• ベストアンサー

正孔に質量はあるの?

半導体を卒研テーマに選んでいる者です。各種半導体の特性一覧表を見ていて 気づいたのですが、正孔の有効質量という項目があったのです。しかも、重い 正孔と軽い正孔に分けられていました。 正孔に質量があるっていうことが概念的に理解できないんですが・・・。 正孔って電子の抜け殻(?)ですよね。だから実際には存在しない物のはずなのに とおもったりしています。

  • 科学
  • 回答数2
  • ありがとう数23

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • tnt
  • ベストアンサー率40% (1358/3355)
回答No.1

これは、正孔そのものに質量があるのではありません。 あくまでも正孔がもつ、見かけ上の質量です。 正孔=電子の抜穴ですが、たとえば、電圧を印画することで、周囲の電子を移動させ、見かけ上、この正孔を移動させることができます。エネルギーを与えて正孔を動かすわけですが、実際は電子を動かすわけですから、当然のことながら、「正孔の動きにくさ』というものが存在します。これが見かけ上の質量です。

参考URL:
http://www.tuat.ac.jp/~katsuaki/z2000-8.html
takamako1
質問者

お礼

なるほど!って感じでした。ありがとうございます。 実際には電子の動きってことは、正孔の質量は電子より重いんですね?

その他の回答 (1)

  • siegmund
  • ベストアンサー率64% (701/1090)
回答No.2

正孔というのは,上に凸のバンド(横軸は波数 k,縦軸はエネルギーε)で, 電子が抜けたところを言います. takamako1 さんの言われるとおりです. 自由電子ですと, (1)  ε(k) = (h/2π)^2 k^2 / 2m で,1/2m がバンドの曲率と関係します. 正孔ですと,バンドの形は上に凸で, しかもεが完全にkの2次関数というわけではありませんが, 少なくともバンドの頂点付近では2次関数で近似できます. このときのバンドの曲率は (2)  d^2 ε/ dk^2 で与えられます.もちろん頂点なんだから dε/dk = 0 です. これと(1)の式との類推から (3)  m* = (h/2π)^2 / |d^2 ε/dk^2| と書いて,これを有効質量(efffective mass)と呼んでいます. (1)を用いて(3)を計算すると,まさにmが出てくることに注意してください. 正孔をもたらすバンドは1つとは限りません. 違うバンドから正孔が2種類出てくれば,バンドの形の違いから m* は当然異なります. 重い正孔,軽い正孔というのはそういうことです. また,上の話は簡単のため1次元にしてしまいましたが, 実際の物質は3次元なのでもう少し事情は複雑です. 固体中ですから,方向によっていろいろ違いも出ます. 有効質量の重要性は,例えば磁場をかけたりしたとき, 正孔あるいは電子があたかも m* の質量をもつ自由電子であるように振る舞う, ということです. したがって,サイクロトロン共鳴などで m* がわかり, それからフェルミ面の形が推定できたりします. バンド構造と有効質量については,例えばキッテルの「固体物理学入門」などを ご覧下さい.

takamako1
質問者

お礼

ありがとうございました。ちょっと難しいですが、 頑張って理解してみます.

関連するQ&A

  • 正孔の有効質量とは

    半導体の教科書に正孔の有効質量と出てきました 正孔は電子がない状態を表すので質量は0ではないのですか? わかりません それと、具体的なその値も教えていただければ うれしいです

  • 電子より正孔の移動度が一般的に小さい理由

    移動度の定義がμ=qτ/m ただし、 q:電荷、 τ:電子(または正孔)の緩和時間、 m:電子(または正孔)の有効質量とします。 代表的な半導体であるSiや一般的(?)な半導体では、 有効質量mが電子<正孔なので、 移動度μは正孔の方が一般的に小さくなる、 という理解でよいでしょうか? 有効質量はバンドの分散(傾き)で決まると思いますが、 なぜ正孔の有効質量の方が概して、電子より大きくなるかも 併せて教えていただけると助かります。 宜しくお願いします

  • P形半導体の正孔密度と温度の関連性について

    半導体(外因性半導体)に関して、キャリア密度の温度特性について勉強しています。 n形半導体の電子密度と温度の関係においては、低音から温度を上げていくと3領域からそれぞれ密度の上昇率が変化するということは理解できたのですが、 これがP形半導体と正孔密度に関する事となると、正孔がそもそも仮想的な概念ということからうまく説明がつかなくなってしまいます。 この正孔密度の場合についてもやはり温度帯域によって密度は変化するのでしょうか? どなたかP形半導体の正孔密度と温度依存性に関してご教授して頂けると助かります。

  • ホール効果で正孔を正電荷のように扱えるのは何故?

    p型半導体でホール効果が起きる時、キャリアである正孔(ホール)をあたかも正の荷電粒子のように扱って、それに働くローレンツ力を考えますが、 そもそも正孔は電子が欠乏している場所のことだから、正電荷とも粒子とも扱うことはできないように思えます。 じゃあ逆に電子の動きで考えたら……? するとホール電場が実際の向きと逆になってしまいました。 しかし、これについてはネットで調べると、 「 半導体中の電子はある程度原子核に束縛されていて、少ししか動けないので、それに働くローレンツ力は無視できるほど小さい 」 とありました。 電子の動きで説明するのは適当でないようです、たぶん……。 となるとやはり、正孔を「正電荷をもつ粒子」として扱うしかないようですが…… 何故「電子の欠乏」を「正電荷をもつ粒子」として扱うことができるのか、教えてください。

  • バンド帯、有効質量

    負の有効質量 有効質量について勉強していて 根本的に分かってない部分も多いのですが、半導体の価電子帯を勉強してました。 そこでE-k曲線が上に凸をむくので頂点付近は有効質量は負になる、そこは納得しました。 -x方向に電界Eをかけた場合電子が+x方向に動く。しかし有効質量が負なので電界と電子の動く向きが同じ、 つまりは正の有効質量と正の電荷である正孔が動いていると見える(省略あり)。とのことですが ここでよくわからない点があります。 教科書等の説明で-k方向に電界Eかけたらなぜ電子は+kに動くのですか?電子の有効質量が負というなら電子自体が実際とは逆に動くように思うのですが。もしくは有効質量が負というのは熱励起してホールとなった部分だけなんでしょうか? 電界を-k方向にかけて逆に電子(マイナス)が+kに動くので抜け穴(正孔)が反対に動く。でもそれだと’電子’は負の有効質量ではないということになるんですが。 それとk空間で-kに電界かけてもxyzだとどうなるのかがk空間の勉強不足なのでわかりません。 教科書や www.ocw.titech.ac.jp/index.php?module=General&action=DownLoad&file=200927128-28-0-49.pdf&type=cal&JWC=200927128 を参考にしました。

  • 質量作用の法則について

    質量作用の法則(mass action law)についての質問です この法則は、化学における反応速度論においては 『化学平衡式とその基となる反応速度式が物質量のみで決定する』 ということを、半導体工学においては 『半導体物質中において正孔濃度と電子濃度の積が一定の値となる』 ということを示しています。 この二つを同一のもの(同一の法則に由来するもの)とみなすことは可能でしょうか? そうであるならば、この二つにどのような関係性があるのかご教授ください。

  • 太陽光発電

    太陽光発電の勉強をしていて、半導体に関して質問があります。 半導体中に発生した電子・正孔対のエネルギー差は,バンドギャップに等しいですが、これらの電子・正孔を半導体の外部に取り出して得られる仕事は,バンドギャップよりも小さいのはなぜなのですか。電子・正孔の内部エネルギーと自由エネルギーの差が関係しているのだろうなとなんとなくはわかるんですが、その関係をもっと詳しく知りたいのでどなたか教えてください。よろしくお願いします。

  • 半導体に関する質問です。

    金属と半導体の接触において、p型半導体と金属のオーミック接触の原理が理解できません。n型半導体と金属のオーミック接触は理解できたのですが、p型になるとわかりません。n型の場合は、電子の動きを考えればいいので、金属からn型半導体に電子が動いて、フェルミン準位が増加するので、バンド図で、フェルミン準位が上がるのがわかります。ただp型の場合は、正孔を考えなければなりません。ただ、金属は電子しか移動しないので、どのように金属と半導体の間の正孔のやりとりを考えたらいいのでしょうか?金属から半導体へ、または半導体から金属へ、正孔が移動すると考えられるのでしょうか?参考書などを見ると、「n型と同様に考えると」っとしか書いておらず、私には理解できません。すいませんが、教えてください。お願いします。

  • 太陽光発電について

    太陽光接合部にあたると、p形半導体に正孔が移動するらしいのですが、 なぜそちらに移動するのが電子ではないのでしょうか? p形半導体って3価のホウ素とかを入れて電子が不足(?)してる状態ですよね? そこに接合部からやってきた正孔を受け入れる余地というか 自然に考えたら足りない電子が引き付けられるような気がしてしまうのですが。。

  • 半導体物理の初歩:正孔の状態密度関数について

    半導体を学習しております。 伝導体へ励起されたエネルギーE電子の状態密度関数D_eが D_e(E) = (1/2π^2)*[(2*m_e/h_bar^2)^(3/2)]*[(E-Ec)^(1/2)] ただしm_eは電子の有効質量、h_barはプランク定数エイチ・バー、Ecは伝導帯の下端エネルギー となるのは、自由電子についての統計物理学における状態密度の議論と、E-Ecが電子の運動エネルギーを表すのかなー、と思ったら、伝導帯での電子を自由電子の状態密度で第一近似的に求めたんだな―、と納得できるのですが、 正孔の状態密度D_h D_h(E) = (1/2π^2)*[(2*m_h/h_bar^2)^(3/2)]*[(Ev-E)^(1/2)] ただしm_hは正孔の有効質量、Evは価電子帯の上端エネルギー とあらわされるのが、全然理解できません。 キッテル第8版を読んでいるのですが、この式は219ページで天から降ってくるように書かれています。 どなたかご助言を、お願いします。