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ヨットはなぜ風上に上れるのか?(再)

noname#2748の回答

noname#2748
noname#2748
回答No.5

確かに揚力だけが全てではない事は事実でしょう。しかしのぼりで航行でセールの発生する揚力がかなり大きく貢献していることは体験上間違いがないと思われます。以前使っていた古いセール(伸びてしまってシェイプが保てない)物から、メインをフルバテンの新しいセールにジブ(150%)を変えたときにしっかりとしたシェイプが保てるようになったことで昇り明らかによくなったことを経験しています。ヨットではセールのシェイプをコントロールするためにブームバングやバックステーの調整(マストのベンドを変える)や、ジブシートの引き込み位置を変える(カーと言います)などしてシェイプにはかなり気を使います。単に平板のようなそれ自体が揚力を発生しないものであればこのような必要はないでしょうし、実際にこれらの調整でポテンシャルが変わるのも事実です。これらの調整はのぼりがきつくなるほどシビアになりますので、セールのシェイプによる揚力発生はかなり大きなファクターを持っているものと思います。 これは余談ですが、速度競技(最高速度を競う)用のヨットではソリッドセールという飛行機の翼(と言うよりグライダーのような)そのもののような、FRPやカーボン製の非常にアスペクト比の大きなセール(と言うよりももはや翼です)を用いた軽量で非常に水線長の長い細身のハルを持ったカタマランもあり、瞬間速度は60KNOT以上と言う驚異的な記録があります。もちろんこれはごく特殊な例で風向きが変われば進む方向をそれに合わせなければならない(マストの船の軸に対してオフセットしていてヒールに対する抵抗が大きくなるようになっています)船で、決して実用的ではありませんが、これなどは揚力による推力を最大限に利用した結果であると思われます。 的確なところは実験をしてみることが最良であるのでしょうが(関係するファクター非常に多く少なくても私の頭では論理だけで実証することは出来そうにありません)私の船に揚力を生まない平板のセールを取り付けるわけにもいきません。ラジコンヨットでもあれば実験してみるのは面白いかも知れません。 それから、最後にちょっと気になって友人(彼はグライダーをやっています)に聞いてみたのですが、グライダーなどでは大気速度が30Km/h程度あれば気体を浮かせる揚力が発生できるそうです。また、軽飛行機では60Km/h程度で離陸可能な機体もあるそうで、セールが受ける風が揚力を生むのに必ずしも速度不足であるとはいえないようです。この辺の力学関係に関しては素人ですので自信はありませんし、あくまで聞いた話ですが・・・

poor_Quark
質問者

お礼

 まず前回の18世紀以前の船は揚力の概念がなかったという発言について訂正します。例えば重力の概念がなくても人類は重力を利用してきた歴史があります。それを考えれば経験的に知っていてそれを利用しなかったとは言えないので。  さてセールのシェイプによる揚力発生ですが、揚力が発生するしくみは、剛体である飛行機の翼で言えば、空気の流れの経路の長短が翼の上下の輪郭によって形成され、また空力特性上、その断面の形態が乱流を排除するするように配慮されています。  一方セールはどうかというと、ふくらんだ側はたしかに空力特性上美しい形ですが、マストスリーブの内側はどうしても乱流が発生しやすい形になっています。また、よしんば乱流が発生しなくても気流の経路は、翼とは逆にわずかですがマストスリーブの内側の方が長いのです。これは翼とは逆で、揚力を得るための理想的な形状からはほど遠いと思います。ですから、グライダーの翼の代わりに同じ長さ・面積・重さのセールを取り付けてもきっと離陸できないでしょう。  また「揚力」が発生したとしても進行方向とそれに直交する向きにそのベクトルを分解しなければなりません。せっかく発生した「揚力」は、その全部を艇の前進のために使えないのです。  伸びてしまったセールが上れないのは余分な弾力が生じて、風の力が材料の変形に費やされてしまうせいではないでしょうか。例えばウィンドサーフィンで使うセールの材料は現在は絶対伸びないとされるモノフィルムが主流です。伸びてしまうダクロンなどを使っているときは、特に高速の時は確かにのぼりの性能は悪かったと記憶してます。  スピードトライアルに使う船は非常に特殊で、特に高速帆走中、水中抵抗の中心は一番後ろのフィンに移動します。プレーニングといって水面と船体の間に空気のまくが生じ、低速で帆走するときとは全く別のバランスの状態になります。60ノットともなると確かにソリッドセールの効果で発生する「揚力」の力で上っていくのかもしれません。  それから、小さな船にお乗りになったことがあれば特に分かると思うのですが、クローズの時、艇は大変大きな力を水中で受けます。リーウェイに対するグリップ力を維持するためにヒールやトリムといった操作を総動員して水中線を長くとります。このとき下手をすれば水中の先端部分にキャビテーションを引き起こすほどの力です。  この大きな力とバランスをとっているのは、揚力のベクトルが分解された、進行方向と直交する力だとは感覚的に思えないのです。またスピードがどんなに遅くても、クロースの時、セールが受ける力も相当なものです。この力は空力的に発生する揚力などでは決してなく、やはり風の力そのものでり、すなわち風上に帆走できる力なのだと思います。  ということで最後は「感覚的」という言葉が登場しましたが、定量的に検証する力量を持ち合わせない以上、これ以上の議論は無駄ということになりかねません。私なりにもう少し掘り下げて調べてみます。ある程度結論が出た時点で、補足欄を使わせていただいてご報告申し上げようと思っております。(オフショアでも出艇するので、その間どっかで死ぬかもしれませんが)何度もおつきあい下さり感謝します。  

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