光電子分光法とは?原子の電子状態を調べる方法について

このQ&Aのポイント
  • 光電子分光法は、原子の電子状態を調べるための手法です。電子分光法では、ガス状の原子の起動電子には複数の軌道が存在し、それぞれの軌道にはスピン電子が入っています。
  • 例えば、2p3/2の場合、三つの軌道に一つずつ電子が入っていると考えることができます。光電子放出については、Snの軌道が4d105s25p2であるにも関わらず、Sn 3d5/2に注目しています。
  • 光電子分光法は光のエネルギーを利用して電子を励起させ、その反応を観測することで、原子の電子状態を推測する方法です。
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光電子分光法

先日、電子分光法の勉強をしていた時、ガス状の原子の起動電子には 1s1/2、2s1/2、2p1/2、2p3/2、3s1/2、3p1/2、3p3/2、3d2/1、3d3/2、3d5/2 … があると書いてあり、1s1/2、2s1/2、2p1/2は原子軌道に一つのスピン電子が入っているのだなと理解できました。 でも、2p3/2、3p3/2、、3d3/2、3d5/2も同じ様に考えていいのでしょうか? 例えば、2p3/2は三つの軌道に一つずつ電子が入っていると考えればいいのでしょうか? あと参考書で光電子放出[Sn 3d5/2]と書いてあったのですが、Snの軌道は4d105s25p2なので、光電効果が起こるのは、5pじゃないのかなぁ~?と考えていたのですが、なぜ電子分光法でSn 3d5/2に注目しているのか不思議です・

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回答No.1

スピンのことは全然勉強した事がないのでわからないのですが、後半部分だけ回答させてください。 光電子の観測されるピーク強度Iは、I=kfNλσ という式で表わせます。 kは装置に起因する定数、fは照射するX線の量、Nは注目する元素の原子数、λは電子の脱出深さ(束縛エネルギーに依存)、σは光イオン化断面積です。 ここでSnの光電子を測定したとすると、kとfとNは同条件なので5p3/2のピークと3d5/2ピークには依存しません。つまり強度Iはλとσに依存します。 光電子分光法の勉強をされているということですが、参考書の付録(後ろの方)に光イオン化断面積の表というのはあるでしょうか? 光イオン化断面積とは、ある光(X線など)を照射した時に電子の飛びやすさを表わすパラメータです。おそらくC 1sの値を1とした時の値が載っていると思います。 そこを見ると、MgKα線を照射した場合のSnは、3d5/2が14.63、5p3/2は0.0318と3d5/2が圧倒的に大きいのです。ちなみに脱出深さは1桁ぐらいしか変わらないので5pと3dの強度の決定的な違いはσなのです。 他の元素でもσが一番大きい元素を注目する(つまり一番強度が強いピーク)としているのです。

isoppu-1
質問者

お礼

ありがとうございます。 光イオン化断面積から考慮していたんですね。おかげで理解できました。

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