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『啓蒙の弁証法』でのアドルノの論点とは?
i-junkieの回答
- i-junkie
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大学時代にアドルノの啓蒙の弁証法を読み、レポートを書いたことがあります。 しかし、なにぶん昔の話なので、少しうろ覚えです。 できれば翻訳をされた徳永さんの本を、大学図書館で探し、読まれることを 希望します。 アドルノの論の流れはこういうことであったと思います。 ◇◇◇◇◇◇◇ 人間は「自然」を抑圧し「合理性」によって進歩してきたと考えられてきた。 (言い換えれば「神話から啓蒙へ」「呪術から脱呪術へ」) 「文明」とは「自然の技術的支配の進展」だと考えられ、推奨されてきた。 しかしなぜ、歴史において、人間は同じ過ちを繰り返すのか? より具体的には、なぜ、ナチスに関連する呪術的な出来事が起こるのか? 人間は啓蒙され、合理性によって進歩したのではなかったのか? それにも関わらず、このような歴史的な再呪術化が起こるのは、 人間に「内なる自然」があるからである。 つまり「合理性」とは「自然から生まれた反自然」であり、 合理性の申し子であるはずの「文明にも不合理性」が含まれている。 そこには、もともと「矛盾」があるのである。―(1) しかし「内なる自然」を抑圧すれば解決するというものではない。 これまで既に抑圧され続けてきた「内なる自然」の逆襲は 「人間の物象化」という形で現われている。 どうすればいいんだろう? ◇◇◇◇◇◇◇ (1)「矛盾」に関して ヘーゲルは「内在する矛盾によってさらに主体(自己)を高める」という 積極的・肯定的な弁証法を理論付けました。「否定の否定」は更なる肯定という、 いわゆる止揚という理論です。 それに対し、アドルノは、「否定の否定」は別に肯定ではない、という 立場をとります。それが「否定」の「弁証法」ということです。 ずるいと感じるかもしれませんが、明確な答えはないという立場で、 この書籍自体もそのように(つまり曖昧と感じるほどに)構成されています。
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