治療とは、タンパク質の発現をコントロールすることです。例えば、DNAから合成される特定のmRNAを阻害したり、特定のDNAがmRNAを作らないようにしたり、DNAの活動を活発にしたり。これによって、主として遺伝病や癌原遺伝子をコントロールしようというものです。将来は老化防止や免疫活性に利用されることが考えられます。遺伝子治療の業界を離れたので、手元に資料を残していませんが、この方法は、もう10年以上も前に実際に臨床で応用されました。今後はパーキンソン病や癌治療の範囲の拡大を目指すということです。 遺伝子治療はウイルスを使うタイプと人工の高分子を使うものがありますが、これらを組み合わせた人工ウイルスのようなものもあります。臨床で使われたものはウイルスタイプですが、感染性が高いので危険度も高いのです。方法も、血管に注射するタイプ、経口投与、臓器を取り出して投与して戻すタイプなどがあります。 詳しくはわかりませんが、糸を作る遺伝子はひとつで構成されているとは思えないので、難しいかもしれませんね。口の中から出すとかコントロールさせることもできないですし。 でも、どこかにマッドサイエンティストがいて、いやいやもしかしたら組織や国家ぐるみでこっそりやろうとしている連中がいるのではないかとよく妄想しています。半分サイボーグみたいな感じで、例えば口の中で糸ができるバイオ的に改造して、それをピストルみたいに出す機械的に改造して…これならできそうな予感。

  • puroton25
  • ベストアンサー率35% (29/82)
回答No.1

ウィルスベクターというのは、質問者さんがご了解の通り、有用な遺伝子を組み込んだウィルスを、宿主に感染させる事で治療を図る方法です。 で、体内にDNAを組み込むので、宿主の体内で目的のタンパク質を合成させる事が可能です。つまり、発光クラゲのタンパク質遺伝子を組み込めば、光る人間が出来ます。(実際には紫外線で光りますが・・・) この方法が完成すれば、人間の免疫細胞に抗エイズ遺伝子を導入することでエイズを克服できたり、抗ガン遺伝子を組み込む事でガンを克服できる可能性があります。 では、遺伝子を導入する事で何が出来て何が出来ないのでしょうか? 体内でタンパク質を合成させる事ができます。つまり、スパイダーマンの蜘蛛の糸を合成させる事は可能です。しかし、合成したタンパク質を糸状にして放出する器官は人間にはありません。つまり、DNAを組み込んでも、それを的確に使う器官が無ければ使い物になりません。 新しい器官を作る場合は、細胞の「分化」という方法を使わなければなりませんが、これは今の技術ではかなり難しいかと思います。また、ヒトのDNAが全て解明はされていますが、いつ、どれだけ、どんな状態で、働くかという事は、100%分かってる訳ではありません。また、ヒトに対する遺伝子導入は倫理的な面からかなり厳しい規制を受けます。実用化されるのはかなり先だと思います。 長くなってしまいましたが、要約するとこんな感じです。 ・「疲れにくくする」、「病気に強くなる」、「エイズにかからない」、「筋肉が強い」等の、人間の能力を強化する事は出来ますが、「翼を生やして空を飛ぶ」、「スパイダーマンになる」等の人間の能力を超えた能力を得るのは無理です。

関連するQ&A

  • 遺伝子治療について

    私は医学生で、今、遺伝子治療の方法について調べています。遺伝子治療の方法には大きく分けてウイルスベクターを使う場合と使わない場合があると本に書いていました。またin vivo遺伝子治療法とex vivo遺伝子治療法があると書いてあったのですが、そのvivo遺伝子治療法とex vivo遺伝子治療法はウイルスベクターを使う治療法の中に含まれるものなのでしょうか?その辺りがよく分からないので、誰かご存知の方は教えていただけないでしょうか?

  • 遺伝子治療

    遺伝子治療でベクターと呼ばれるウィルスを用いて治療を行う方法があるそうですが、具体的にどのような仕組みで治療されるのか教えてください。又、実際にどのような病気に使用されていて、効果はどのくらいなのかも知りたいです。

  • 生ワクチンについて

    生ワクチンは、ウイルスの病原性をなくしてあるけれど、増殖性はあるので、細胞性免疫応答を起こし、弱毒化ワクチンより効果的であるとありました。ここで、ウイルスの病原性をなくすという意味が分からなくなりました。ウイルスは細胞寄生は必須なので、宿主細胞で自らの遺伝子を発現させ、細胞を破りまた外へ放出します。感染したら、細胞障害性T細胞などにより破壊されたりILにより様々な悪影響が体に起きる事は分かるのです。すると細胞に感染したら宿主に悪影響は必然的に起こると思うのです。病原性はないのに増殖性はある、の意味を教えて下さい。

  • ガンの免疫学的治療と遺伝子治療

    ガンの免疫学的治療と遺伝子治療に興味があるのですが、「ガン細胞へ、武器をデリバリーする効率が悪すぎて、ファーストチョイスにならない(ウイルス・ガン特異的抗体などの特異的治療の場合)」とよく聞きます。 治療方法と、デリバリーの効率が悪い/効率を上げられない 理由を教えてください。

  • ウイルスの種類によって病気の症状が異なる理由

    ウイルスは感染すると、細胞内に核酸を送り込み、細胞の内部機構と材料・エネルギーを横取りして増殖し、細胞を破壊して出てきます(細胞内に組み込まれるのもありますが)。 この点が共通であるにもかかわらず、人体に感染したとき、ウイルスの種類によって症状が多種多様なのはなぜでしょうか。 (1)ウイルスの種類によって、ターゲットとする細胞、組織や器官の種類が異なるから? (2)ウイルスの殻に、毒性や生理活性があるから? (3)ウイルス遺伝子、あるいは宿主遺伝子との相互作用によって、毒性物質や生理活性物質等が作られるから? (4)ウイルスに対する免疫応答のしかたがそれぞれ異なっているから? などが考えられそうですが、実際にはどんな要因が大きいのでしょうか。

  • ヒト細胞の遺伝子組み換え具体例

    質問いたします。 遺伝子組み換え生物に関する議定書である、カルタヘナ法について勉強しています。 (1)遺伝子組み換えを行ったヒト細胞って、例えば何が挙がるでしょうか。 生殖細胞では遺伝子組み換えを行ってはいけないのでしたっけ・・・ なんだか考えれば考えるほど、混乱しています・・・。 勉強不足で申し訳ないのですが、「遺伝子組み換えを行っているウィルスはベクターとして用いているウィルスベクター」といったかたちで、ヒト細胞に関して教えていただければとても助かります。 また、 (2)「分化する能力を有する、または分化した細胞等で会って自然条件において個体に生育しないもの」とは具体的にどういったものがあるでしょうか。 (カルタヘナ法における生物以外のものの分類です) カルタヘナ法のURLです http://www.bch.biodic.go.jp/bch_2.html よろしくご教授下さい。

  • レンチウイルスベクターでの遺伝子導入とそのコピー数

    レンチウイルスベクターを用いて遺伝し導入し,ある遺伝子の定常発現細胞株を作っています。実験自体は簡単ですから何の問題もないのですが,レンチに関する知識についての質問です。 非常に高い発現量を確保できるレンチウイルスベクターですが,なぜ高い発現量が安定に出し得るのでしょうか?一般的にレンチウイルスベクターでは1-2コピーしかゲノムに組み込まれないとされているのですが,Lipo系のtransfectionをして得られたstable細胞株よりも発現量は高いですよね? このことについて何か情報・詳しい文献はありませんか?また,レンチウイルスベクターでの遺伝子導入は本当に1-2コピーしか入らないものなのでしょうか?そこも通説として聞いているだけで,実際に文献は読んだことがないので・・・ みなさまよろしくお願いします。

  • ウィルスの違いについて

    学校の課題で出たのですが、調べても調べ方が悪いのか該当する資料が見つからず困っています。 ご存知の方がいらっしゃったら教えてください。締め切りが29日と迫っています。よろしくお願いします。 課題「ウイルスは増殖する際に宿主細胞を必要とします。ウイルスは宿主細胞の受容体に結合する部分、遺伝情報、遺伝情報などを納めるたんぱく質の殻やさやなどからできています。ウイルスは大きく分けて3種類ありますが、それらのウイルスの違いについて、説明しなさい。」

  • 細胞へのCre遺伝子導入

    ある遺伝子をノックアウトしたマウスの繊維芽細胞(MEF)を使用して機能解析を行うために、flox マウス胎児からloxP MEF 細胞を樹立しました。 次に、CRE遺伝子を導入し、目的遺伝子を欠失させたいと考えています。 この際、導入する遺伝子はタモキシフェン誘導型CRE ERT2を用い、タモキシフェン添加下での欠失を行うべきでしょうか?それとも、培養細胞からの選択マーカーの除去のようにCRE遺伝子の導入のみで欠失できますか? また、重ねての質問になりますが、ウイルスベクターが使用できないため、lipofectamine2000やFuGENE6等のreagentsを用いたトランスフェクションを考えているのですが、推奨ベクターやreagentsがあれば、合わせてご教授頂ければと思います。 よろしくお願いいたします。

  • ウイルスは宿主細胞の中にいる方が本来の姿なのか

    コロナウイルスが大変な問題を起こしていますが、ウイルスは遺伝子の形で宿主細胞の中に潜んでいるのが本来の姿なのでしょうか。ウイルスとしてもやたらに増えるというのは異常なのかなと思いました。