鳥インフルエンザウィルスについて(3/2)

解決済みの質問

鳥インフルエンザウィルスについて

宮崎県などで発生した鳥インフルエンザについて、渡り鳥の糞などにハエがたかり、そのハエが鶏舎に入ったのを鶏が食べて、鳥インフルエンザに感染しているのではという報道があります。

しかし、ウイルスは、基本的に生体の細胞内でしか生存できないのではないのですか。生体外に出た場合は、数日間しか生存できないし、たとえハエといえども、消化器官の中に入ったら、ほぼ即時に死滅するように感じるのですが、どうなのでしょうか。また、そのハエを鶏が食べたとき、やはり、消化管の中で、死滅すると思います。

そこで質問です。

1.鳥インフルエンザのウィルスは、鳥の体外に出た場合、どのくらい生存できるのか。

2.ハエの消化管の中で、生存できるのか。

3.鶏の消化管の中で生存できるのか。

4.仮に、鶏の消化管の中で生存できたとして、その鶏に感染するのか。

投稿日時 - 2007-02-20 01:44:54

QNo.2767865

すぐに回答ほしいです

質問者が選んだベストアンサー

 獣医師でウイルスを専門としています。

 質問に対するお答えですが、

1.鳥インフルエンザウイルス(AIV)の体外での生存期間ですが、はっきりした数字は判りませんが、一応不活化条件は56℃30分ということになっています。
 この「56℃30分」はウイルスの不活化条件の指標のようなものなので、「56℃まで温度を上げないと死滅しない」あるいは「30分処理しないと不活化しない」ということを意味するものではありません。
 一般的には環境に対しては弱いウイルス、という認識です。また乾燥や日光にも弱いです。

2.ハエの消化管内での生存はできないでしょう。

3.鶏の消化管内では生存、増殖が可能です。
 そもそもインフルエンザウイルスの増殖部位は「外気道及び腸管内」です。自然宿主であるカモ類での主な増殖部位は気道ではなく腸管内です。
 ですので、4の答えも「感染する」です。

 ハエがウイルスの媒介をしているかもしれない、ということについてですが、考えられるのは以下のような経路です。

1.AIVに感染した野鳥が鶏舎のすぐ横で糞をする
 この時、糞には感染力を持ったAIVが存在します。
2.ハエがその糞にたかる
 この時、ハエの足に糞すなわちAIVが付着します。
3.そのハエが続いて鶏舎内に侵入してエサにたかる
 この時、ハエの足に付着したAIVがエサに付着します。
4.そのエサを鶏が食べる
 感染成立、というわけです。

 つまり、ハエは「媒介」というより「機械的にウイルスを運搬」しているという推測です。

 むろん、体外に排泄されたAIVは急速に死滅していきます。
 しかし糞の中で湿潤な環境にある間は、乾燥した環境下より死滅する速度は遅いでしょうから、糞の排泄→ハエに付着→エサに付着の時間が短ければ、感染性を保ったまま鶏に摂取される可能性もあるのでしょう。

 例えば、ほんとに例えばの話なので数字はいい加減ですが、野鳥によって排泄された糞からハエの足に、10の4乗個くらいのウイルスが付着したとして、ハエが鶏舎に移動してエサにたかるまでの5分の間にウイルスの死滅が進み、100分の1に減ったとしても、エサには100個の生きたウイルスが付着する計算になり、その100個で鶏に感染が成立するのかもしれません。

 なお、「高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)」は、本来鳥類の気道か腸管内でしか増殖できない(感染できない)AIVが、全身の臓器で増殖できる(感染できる)ような変異を遂げたもの、です。

 自然宿主であるカモ類では、AIVは気道や腸管内でのみ増殖します。
 この状態では増殖も緩やかで宿主に「病気」も起こしません。

 これが何かの拍子に鶏に感染すると、鶏はたまたまAIVには高い感受性を持っており、すなわち鶏の体内ではAIVはよく増殖します。
 しかも鶏は、これもたまたまですが「家畜」として飼われており、そこでは自然状態では考えられないほど生息密度が高くなっています。すなわち、鶏→鶏の感染が非常に効率よく起きる、ということです。

 ですから、鶏に感染したAIVは自然宿主であるカモ類に感染しているときとはケタが違うほど増殖速度、すなわち「世代交代の速度」が速くなります。
 そのうち、ノーマルだと気道か腸管でしか増殖できないはずのAIVが、全身臓器に感染してしまうような変異を遂げてしまいます。
 これが「高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)」です。

 日本で発生したHPAIは、3年前の山口、大分、京都で発生したものも今回の宮崎と岡山で発生したものも、それぞれ遺伝子的に極めて近いということが判っています。
 これは、日本で発生した鶏舎で「高病原型への変異」が起きたのではなく、どこか他の場所で変異して高病原型になったウイルスが、山口や大分、京都にそれぞれ何らかの方法(渡り鳥?)によって運搬されてきた、ということを強く示唆しています。

 カモ等の渡り鳥が直接鶏舎に入って鶏と接触することは考えにくいので、何かで中継されているはずなのですが、これまではカラスやスズメなどの他の野鳥、人、あるいは水といったものが考えられてきたのですが、今回ハエも候補に加わった、ということなのでしょう。

 ちなみに、高病原型への変異と「ヒトに感染能を持つ」変異とは、またちょっと別の話になります。

投稿日時 - 2007-02-20 18:10:23

お礼

ありがとうございます。

渡り鳥の腸管内で鳥インフルエンザのウイルスが増殖可能だと言うのは知りませんでした。

全くの素人考えなのですが、人間の胃に胃酸があり、ある程度の殺菌作用があるように、鳥の胃にも胃酸のような殺菌作用のあるものがあるのではないでしょうか。もっとも、胃酸によりウィルスが死滅するかどうかも、はっきりは知らないのですが。

投稿日時 - 2007-02-21 07:40:24

ANo.2

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ベストアンサー以外の回答(11件中 11~11件目)

1-4の回答になりそうなサイトがありますので、参考にしてください。
http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/Byouki/Influenza/index.html
インフルエンザウイルスの生存に関しては、外界で殻(エンベロープ)が破壊された時点を生物学的な死(?)と考えると、体外や消化管内で生存できる可能性はあります。詳しくはウイルスについての本をご覧になったほうが良いと思いますが、インフルエンザは上気道での感染・増殖が主ですが、糞中にも"生きたまま"排泄されています。
ウイルス感染なんて、日常茶飯事に起きています。病原性が低いために発症しないだけです。要は感染した生物にどれほどの病原性をもたらすかが問題です。H5N1型ではハエに対しては感染し病原性を発揮できないのでは。
なお、鳥インフルエンザに関心がもたれているのは、変異してヒトに感染しやすく高い病原性を持ったものができてしまうのが懸念されているところです。

参考URL:http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/Byouki/Influenza/index.html

投稿日時 - 2007-02-20 13:51:12

お礼

ありがとうございます。

感染しても特に症状を期さない鳥というのは、多分、特定部位の細胞には感染しても全身の細胞には感染しないと言う意味なのですよね。

それなら、そもそも、渡り鳥の糞に鳥インフルエンザのウィルスが存在すると言うこと自体が不自然な感じがするのですが、どうなのでしょうか。

投稿日時 - 2007-02-21 07:31:48

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