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頭は文系なんですが・・・

stomachmanの回答

  • stomachman
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回答No.6

と、言うわけで、第一弾。(分からないところは多分TCMさんが教えてくれますよね。) ●Lotka-Volterraのモデル アドリア海の魚の発生数の変動を説明するために考案されたモデル。現象を非常に単純化しているが、個体数変化曲線の複雑な挙動をある程度説明する。 餌になる魚1と、それを捕食する魚2の2種類を考える。個体数をn1, n2とする。 d(n1)/dt = (単位時間当たりの魚1の増殖)- (単位時間当たりの魚1の死滅数) である。 (単位時間当たりの魚1の増殖)= (α1) n1 とモデル化する。これだけだと、魚1は指数関数的に増えることになる。(n1 = A exp(α1 n1)が解だから。)(α1)は増殖率。 (単位時間当たりの魚1の死滅数)= αn1 n2 とする。つまり、魚1と魚2の数の積が、それらが出会って捕食が行われる頻度を近似すると考える。魚1が寿命で死ぬのは考慮しない。 実際には、豊富な餌があって、ある程度以下のn1であれば飢え死にする心配はなく、また喰われずに寿命を全うできるほど生き延びることもない、ということだと思えばよい。 次に、魚2 d(n2)/dt = (単位時間当たりの魚2の増殖)- (単位時間当たりの魚2の死滅数) 魚2は魚1がいないと暮らしていけない。喰った内の一部の物質なりエネルギーなりが増殖に使われるのだから、どれだけ魚1を喰ったか、によって増殖数が決まる。従って、魚2の増殖は(単位時間当たりの魚1の死滅数)に比例していると考えられる。 (単位時間当たりの魚2の増殖)=βn1 n2 魚2は一定の比率で死ぬ。個体数(population)当たりの死亡率を2(κ2)とすると (単位時間当たりの魚2の死滅数)= 2(κ2)n2 以上から、 d(n1)/dt = (α1)(n1) - α(n1)(n2) d(n2)/dt =β(n1)(n2) - 2(κ2)(n2) これがLotka-Volterra方程式。(α1),α,β,(κ2)という4個の定数、t,(n1),(n2)という3個の変数を含んでいる連立常微分方程式である。 ●この方程式を無次元化(計測する単位に依らない形に)する。 新しい変数(n1*)、(n2*)、(t*)と、新しい定数aを使って (n1) = 2(κ2)(n1*) /β (n2) = (α1)(n2*)/α t = (t*)/(α1) とおくと、無次元化したLotka-Volterra方程式は d(n1*)/d(t*) = (n1*) - (n1*)(n2*) d(n2*)/d(t*) =-a {(n2*) - (n1*)(n2*)} である。 ●この方程式において、保存則 ((n1*)-ln(n1*))+((n2*)-ln(n2*))/a = 一定 が成り立つ。 ●この方程式の定常状態 (d(n1*)/d(t*) もd(n2*)/d(t*)もゼロ)は (n1*) = 1 (n2*) = 1 である。個体数がこの状態にあれば、以後、個体数の変化はない。  しかしこの定常状態が安定かどうかは別問題。つまり、偶然に個体数に僅かな変動が生じたとするとき、自然に定常状態に戻るのかどうか、が最も興味ある問題である。 ●n1*とn2*をそれぞれ横軸、縦軸にとったグラフを描く。これを「n1*-n2*相平面上の軌道」という。 d(n1*)/d(t*) = (n1*) - (n1*)(n2*) d(n2*)/d(t*) =-a {(n2*) - (n1*)(n2*)} を差分方程式にする、つまり時刻k(Δt*)におけるn1*を(n1*)[k]、n2*も同様に表し、 d(n1*)を(Δn1*)[k], d(n2*)を(Δn2*)[k], d(t*)を(Δt*)で置き換えてやると、 (Δn1*)[k] = (Δt*){(n1*)[k] - (n1*)[k] (n2*)[k]} (Δn2*)[k] = -a(Δt*) {(n2*)[k] - (n1*)[k] (n2*)[k]} (n1*)[k+1] = (n1*)[k]+(Δn1*)[k] (n2*)[k+1] = (n2*)[k]+(Δn2*)[k] となる。これをk=0,1,2,....と計算すればよい。 パラメータaはシステム(系)の条件を決めるものである。これは計算の初めに決めて置かねばならない。 (n1*)[0]と(n2*)[0]は初期条件あるいは初期値と言い、適当に与えなくてはならない。 Δt*は十分小さくとるが、いろいろ試して適当な大きさを決めなくてはならない。 また、数値の精度を変えてみる(多倍長計算。doubleを使うかsingleをつかうか。FORTRANならREAL*4かREAL*8か)ことによって、計算の結果があまり変わらないようにしないと、何をやっているのか分からんことになる。 この計算自体はEXCEL位で十分である。せいぜいVBで良い。 計算を続けて、どんどん相平面上の軌道を描いていくと、パラメータと初期条件が適当なら、閉軌道になるであろう。これが周期解である。 ●もうひとつ経時変化のグラフを描く。こんどは横軸がt*で縦軸が(n1*)、(n2*)である。個体数が時間と共に変わる様子が描かれる。 ●周期解が得られたら、わざと(n1*)か(n2*)を少し変化させてみる。(パラメータは同じにして、初期値を少し変えればよい。)それでもほとんど同じ周期軌道を描くなら、この周期解は「安定」である。さもなくば不安定である。 ●この方程式の軌道は安定であるが、漸近安定(asymptotic orbital stability)ではない。つまり、二つの(相平面上で)近接した軌道上の、互いに近接した2点を初期値としてそれぞれ計算をしてみると、経時変化のグラフではどんどん波の山の位置がずれていってしまう。 ●系のパラメータが変化すると、軌道が大きく変化することがある。たとえば、魚1の餌が不足して、増殖率(α1)が低下した、とするとどうなるか。 まあ、こういった所がシミュレーションである。 さて、次の数学的ステップは、ポアンカレ-ベンディクソンの定理だとか、リヤプノフ指数だとかを使って、系の安定性を数学的に解析することなんだけど.....どうしようか。というのも、これを追っていっても、遙か昔に確立された理論をなぞっていくだけのことになってしまう。大変な努力がいる割に、分かっている人には答は自明である。 むしろ、卒論としては、一応研究なんだから、 生物学が得意なら、系をもうちょっとリアルにしてみるというようないたずらの方が面白いだろう。 ●大昔は漠然と、微分方程式を数値計算のために近似するのが差分方程式(いわばまがいもの)だ、と思われていた。ところが実は、差分方程式は、微分方程式では説明できないようなモデルを表現するということが認識されたのも、生物学が最初だったように思う。  繁殖が年1回しか起こらないような動物の捕食関係においては、差分方程式 (Δn1) = (α1)(n1)[k] - α(n1)[k] (n2)[k] (Δn2) =β(n1)[k](n2)[k] - 2(κ2)(n2)[k] でないと、本当の姿が見えてこない。Δt=1年である。微分方程式で表した場合には、n1,n2の個体数の変化が他方の個体数に直ちに反映するが、1年単位の繁殖を考えると、大繁殖や絶滅が簡単に起こることが分かる。 ●(単位時間当たりの増殖)、 (単位時間当たり死滅)を単純に個体数の積で表していていいのか?ここをもっと精密化したらどんな現象が見えてくるだろうか?確率の知識がないと旨いモデルが作れないかもしれないが、面白いバリエーションである。 ●拡散方程式がどう繋がるのか、というのは多分、個体数が空間的にむらになったとき、そのむらが解消していくプロセスを表現するモデル、ということだと思われる。 この発想で行くと、実空間の中に個体がいっぱいいて、その場所場所で捕食が起こり、個体数にむらが発生する、というような、シミュレーションの話(つまらないゲームのようなものだ。)になる。こっちをやれと言われているのだろうか? ●やっぱり、もう少し、卒論のテーマの詳細をUPして貰わないと....

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