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SiO2とH[Al(OH)4]の反応を教えて下さい。

ume_pyonの回答

  • ume_pyon
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回答No.3

ふたたびです.また長くなってしまいました>< いや~,ほんとにrei00さんのおっしゃるとおり,勉強になる質問です. >確かにガラスは水に溶けなさそうです。 >でも、例えばSiO2と濃NaOHの反応式を作るとき、 > SiO2 + H2O ←→ 2H+ + SiO3 2- ・・・※ > 2NaOH       → 2OH- + 2Na+ > ∴ SiO2 + 2NaOH → H2O +Na2SiO3 >という感じにいつも作っているのですが、実はダメなんですか? >※の式の平衡はとんでもなく左に、みたいな感じで。(?) するどいご指摘,ありがとうございます. あの後調べてみたのですが, >  SiO2 + H2O → H2SiO3 >という反応は起こらないことが知られています.だって,よくよく考えれば,ガラスSiO2は水と反応しませんよね(したら大変です!). という記述は説明不足で,gedo-syosaさんのおっしゃるとおり,平衡反応とみなすこともできます.実際,高温,高圧(例えば地底奥深く)では,※の平衡が右に進むことがあると考えられているようです.しかし,この「高温,高圧」というのは,想像を絶する世界のようで,地表ではとんでもなく左,でしょう.ですから,地表ではH2SiO3は即座にSiO2とH2Oに分解してしまうはずです. というわけで,少なからずとも平衡反応が起きていると考えられるのなら,NaOHを加えることで※の平衡が右に移動するのではないかという予想でも十分です.むしろ,それを否定するほうが難しい理論なので. しかし,これは屁理屈ではないのですが,「もしも※の平衡定数が,H2Oの電離定数よりも小さければ,※の平衡は起こりえない」ということも考えられます.(しかし,※の平衡定数を調べることができなかったので,この仮定には特に根拠はありません.) これをわかりやすくするために,強酸のHClと弱酸のCH3COOHが混ざった水溶液を考えてみます. (1) HCl → H+ + Cl- (2) CH3COOH ←→ CH3COO- + H+ すると,(1)から発生したH+の影響で,(2)の平衡は格段に左に進み,見かけ上ほぼ100%CH3COOHの形で存在しています.もしもここにNaOHを加えたら,(1)のH+と中和反応が起こり,NaClが生成します(溶液中では解離していますが).よって,酢酸はCH3COOHの形で存在し,HClよりも大過剰のNaOHを加えなければ,CH3COONaは生成しないことになります. このことをふまえて,ガラスの場合に戻ります. (3) H2O ←→ H+ + OH- (4) SiO2 + 2H2O ←→ 2H+ + SiO32- もしも,水の平衡定数のほうが,(4)の平衡定数よりも大きいと仮定すれば,相対的に水のほうが強い酸として振舞うはずです.つまり,水溶液中のH+は(3)の平衡によるものであり,(4)の平衡はさらに左に偏ります.つまり,(4)の平衡は,正しくは (5) SiO2 + H2O ←→ SiO2 + H+ + OH- と考えられるかもしれません.(5)の平衡にNaOHを加えても,「酸塩基反応」としては何も起こらないはずです.少なくとも,水が完全になくなるまでNaOHを加えないと,(4)の平衡になりません. では,なぜNaOHとSiO2が反応するのか?それは,酸塩基反応ではないためと考えられます.私が調べた文献を要約しますと, 「Si-O結合は,高温のもとではSiがOH-から攻撃を受けて,その結果Si-O結合がはずれ,Si-O-Hと組み変わる.しかし,O-H結合は弱いので,外部に多量に存在するOH-がO-H結合を引き抜いてOをアニオン化して,そこに外部のNa+が接近してきてSi-O-Naとなる」 というようなことが書いてありました.なぜそうなるのかについては,それこそ私の知識の及ばない世界なので,この辺で勘弁してください!(大汗) --------------------------------------------------------------------- 一般に,平衡論には限界というものがあり,「机上の空論」的なデメリットもあります. 例えば,黒鉛とダイヤモンドは同じ炭素ですよね.ですから,   C(黒鉛) ←→ C(ダイヤモンド) という相平衡が考えられます.しかも,黒鉛をダイヤモンドにするためには,超高温,超高圧でないといけないことは知っていますよね.これを逆から考えると,「常温,常圧では,上の平衡は左に偏って,ダイヤモンドはすべて黒鉛になってしまう」と考えられます.これが「平衡論」的な発想の典型です. しかし,もしそれが事実だったら,宝石はすべてただの炭になってしまうし,「ダイヤモンドは永遠の輝き」なんてうそっぱちですよね(公共広告機構に訴えられてしまいます^^). では,なぜダイヤはダイヤでいられるのか?それは,この平衡の「速度」がものすごい遅いからです.しかし,それはこの反応式だけでは判断できず,反応速度論という新しい知識が必要になってきます. したがって,物理化学の世界では, 反応平衡論:起こりうる反応の「予想」 反応速度論:「予想」があたるかどうかの判定 という概念を用いることが多いのが事実です.詳しくは,大学で化学系を専攻すれば学ぶことができます.(反応速度論はムズカシイです><) とはいうものの,高校生の時点で,こんなことまで考えて反応を予測する必要はまったくありません.むしろ,とてもしっかりとした根拠に基づいたdego-syosaさんの推測には,私も脱帽です!!!自分が高校生のとき,ここまで考えたことはありませんでした・・・.そのような発想豊かな頭脳を持ち,そして広い視野を持ち続ければ,大学でも非常によい論文が書けると思います.がんばってください! P.S.水平化効果までご覧になったんですね.おっしゃるとおりですし,まあ詳しくは後でのお楽しみということで^^ しかし,HSAB則を聞いたことがあるとはビックリです.

gedo-syosa
質問者

お礼

では、  SiO2 + H2O ←→ 2H+ + SiO3 2- の式からNaOHとの反応式を作るのはやっぱりおかしいんですかね? それとも、もし水よりも電離定数が大きかったらOKなんですか?? ・・・それとアニオンって確か陰イオンのことですよね?(爆) 反応速度は、なにやら関数式が多くてすでに難しいです。。最近、なんとかうまくまとめができたのでちょっと楽になりましたが・・・。大学で学ぶ反応速度論ってどんなに難しいのかな~。(^^; >とてもしっかりとした根拠に基づいたdego-syosaさんの推測には,私も脱帽です!!!自分が高校生のとき,ここまで考えたことはありませんでした・・・.そのような発想豊かな頭脳を持ち,そして広い視野を持ち続ければ,大学でも非常によい論文が書けると思います.がんばってください! 大学でもがんばります!(いや受かったらですけど(爆) ちなみに、”dego-”ではなく”gedo-”です!(笑 >しかし,HSAB則を聞いたことがあるとはビックリです. ホント言葉だけですよ。 内容は100%知りませんから~ε=ε=ε=(o- -)oブーン

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